インターバル
風が、そよぐ。
空を見上げると、一面の青。広くて深い青色。
彼女の瞳の色を思わせる。
戦いが終わり、僕達は今それぞれの時間を過ごしている。かという瑛は、戦うこと以外はまったくできず、雫と彩に追い出されこうして、外で寝っころがっていたところだ。
「ねぇ、瑛」
「なんだよ」
瑛の隣で空を見上げている飛燕にぶっきらぼうに返事をする。
「空が綺麗だね。私はこういう広い世界が好き、大きくって安心する」
「ふぅうん、そう」
空を見上げながらぼけっとしている最中に話しかけられ、興味なさげな返事を返す。
「またそうやって、瑛は変わらないわね。 話は変わるけれど、仕事くらいしないと駄目じゃない。宗とか白哉とか光を見習いなさいよ」
「白哉はいいとしても、宗と光は見習えないぞ。宗なんか面影ないじゃないか、異世界人にカレーのレクチャーをずっとしてるんだぞ?」
「………訂正するわ、白哉を見習ってもっとしっかり仕事しないと」
さりげなく飛燕は訂正する。
「僕ができるのは戦うことくらいだよ、飛燕。僕に書類書きや作戦計画は向いていないよ僕がこうしていられる時間って凄く大切なんだって、思うんだ」
「それもそうね。ねぇ、瑛。 私は…私たちはこれからどうすればいいの?こうしている今も、どこかの世界が壊されているかもしれない…」
「どうすればいいかとか、そういう答えは僕はできない。 でも、一つだけ確かなことがある」
瑛は立ち上がる。
「僕達が今すべきことは、アイツらに立ち向かえる力を育て、僕らの手の届く人達を守る。そうだろ?飛燕」
「瑛の口からそんな言葉が聞ける日が来るとは思わなかったわ」
飛燕は心底驚いた顔をしている。
「………たまには、真面目なことも言うさ、僕だって」
「まぁ、それはいいとして、瑛、雫の手伝いしなくて言いの? 書類運ぶくらいはできるでしょ?」
「それくらいなら…できる」
「なら、」
飛燕は立ち上がり、瑛の腕を引っ張る。
「行きましょ、アキラ!」
「と、っと…ちょ、待ってくれよ、飛燕」
瑛を引っ張り、飛燕は走り出す。
明るい未来を信じて、自分を元に戻してくれた瑛のためにも。自分であり続ける事を諦めない、彼と共にその道を進もうと、飛燕は心に決めた。
………
……
…