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落ちこぼれ魔皇子  作者: 黒田明人
少年期
14/17

少年期 5

 

親父が寝たきりになってんな。

あれから何十年が過ぎたか分からないが、もうじき死ぬのか? 親父。

弟も洞窟の中で爺さんみたいになってるし、今の王も壮年みたいになってるし。

なのにオレはまだ少年の格好のままだ。


水鏡ミラー】の魔法で我が身を写す。


銀髪と赤い瞳の少年の格好は変わらない。

これが魔族の特徴だと思い、当初からこういうものだと思ってた。

だけど人族の前にこの格好で行くと、やっぱり拙いんだろうな。


「親父、まだ生きてんのか」

「お前……何故、年を取らぬ」

「推測はあるぞ」

「聞かせてはくれぬか」

「魔人の血さ、あれ、飲めば飲む程、寿命が延びる」

「おぬし……そうか、半年も、だからか」

「広めぬほうが良いぞ。広めれば滅亡する」

「それで、初代様は……そういう事……か」

「辛そうだな、楽にしてやろう」

「おぬし……ワシを……」

「ほお、そいつがオレの母親か」

「うう……ダイ……ア……」


ふうっ、美味かったぜ、親父、クククッ……


さてもうここに用は無い。

とっとと退散するか。

おっと、邪な奴らもついでに食っとくか。

待て待て、また満腹にすると長期に眠るから、樽に入れてボックスに突っ込んでおこう。

血を抜いて命を食らう。

魔族の国の邪な存在は全て消えた。


しかしな、邪な奴らか多くてさ……


かつての宰相や大臣も辛そうだったから楽にしてやったんだけど、邪な奴らは生きながら血を抜いて殺したよ。

弟もさ、すっかり種馬扱いになっててさ、血を抜いてやったらぼんやりしてさ、そのまま死んじまったよ。

ああ、これはいかん。

あらかた死んだな。

種族限界数がヤバい予感。


仕方が無いな。

このままではこの国は無くなりそうだし、ちょいと隔離するか。


【隆起】


魔族の領地が隆起する。

土地が数百メートル隆起し、地上と隔絶する。

ふうっ、たくさん飲んでおいて良かったな。


あれ、崇めているのか?


ああ、天変地異みたいな事を起こしたからか。

まあいい、しばらくのんびりするか。

王宮にはもう、誰も居ない。

全員が邪だったからな。


洞窟の中の奴らも陰謀の相談中で、だからみんなさようならだった。

大量の血液樽はボックス行きになり、存在を食らった栄養で土地の隆起を成したと。


ふむ?


抱けと言うのか。

さて、可能かどうか試してみるか。

手を自らの身体に透過させ、刺激させて屹立させて投入。

更に刺激で放出するも、そこに何の感情も無いな。


腹が温かく感じたのか、妙に嬉しそうな女。

他にも数人の女が希望し、その作業は何度かやった。

もういいだろ、希望だからやったが、楽しくも何とも無い。


飽きたのでまた狩りに行く事にするが、その前に魔物の肉を放出しといてやろう。

洞窟の中はもう誰も居らず、だから氷室にしてやろうな。

ボックスから出す時に冷凍し、そこらに転がしていく。

冷却魔法で洞窟内を冷やしながら、ひたすらひたすら冷凍肉を積み重ね……


どうにも減った気がしないが、後は動物でも取って来てやるよ。


人族の国で素材と交換で動物を仕入れ、隆起した領地に放す。

野菜の種や穀物のもみも交換し、供給しておいた。

まあ、後は好きに生きていくがいい。

オレはまた狩りの日々に戻るから。


数年後に行ってみると、また人が減っていた。

ううむ、奴隷でも仕入れるか。

数百の奴隷を素材と交換で入手し、オレの子を産んだ女に渡しておいた。

どうやら数人の子供になったらしいが、銀髪で赤い瞳は1人だけだった。


そいつが長になるのかねぇ。


奴隷との交配を推奨し、オレはまた狩りの日々に戻った。

滅びるにしろ、滅びないにしろ、魔族はもうあれだけだ。

元々、勇者との戦いで絶滅寸前になっていたんだ。

ドラゴン作戦で何とか退けたものの、先はどのみち無かったんだ。

数百の魔族など、人族の連合軍に襲われては、どのみち絶滅の未来しかない。

しかも静かに暮らせば良いものを、反攻作戦を計画とか、他の魔族の迷惑だから消したんだ。

ちょっとその数が多かったけど、ああいう類は死なばもろとも、なんて考えだから困るんだ。

平和に暮らしたい魔族も道連れにしようとするからさ。



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