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[いや、なに…たまには夜風の散歩を、と思いましてね]

「お車で、ざ~ますこと? ほほほ…」

 若狭夫人は語尾で意味深いみしんに笑った。

[いやぁ~、坂道は昇りが、きついですから…]

 城水は言い訳に四苦八苦した。こんなことなら、疲れたから早めに寝るとかなんとか言って、家にいた方がよかった…と城水の脳内数値が計算結果のデータを瞬時に出し、即答した。

「ほほほ…奥様、どうでもいいじゃござぁ~ませんこと」

 若狭夫人の横に立つ夫人が、しゃしゃり出て、嫌み口調で言った。

「あら! そうざぁ~ますわね。嫌ですわ、私としたことが。ほほほ…、ごめんあそばせ]

 二人は車に乗り込むと始動させた。城水とは逆で、自宅への帰途のようだった。城水としては、やれやれである。気疲れからか徒歩で駅へ向かう気力もせ、城水はしばらく車の中で目を閉じることにした。

━ ははは…とんだ災難だったな ━

 数分経ったとき、背広の外ポケットに入っている地球外物質が緑色の光を発し、城水へテレパシーを出した。ハッ! と城水は目を開け、もたれかけた背を起こした。

[何か用か?]

━ いつか見たと思うが、そのマンホールの中へはいれ。ふたはお前がそこへ行けば自然と上昇する。あとは現れた[1]の指示に従え ━

 地球外物質からの指示は的確なメッセージだった。

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