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 城水は、こりゃ、バイクかオートバイの仕業だな…と推理ドラマのように勝手に億測おくそくした。だが、事実はそうでもなかった。それは後々(のちのち)、知らされることになる。ともかく、綺麗になったのは結構なことだ…と思い直し、城水は徒歩で駅へと向かった。急勾配きゅうこうばいの坂を車で降り切るまでが約10分、駐車場に車を止め、徒歩で駅まで歩くと約5分、いつもの決まった列車に揺られて10分、着いた駅から勤務する大聖小学校までが徒歩で5分、合わせて約30分の通勤時間である。まあ、一時間以上かけて通勤する教師もいたから、まだ有り難い方だろう…と城水は思っていた。

「先生、おはようございます!」

 校門前で出食わしたのは、いつも遅刻ギリギリに遅く登校する到真とうまだった。到真の場合、出来は今一だったが、ハイテンションでクラスの雰囲気を明るくしたから、城水もその点では一目いちもく置いていた。ただ、生徒達の手前、遅刻ギリギリだけは注意した。その到真が、今朝は早かった。

「ははは…どうした、到真! 何かあったか?」

 城水は冷やかしぎみにニヤけて言った。

「先生! それが大変なんです! 僕、見ちゃったんですよ!!」

 到真は少し震え、おびえるような声で言った。

「なにを?」

 城水には到真の言葉が、まったく解せなかった。

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