第二話(七不思議)
蒼には待っててもらおう。
俺1人のほうが探索するペースは早いはずだ。
「蒼はここで待っててくれ。学校の様子を見てくる。」
「……わかった。」
彼女は少し悲しそうな表情をしていた。
学校を一通り回って分かったことは
・出入口には全て鍵がかかっている
・誰一人見当たらない
この2つだ。戻って蒼に伝えなくちゃな。
教室に戻ると彼女はいなかった。
蒼……?
A.トイレか?
B.嫌な予感がする……。
情報は得たけど……何この選択肢?!
嫌な予感しかしないんだが!!
慎重になれ……セーブをして、、。
思った通りに進んでみよう。Bだ。
嫌な予感がする。
「蒼ー!蒼ー!」
叫びながら彼女を探す。
しかし彼女は見つからなかった。
どうすればいいんだよ……。あいつがいない俺は……俺はっ……。
A.もう一度教室を探す
B.蒼を探しに行く
ほんとに嫌な予感しかしないんだが!?
ゲーム内の俺……気持ちはよく分かるぞ。
それにしても選択肢はどっちも探しに行くって意味では同じか。
という事はBを選ぶと教室以外の場所を探すことになるんだろう。
とりあえずセーブしてAを選ぶことにした。
やばそうなら次回はここからロードすればいい。
こういう時はもう一度教室を探したらひょっこり出てきたりするんだよな。
冷静になった俺はもう一度教室を探した。
するとカーテンの影に隠れてクスクス笑っている彼女がいた。
「なにしてんだよ?」
「うーん。なんでもないよっ!」
とにかく見つかってよかった。
「あちこち見てきたけど出入口は全部鍵がかかってたよ。」
「そっか……。私も教室見て回ったんだけどこんなノートがあったよ。」
蒼の手には見覚えのないノートがあった。
中には
・この学校の七不思議を今日中に……
・君は誰を選ぶ?
・君は覚えているかい?
と書かれていた。
どういうことだ?少し考えてみるか。
1つ目は七不思議はかなり有名だしそれを解決?って言うのかな。真実を暴くって言うのかな?
それをした時何かが起こる的なあれだと思いたい。
2つ目は蒼しかここにはいないし俺には関係ないのか?
3つ目なんてもっとわからん。
とりあえず七不思議からどうにかしてみっか。
まずはどの七不思議にするか……。
A.理科室の不思議
B.トイレの不思議
C.階段の不思議
D.体育館の不思議
E.大鏡の不思議
F.屋上の不思議
G.???の不思議
……え?ちょっと待って?
凄い展開になったんだけど!!!!
まさかの七択?!
これはこまめなセーブとメモをとる必要もある気がするな。
部屋にはご丁寧にメモ帳と鉛筆が置いてある。きっとこうなることを予測されていたのだろう。
さっきの選択肢も気になるって言うのに、、。
仕方ない。この先詰んでしまった時に戻ればいいか。
セーブをしてAを選ぶ。適当に選ぶと後々ややこしくなりそうだから順番にやろう。
理科室の不思議へ行こう。
確か理科室にある不思議は……動くはずのない人体模型が動くだったな。
「あったよ人体模型。」
彼女が指さした先に人体模型は佇んでいた。
「やっぱり動かないよな普通。」
あちこち触ってみたが動く気配がない。
何か動く条件があるのか?情報が足りない。
「蒼はどうしたらいいと思う?」
「……りくくんがわからないなら私にもわからないかな。」
「だよな……。」
待てよ……そういえば七不思議には噂が広まった順番があった気がする。
理科室は2番目だったな。後でもう一度来てみるか。
ガタッ!
ん?気のせいか?
「……。」
A.トイレの不思議へ
B.階段の不思議へ
C.屋上の不思議へ
D.体育館の不思議へ
E.大鏡の不思議へ
F.???の不思議へ
なるほど……。噂が広まった順番に解かなくてはいけないのか。
メモ帳に理科室は2番目。とメモをする。
セーブもしたし次はトイレの不思議へ行ってみよう。
Aを選択。
トイレの不思議へ行こう。
「りくくん。」
「なんだ?」
「女の子と一緒に女子トイレに真顔で入る男の子ってどう思う?」
「し、しかたねーだろ!七不思議を解くためだ。」
「りくくんがそう思うならそうだね。」
「それでいいのかお前……。」
女子トイレなんて小学校の時イタズラで入ったきりだな……。変な想像はしてないぞ。
調べていると一つだけドアの閉まった個室があった。
「これって……。」
「七不思議の1つだね。」
確か内容は……
誰もいないはずの学校に扉の閉まった個室がある。耳を済ませても何も聞こえないし、上の隙間から覗いても誰もいない。
だが特定の叩き方をすると声が聞こえるらしい。
「そういや七不思議はここが始まりで残り6つも出てきたんだよな。」
「そうなの?りくくん物知りだね。」
「蒼が無関心なだけだよ、、。」
特定の叩き方は確か……。
A.ノック2回、拍手3回
B.ノック3回、拍手2回
C.ノック1回、拍手5回
D.ノック3回、頭突き2回
E.ノック7回、頭突き3回
F.拍手2回、頭突き3回
G.拍手3回、頭突き2回
H.拍手4回、頭突き1回
I.頭突き5回、スキップ2回
J.頭突き3回、スキップ2回
蒼との会話も本当に俺が学校に入っているかのように作られているな……。ほとんど思ったことがゲーム内の「りく」に反映されている。
トイレの不思議が1番目だったのはよかったが、まさかのノーヒントで謎解きかよ、、。
ここまでにヒントなんてなかった気がするが……選択肢を間違えているのか?
とりあえずセーブはして、当たらないだろうが適当に選んで進んでみよう。
Aを選び進むことにした。