26/123
-26-
[城水の体内にいる者には我々が来ていることを連絡したのか?]
[連絡はしましたが、テレパシー交信が、まだできません]
[そうか…。まだ、城水の体内で起動していないようだな…]
異星人のトップらしきクローンが言った意味は、生まれ出た城水の身体に異星人が船体として乗り込み、まだ停止して睡眠していることを意味した。決まった時間に城水が空腹感に襲われるのは、その事実に原因があったのである。
[明日にでも城水と代わりますか?]
クローン[1]はトップらしきクローンに訊ねた。駐車場の車内で城水本人と遭遇した一件は、すでに報告されていた。
[まあ、待て! そのうち、あの個体も変化を起こすだろう…]
[分かりました。では、観察を続けます]
クローン[1]は透明となり、船内から消え失せた。
次の瞬間、別のクローンが現れた。
[地球上の戦闘は、終息しそうにありません]
[人類は愚かだからな。相変わらず、互いに傷つくことを続けるか…]
トップらしきクローンは溜め息をついた。
[やはり、城水が鍵になりますね]
[そうだ。彼の体内で起動が始まれば、過去、数十年に渡る蓄積デ-タが分析できる]
[結果が駄目なら、いかがされます]
クローン[2]は静かに訊ねた。




