表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

54/123

-54-

「あら…今朝も早いわね?」

[ああ、まあな…]

 城水は里子の言葉にギクリとしたが、表面上は平静を装った。冷静さは、見破られない偽装工作の一つだった。突発時の対応策の一つ、<ぼかし>突発時の対応策の二、<口合わせ>に続く第三の矢、<平静シカト>である。シカトとは、若者の間でここ数十年の間によく使われるようになった流行語で、無視することを意味する。よく言えば、軽く受け流し、何もなかったように平静に対応する所作である。指令から送られたデータには、そうしたこの国の社会知識なども含まれていた。

「パパ、おはよう…早いね」

 雄静ゆうせいが眠そな顔でキッチンへ現れた。新聞を読む城水は、やはり平静さを装った。

[ははは…早起きは三文の徳だ、雄静]

 城水はデータ知識で得ていた古い慣用句を使った。

「なに、それ? …」

 小学一年の雄静には分かるはずもなく、そのまま洗面台へと消えた。

 いつものように朝食が済むと雄静が家を出た。城水はそのあとしばらくして家を出た。雄静のあと家を出る・・という行動パターンはデータの一部として指令から送られていた。だから城水には、そう意識する必要もなかった。この行動パターンは城水にとって二日目だったが、詳細はデータで送られていたから、城水の中ではすでに馴染なじんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ