第二幕 皆で三猿
旧視聴覚室を開けると扉を開けた勢いで埃が舞い、窓の外から入る日光が埃に反射し麻田拓哉と目が合う。
「よ、朝倉。アレ持ってきた?」
中性的な麻田の声が教室に響く。
「はいはい、持って来ましたよ。【青ギツ】のDVD8巻でしょ。てか、お前んち金持ちなんだから買ってもらえよ」
「俺今金無いし、ワトフリも今定期支払い忘れちゃって」
「またかよ…そういえばお前また告られてたな、男子に」
「………そんなに俺女っぽいか?」
「正直美少女すぎてめっちゃ可愛い」
「よし、殺してやるからそこで正座しろ」
「まて、弁明させて欲しい」
「許そう」
「まず声が女よりの中性的な声だ、そして女子っぽい身体構造、いい匂いのする髪と緑の縁の眼鏡でバフがかかりまくっているんだ」
「俺の中の【許しの三原則】誠実・下心無・ウザくないをすべて破ってる。殺すわ」
沈黙の後に重めのパンチが腹に入る。
「ぶうぉふぇ!」
「ふぅ……これで懲りたか?変態野郎」
「ありがとうございます」
「……一生治らないわ、コレ」
麻田は額に人差し指、鼻の真ん中辺りに中指をおいて「はぁ~~」と呆れ声を出した。
その後、持ってきたDVDプレイヤーにDVDを入れて、少し薄暗い部屋で見ていた。
「ありがと、やっぱ青ギツおもろいわ」
「だよな~~やべ、そろそろ三限目やん。カギは俺が閉めとくから先に行ってて良いよ」
「あざ~す」
そう言った麻田は先に旧視聴覚室から出て行った。
「あぁぁぁぁぁ!眠ぃわ」
そう言って俺は背伸びをし、扉に鍵をかけて教室に戻った。
その後授業を受け、部活決めの時間となった。辺りでは「どこにしようかな~」「俺○○部にするわ」などの声が聞こえた。
『俺はどうしよ………去年通りコンピューター部に入るか…ほとんど活動してないし』
そして部活志望紙を教師に提出した。
「疲れたぁぁぁぁ」
あくびをして、バッグに荷物をまとめてると下校時間になり、普通科の生徒は階段を降りて、それぞれ家路についた。
俺は駐輪場に行き、自転車に跨り、川崎市立総合市民病院にいる妹に会いに行った。
「お兄ちゃん、いつもお見舞いに来てくれてありがとうね」
「あぁ良いよ。俺暇だし。まだ治りそうにないか?目は」
「うん……まだ何も」
「そうか…」
俺の妹の朝倉百花。百花は俺が高校1年生の時に当時中3で学校の林間合宿に行き、二日目の夜に部屋の前の廊下で発狂し、失明していたという。だが、発狂したとき「……ルキ」という単語を百花の友人が聞いたという噂を耳にした。
「まぁ早く治ることを祈ってるよ」
「はい!頑張って治します」
そう言い、病室の扉を開け、1階に行くためのエレベーターホールに向かってる時に、関係者以外立ち入り禁止の扉から腐臭がした。
「!」
鼻をつく刺激臭。鼻をつまんで小走りで向かおうとしたときに一瞬、青白く、皮がはがれている人の手のようなものが扉から出ているのを見てしまった。
窓を見ると空は今朝見たようなこの世のものとは思えない色だった。上の部屋からは大勢の人間が床を叩いているような音と唸り声が聞こえた。
『早く来いよ、早く来いよ!』
そう焦っていると「ぽーん」という音と共にエレベーターの扉が開いて急いで乗った。
少し落ち着き、病院の案内図を見ると1個上の階に遺体安置所があった。
エレベーターが1階につき走ると、いつもの景色が広がっていた。
「やっぱ疲れてただけか…」
一息つき外に出ると夕暮れの空が広がっていた。
駐輪場に行き、自転車に乗ろうとすると
「見~つけた」
首筋に冷たい息がかかり、背筋が凍る。
「なぁんて、そんな固まらなくていいのよ?」
「え?!」
そこには朝に見た少女、いや最初に行方不明になった人であり、高校の先輩にあたる春咲紫苑が微笑みながら浮いていた。
「あなたも見えちゃったのね」
その一言から俺とあの人の関係は始まった。
やっと書けた…早く戦闘シーン書きたい…
でも英魔闘戦に行くまであと2章かかります。
辛い……でもこの章でも戦闘シーンは書く予定です!
待ってってね!




