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若芽巡査は、おやっ? と思え、席を立つと交番の外へ飛び出た。城水が運転する車が左折したあと、取り分けて事件性を感じなかった若芽巡査は、「こんな時間に珍しいな…」と、一人ごち、手を広げながら欠伸をした。
城水の脳内数値は、若芽巡査の動向を備に監視し、様々なデータを呼び出して計算し始めた。死角とはいえ、マンホールは交番のすぐ近くにある。巡査の年齢は21才。今年、赴任した新人。予測不能の動きをする傾向が5%~7%に及ぶ。よって、不意に気づかれる危険性がなくもない。その事態は2%の確率で起こり得る。交番巡査の動向には注意を要する。脳内数値は城水の脳裡を駆け巡った。城水はエンジンを止めた車の中で、目を瞑った。ここで時間を過ごすのが一番妥当・・との脳内数値の回答を得て、そうすることにした。城水は徐に腕を見た。呼び出された時間に最も早い午前0:00には、まだ2時間半はあった。何もせずに待つというのも…と、城水は目を閉じながら少し苦痛を感じた。あとに何もすることがなければ、それは安楽な時間だが、用事を抱えていると苦になる。安楽感が損なわれ、緊張する待ち時間となってしまうのだ。今の城水がそれだった。それでも、辺りが暗い上に時間も時間である。城水は、いつしか微睡んでいた。
ハッ! と城水が目覚め、腕を見ると、すでに日付は替わっていた。さすがにこの深夜帯では、いつやら出食わした若狭夫人も鼻の穴を広げて爆睡しているに違いない…と城水の脳内数値は夫人との遭遇確率0%を一瞬で弾き出した。




