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火の世界の豪炎  作者: PP
二章-精霊降臨-
103/147

103:説明下手

 俺達はワズの説明をそれぞれサンドを食べながら聞き続ける。


「だから、都の人口増加に伴い人々の調和と、交流と。いやでもまって、確か貴方達と再戦を申し込めって……少し待ってください、まとめますから」


 何だかんだで腹ペコだった俺達は二皿目のサンドを食べ終えようとしているが、ワズは何かを伝えようと必死なのだけは伝わって来る説明を永遠と続けている。


「ヒヒ、話し長い」


 と、ここでミューズがやっと突っ込みを入れる。


「す、すいません。あの、その……」

「ヒヒヒ、何だ。普通に言葉通じるじゃないの」


 どうやらミューズの口数が少なかったのは言葉が伝わるか心配していたらしい。俺と海道、理深が火の操作に不慣れだっただけであり、火の操作を普段から行使している南の民にとっては言葉の壁なんて何の問題もなかったらしい。


「それで、あたし達と何しようってんだい? ヒヒヒ」

「ああ、もぅ。バウバウ少しは手伝ってください」

「バウバウ」(しょうがないわね、私から説明するわ。要するにこういう事よ)


 小型犬のバウバウがバウバウと吠えながら説明を引き継いでくれる。どうやら要約すると以下のようだ。


 南の都市壊滅に伴い、流れて来た都市の民と太陽の都の民との交流が必要である。急速に拡大する都を維持する為に、イベントを行おうと。


 内容は、治安維持の向上、民の交流、そして厄災として現れた暴食の神の脅威はさった。と、伝え民への不安を払拭させようと。


 そこに、Ⅷ騎士であるワズ達と暴食の神であるクゥ率いる俺達とでイベントをさせようって上の考えらしい。


「で、何するのさ? ヒヒ、面白そうじゃない」

「バウバウ」(戦闘だと圧勝されるのは目に見えているわ。それに戦利品は必要でしょ? だから上はこう考えたわ)


 席から立ち上がるワズ、そして頭の上に飛び乗るバウバウ。その隣にそっとポジションをとるパリィ。


「でーん!」


 とはパリィの口から発せられた効果音。途端、背後に長方形の塊が出現する。


「な、何事!?」


 思わず俺が突っ込むと、待ってましたとばかりパリィが説明を引き継ぐ。


「はははっ、良い反応だ深浦。俺とワズの合体技、イカスだろ? これがイベントの内容さ」


 パリィとワズは背後に出現した箱らしき物を中心に、手を広げアピールする。


「「味勝負!」」(味勝負!)


 二人プラス一匹の声と共に、背後にある箱から食材が現れる。氷と土操作で、精霊世に作ってた冷蔵庫を呼び出した演出だったそうだが、そこは今はふれまい。


「わはっ!」

「ヒヒヒ、味勝負って何」

「遊多さん、これって……」

「うー」

「……えっ?」


 それぞれが微妙な反応をしつつ、俺はⅧ騎士と勝負する事となる。


「もし、貴方達が勝てばモロさんは返すわ。でも、負けた場合は一年タダ働きよ」

「そうだ、医者代が全然足りてないからな……」


 世の中は無慈悲である、俺達がモロに預けたお金は足りてなく、それを賄う為にイベントの見世物に抜擢されてしまったのだ。俺はモロを助けたいのだ、この味勝負、受けるしかないのである。


「わかった、受けて立つよ……」

「バウバウ」(尚、八人集めて下さい。八対八での味勝負です、明日お題や日程はお伝えしますので、本日はライラ様の館でお休みくださいませ)


 相手の人数にわざわざ合わせろという指定が来たが、断れる訳もなく。


「お、応」


 としか返答できない俺であった。

味勝負!

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