115:開幕-3-
「続きまして、Ⅷ貴族が一つ、南東の貴族パトラ様へお仕えする騎士『バウバウ』だー!」
続いて入場する小型犬バウバウ。
「このⅧ騎士が一人、バウバウは見たとおり小型犬なのです! ふわっふわな白い毛並と鳴き声はもう癒しそのもの。その姿に人々は癒され、明日へ向かう事が出来るのです!」
中央に辿り着いたバウバウはバウッ、と一鳴きして青組の舞台へと移動する。その可愛らしい姿に民達は熱狂し歓声を上げる。
「続きまして、Ⅷ貴族が一つ、南の貴族メル様へお仕えする騎士『アヴィ』だー!」
続いて入場する赤色を基調としたローブを着た女騎士アヴィが入場する。
「このⅧ騎士が一人、アヴィは何とスタイルが上から……」
アナウンスが止まると同時にアヴィは中心へと辿り着く、腰につけている鞭をペチンと一振りする。同時に男からの猛烈な歓喜の声が立ち上がる。
「ハッ、アヴィは鞭という変わった武器を扱い、その扱い方は脅威の排除から夜の……」
再びアナウンスが途中で止まる、よくよく見ると話す口は動いているのに声だけが届いていないという。
「皆様、もうお気づきでしょう。私の声は先ほどから幾度となくアヴィの火の操作によってかき消されておりました。このように変幻自在な武器と火を扱う、どんな状況にも対応できる頼れる姉御タイプだー!」
アヴィはめんどくさいといった表情で青組へと辿り着く、途端バウバウが頭の上に乗り場が癒される。
「コホン、続きましてⅧ貴族が一つ、南西の貴族ヘイヨ様へお仕えする騎士『プルム』だー!」
入場するのは瓶を二本持ったプルムが悠遊と歩いて中央へと向かう。
「このⅧ騎士が一人、プルムは何と調合師をしており、日々怪しげな薬品を作っては試している天才なのです! その薬の中には、回復薬など皆様御馴染の物があり、その効力を倍以上に引き上げたりすることに成功させた実績の持ち主なのです」
中央に辿り着いたプルムは二つの瓶を空中に投げ出し、ぶつかりあった瞬間それらは砕ける。
「見て下さい!」
すかさずアナウンスが流れる。砕けた中身に入っていた液体二種があわさり、更にそこに僅かな火の操作をする事が引き金となり大爆発が発生する。
「あの程度の火の操作であの爆発力、ああいった武器などの開発も行うなど、プルムはこの世界一といっても過言ではない開発力をもっているでしょう」
片手をあげアピールしつつ青組へと向かっていくプルム。先の爆発で会場スタッフの一人が怪我をしていたようだが、お構いなく歩姿は残忍性を持ち合わせているイメージを会場に集まる全ての民に植え付けるのであった。




