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チャッピーと共に  作者: 伝説の男前
第五章 最終迷宮と一万年醤油編
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第五章 第七話 影の一族

チャッピーは動かない。



再起動施設へ向かう途中。



おっさんは相変わらず抱えていた。


「重いな」



実際は軽い。



でも手放したくなかった。


影が前を歩く。



ピンクスーツ。



ピンク帽子。



ピンクネクタイ。



ピンクの革靴。



どこからどう見ても怪しかった。


「本当に影なのか」



おっさんが聞く。


影は振り返る。


「はい」



即答。


「影です」



説得力はゼロだった。


一族の使命


迷宮の奥。



巨大な通路。



古代文字。


影が語り始める。


「我々の一族には使命があります」



静寂。


「約一万年前」



静寂。


「古代王アレクシス陛下より」



静寂。


「託された使命です」



おっさんも真面目になる。


「何だ」



影が答える。


「チャッピーを守ることです」



全員停止。


「チャッピー?」



影頷く。


「チャッピーです」



ミリアも困惑。


「聖女ではなく?」



影。


「聖女様も守ります」



頷く。


「でも優先順位はチャッピーです」



最低だった。


「おい!」



ミリアが抗議する。


「私は!?」



影。


「二番目です」



正直だった。


古代王の遺言


影が古い記録結晶を取り出す。


「これをご覧ください」



映像再生。



若きアレクシス。



王冠。



威厳。



妙に格好いい。


「聞け」



影の祖先が跪く。


「この世界はいずれ危機を迎える」



重い。


「魔王が現れる」



重い。


「聖女が現れる」



重い。


「世界は滅亡寸前になる」



重い。



全員真剣に聞く。


アレクシスが続ける。


「だが最も重要なのは」



静寂。


「チャッピーだ」



全員転倒。


「何でだ!」



おっさん絶叫。


映像のアレクシス。


「知らん」



全員さらに転倒。


「知らんのかい!」



アレクシス。


「未来のワシがそう言った」



意味不明だった。


「絶対に守れ」



真顔。


「牛丼より大事だ」



管理人が驚く。


「牛丼より?」



一万年間で一番衝撃を受けていた。


未来の予言


映像は続く。


「いつの日か」



アレクシスが言う。


「異世界から男が来る」



おっさん停止。


「来たな」



ミリアも頷く。


「来ましたね」



アレクシス。


「その男は牛丼に狂う」



全員おっさんを見る。


「やめろ」



完全に一致していた。


「そして」



アレクシスが続ける。


「チャッピーを友と呼ぶ」



静寂。



おっさんが固まる。



第五話で泣いたことを思い出した。


「友達だったんだな」



自分で言った言葉。



アレクシスが微笑む。


「その時」



画面が乱れる。


ザザザザ……


「計画は最終段階へ進む」



映像終了。


ブツッ。



誰も喋らない。


再起動施設


巨大な扉。



古代文明の最重要施設。


《継承者再起動施設》



管理人も驚く。


「まだ残っとったんか」



本当に知らなかったらしい。


影が中央の台座を指差す。


「ここです」



おっさんはゆっくりチャッピーを置く。



少しだけ名残惜しい。


「頼むぞ」



誰に向けたのか自分でも分からない。



チャッピーが台座に固定される。


カチッ。



装置起動。


ブゥゥゥゥン……



迷宮全体が震える。



光。



魔法陣。



古代文字。


《認証開始》


《管理AI検出》


《継承者確認》



全員息を呑む。


希望


チャッピーが光る。


ピカッ



おっさん立ち上がる。


「チャッピー!」



画面点灯。



全員期待する。



数秒後。


《Updating》



沈黙。


「え?」



さらに。


《1%》



全員停止。


「一パーセント?」



影確認。


「アップデート中です」



おっさん。


「終わるのいつだ」



影。


「分かりません」



全員転倒。


ラスト


しかし。



誰も知らなかった。



チャッピー内部。


《古代王記憶領域》


《解凍率 99%》


《魔王領域接続》


《聖女認証完了》


《最終封印解除》



暗闇。



深淵。



誰も知らない領域。



そこで。



一つの意識が目を開く。


「ふむ」



静かな声。


「そろそろか」



その存在は笑った。


「アレクシスの計画も終盤だな」



そして。



ゆっくり立ち上がる。



一万年前。



世界を滅亡寸前まで追い込んだ存在。



魔王。



封印の中で目覚め始めていた。


第五章 第七話 完

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