ショート4-1 シンコ達のシティーアドベンチャーって、何だ!?
シンコ達が午後の演習で行っていたのは、モンスター退治ばかりでは無かった。シティーアドベンチャー…街の何でも屋の仕事の手ほどきも、アゲハ達から受けていたのだ。
ただ、とある理由によって、本編では語られなかっただけで…
某日、午後、『南都』南新街区…
クエスト:シティアドベンチャー。
ギィ…粗末なドアが軋ませながら開くと、中から薄汚い女が現れ、濁った目でこちらを睨む。
「あ、あの…ここの大家さんに頼まれて来たんです…」
シンコが恐々言うと、オンセが、
「た…大量に滞納してる家賃を、少しでもいいから払ってくれませんか!?」
女は無表情のまま部屋に引っ込むと、しばらくして汚い袋を投げて来た。ジャラっ!!受け取ると中から金属音。銅貨だ。
「あ…ありがとうございます!!」
オンセの声に女はそそくさと引っ込んで行った。
「あのー…クエストコンプリート…で、いいんですか!?」
シンコが恐る恐る尋ねると、
「大成功だよ!!お疲れさん!!」
海千山千のスカウトであるヒサゴが喜んで言う。
「いやー、私達は悪漢の追い出しに何度も失敗したってのに…」
ワイバーンスレイヤーの戦士レッカが言う。
「才能あるんじゃない!?」
『北都』で活躍していた魔術師アゲハが言う。
「全てはラフカディオ様の思し召しですわ…」
『南都咳』の撲滅に貢献したシスターキュリアが言う。
…この4人が後ろに控えていたから、家賃の支払いに素直に応じたんじゃないだろうか。
※ ※ ※
某日、午後、『南都』倉庫街…
クエスト:シティアドベンチャー(荷運び)。
「んぐぐぐぐぐっ!!お、重い~~~っ!!」
額に青筋を浮かべながら、木箱を両手で抱えて運ぶオンセ。その脇を、3段重ねの木箱を持ったレッカがひょいひょいと追い越して行く。
「がんばってね~。戦士はとにかく体力だよ~。お腹もすいて手間賃ももらえてごはんがおいしい!!」
「はぁ、はぁ、私、魔術師なのに…」
オンセの後ろから木箱を持ってヨタヨタとついて来るシンコ。だが、その後ろから、木箱を持ったアゲハが追い抜いて行く。
「『北都』じゃあ、魔術師も最後は体力よ。」
その後ろ姿を眺めながら、オンセとシンコは、
「『ファングドフラワー』の先生方って…」
「やっぱりすごい…」
「ま、待って下さ~い!!」
後ろで声がする。振り返ると、落とした木箱に手をかけたまま中腰のキュリアがいた。どうやら持ち上げられないらしい。
「わ、私、ナイフとフォークより重い物は持った事が無くて…」
「…君達は前を向いて進もうね。」
後ろから木箱を持ってやって来たヒサゴに促されて、オンセとシンコは再び前へ進みだした。
※ ※ ※
夕方、戦士のための特別授業…
教室にはオンセ達新人戦士達が集められていた。教壇にはアゲハとキュリアが立っている。黒板にはモンスターの略画と、その上に名前が書かれている。キュリアがモンスターの絵を指しながら言う。
「私の後について読んで下さい。”Goblin"」
「「「Goblin」」」
新人戦士達が復唱する。
「"Slime"」
「「「Slime」」」
するとキュリアの隣に立っていたアゲハが、
「ゴブリンが3匹いました。そこにスライムが2匹来ました。合わせて何匹!?」
「…アゲハさん、読み書きに計算を混ぜないで下さる!?」
「えーっと…6匹!?」
「………オンセさんも答えなくて結構です。あと、間違えてます。」




