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火の世界の豪炎  作者: PP
三章-ツリィム-
147/147

146:エンドワン

 魔物の暴走が始まってから数か月の月日が経過した。未だ新たに現れる魔物は凶暴で、各地でその存在は猛威を振るっていた。ギルド本部のあるトンカンの町では、ギルド長のパトラをはじめ、俺とモロが奮闘を続けその猛威から町を守り続けている。


 一方、ミューズの持つ加護、戦神の加護が魔物に有効な事が判明してからタマコと共にミューズは北の大地へと旅立ってしまった。頑なに砂の無い大地を嫌っていたコカリリスのタマコだが、何故かミューズの願いを聞き入れ飛び立ったのだ。別れる時は本当にあっさりとしたものだった。


 俺が魔物を討伐した日から、暴食の神様であるクゥの姿も見かけないし、トレント族のジュも全く姿を現さない。その内火の神様ことトップと接触があるかと期待をしていたが、今ではそんな期待も持たないようになっていた。


 折角手に入れた家も、空き部屋が多く少しだけ寂しい気持ちになってしまうのは何故だろうか。昔の俺なら、一人で部屋にこもって遊んでいる時間が楽しかったのに、いつから俺はこんなにも寂しがり屋になったのだろうか。


「ゆーた、サーモがショッピングしよって!」

「へいへい、ついでに何か食べるか」

「うんっ!」


 モロさんは相変わらず元気一杯だ。初めて会った時の目的、美味しい食べ物を色々食べたいという想いを叶えてあげられたのだろうか。俺は、これからもモロの事を大切に、そして願いを叶えてあげたいと思っている。


「遊多さん、昨日はお疲れ様でした。これだけあればちょっとだけ、贅沢してもいいですよね?」


 上目づかいに俺に懇願するサーモ。昨日も魔物が現れ、それを討伐した報奨金が手元にはあるのだ。サーモがしっかりとお金の管理をしてくれているので、非常に助かっているのだ。そんなサーモからの提案である、断る理由もない。


「応、もしかしたら魔物のドロップで良いのがあるかもしれないし、色々あさってみますかっ」


 そしてあの日から変わった事といえば、魔物を討伐すると宝石に変わるという現象であった。これは全て俺の想像なのだが、きっと宝石の神様が何か仕組んだんだと思う。ツリィムの、神様達の居る世界では今何が起こっているのだろうか。何度没入しても、あの場所へ辿り着く事は一度も無かった。


 神様といえば、もう一点。俺に宿った複数の加護を、何度か纏おうと試そうとしたが、何故か加護を受けれずしまいなのである。だから、今も豪炎の火しか扱えないままなのだ。ただし、魔物を討伐出来る程の火、つまり火の世界の中でも上位の火にいつのまにか変異していた。理由を確かめたかったが、確かめるすべもなく今日まで勢いだけで生き続けている。


 きっと、これからもこの生活が続いていくのであろう。もし、モロが新たなる食を求めて旅に出たいと願うなら、旅をするのも悪くない。サーモがトレジャーハントをしたいと願うなら、宝さがしにいくのも悪くない。


 俺に宿る豪炎の火はツリィムの中で、そして火の世界の中でこれからも永遠に燃え続けるだろう。




 火の世界には存在しないはずのリラクゼーションソファにどっぷりを体を沈める。狭い部屋の中、俺は白紙だった書物にこの世界の文字で日記を書き終えると、久々に現れたという大型の魔物をおもう。俺は生きて帰れるのだろうかと。これまでの火の世界での出来事を書き残した書物をその場に置いたまま、俺は今日も火の世界の扉を潜ったのであった。



これにて火の世界の豪炎は完結させていただきます。

もしも、もし火の世界をもっと展開して欲しいなどの声が上がれば、続編は書くかもしれません。火の世界の豪炎Ⅱが出てなければ、きっとそんな声はあがらなかったという事でしょう(笑)


皆様、長い間ありがとうございました。


2015/7/23:完結

これまで直接書いて、そのままアップロードしていたため、今後は文章の校正に入ります。そのため、内容が変わる可能性がありますが、ご了承下さい。


手直しが全て終わった際に、ここの一文に手直し済と日付をつけさせていただきます。


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