第三幕 寒い春は生霊と
日が沈み、辺りの街灯が灯り始める。
「……アンタ、どうして行方不明になったんだ?」
花咲紫苑、最初の行方不明者で女優業を営んでいる。
「‘アンタ’って呼ばないで、さんをつけなさい。さんを」
「はいはい……紫苑さんはどうして行方不明になったんですか?」
「それは私も分からないのよ」
街灯に紫苑の綺麗な黒髪が反射する。
「私もそれに関しては分からないわ。あの日部活メンバーと神社で肝試しをして、気が付いたらこの体になってたからね」
「そうなんだ……」
「でも貴方もそろ消えるわよ」
「は?」
生暖かい風が首筋をなぞる____________________________。
「貴方、あいつらとか紅い月を見たわよね?」
「紅い月は分かるがあいつらって?」
そう聞くと、紫苑は淡々と語る。
「あいつらはこの世の存在じゃないの、でもあの世の存在でもない。あいつらは異界の存在。この世の生物、概念の残留思念とか負の感情だけが抽出されてるの、でも正の感情を一欠片も抱かずに死んでしまうと異界のヒエラルキーとして一つ上の存在となることが分かったわ」
「そうなのか……よく分かるな」
「何か月この体だと思ってるの?」
「それはそうだな。じゃ、俺は帰るから_________。」
⦅参戦者確定、儀式の遂行を次の段階に進めます。開戦は伍月拾肆日とします。⦆
突然と脳内に声が響く、それはこの事象が当然のように脳内の声は淡々と語る。
「何だ、何なんだ!」
半狂乱になっていたと思う。とても滑稽で醜態な姿をさらしていた。
「これもあいつらなのか?なぁ、紫苑さん!」
「何があったかは知らないけど、声に関することで他者が聞こえない事象には遭遇したことないわ」
それでも紫苑は淡々と語っていた。
「…………」
どこかからお経のようなものが聞こえてくる。
「ニンゲンガイルヨ」
「シカモフタリモイルヨ」
辺りから不気味で、醜悪で不気味な声が多数聞こえてくる。
「オイシソソソゾゾゾゾゾゾ」
気付くと線香のような匂いまで漂い始める。
「ここでまだ死ねるかよ、まだやりたいこと沢山あるのに!」
「同感よ、私も早く体に戻ってやることやらないといけないもの!」
攻撃する物も防御する物も無いくせに構える。
⦅青年よ、君には力を授けよう。誰かを守り、殺すための力を⦆
また脳内で声が聞こえた。だがこの声はさっきの声と違い優しさを感じた。
こんにちは、【編集者】です!
異物達が出ましたね!二人の運命はどうなるんでしょうか?




