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火の世界の豪炎  作者: PP
第一章-太陽の都編-
20/147

20:舞い込んできました-2-

主人公視点はいつ戻ってくるのやら。


2015/2/25:文章修正

2015/3/2:各タイトルにナンバリング記載。

 メイの奴、張り切ってるな。二人と一緒にやってきた道具屋で俺はそんな感想を抱きつつぼんやりと二人を眺めていた。


 そう、『毎度』新しい男をみつけてはプロポーズし撃沈している女、それが目の前にいるメイというメイドである。同じ職場で働く同志としてはいいが、女としてみるのはだいぶ危険な女性ではある。


 俺もかつて、この町へやって来てモコン様の兵となった日に、道具屋へと案内されたのを思い出す。


 見た目は158cmと小柄な身長だが、体つきは出るとこは出ているし、締まるところは勿論、髪もすっとロングな綺麗な黒髪であり、顔つきに至っては優しさに溢れた柔らかそうな頬に小さな口、鼻は若干高めでまつ毛もクイッと、あれだあれ、とにかく見た目は抜群に良い女なのである。


『しかし、まぁ』


 手当たり次第男へ声をかける性格と、自分の理想を押し付けるあの躾狂は町の中では最早有名を通り越して、恐怖の存在として認識されている。


『あれを耐え凌いだ強者はいないんだよな。それよりも』


 道具屋の奥へと消えていったメイを目で追いかけ、俺は深浦へと話しかける。


「なぁ、ちょっといいかい」


「はい、なんでしょうか」


 この俺は助けたときから深浦に対して思っていたことがある。


「ちょっと俺と手合せしてみないか」


「手合せ、ですか?」


「ああ、少し気になっていてな。この後ギルドにある闘技場へ行こうな」


「え、あ、はい」


 俺はこの男は出来る男だと、そう直感していた。体格の事もそうだが、あのチャ川に流されても生きているという事は、それ程の火の加護に恵まれていると推測も出来る。ただ単に運が良かった、だけとは到底思えない。


「お待たせ、母さんこの遊多様が、今度私の」


「はいはい、わかったから落ち着きなメイ。この男が、ねぇ」


「はい、母さん」


「まだシゼルの方がいいんじゃないの、アンタ?」


「いいえ、私がきっと遊多様を立派な」


「あ、え、何の話をしているんですか」


 帰ってきたメイとメイ母が、深浦と会話を始めてしまった。まだしばらく待たされるのか。俺は腕にはめ込んでいる腕輪をみつめ、深浦との手合せを心待ちにしている。


『俺にも機会が舞い込んできたな』


 この町もいつまでも平和が続くわけではない、一人でも兵が欲しいのが実情なのだ。この男を鍛え上げれば……。


 俺はキッと笑みが零れるのをかみしめるのだった。

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