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参上! 怪盗イタッチ  作者: ピラフドリア


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第120話 『時間』

参上! 怪盗イタッチ




第120話

『時間』





「撃て!! 撃て!! とにかく撃て!!!!」


 時折り、叫び声と共に銃声が施設内に響き渡る。

 その騒ぎは実験の失敗を意味する。






「ミラー。どういうことだ!!!!」


 樹海の中に隠された研究所。そこに軍人がやってきた。彼はその研究所にいる軍人に掴み掛かって怒鳴る。


「司令官殿、どのようなご用件で?」


「君の研究についてだ!! また聞いたぞ、生み出した化け物を駆除したらしいじゃないか!!」


「実験に苦戦してまして、申し訳ございません」


「まぁ資金的な面が足りていないのは知っている。しかし、君達が生み出している化け物。もしあれが脱走して各国に情報が漏れれば大問題になる。あの力は外に出すわけには行かないのだ、慎重にそして迅速に進めてもらいたい」


「はい!!」


 その研究所では異能力者を生み出す実験が行われていた。術師と呼ばれる特殊能力を使える存在。


 とある鏡に人を照らすことで、その人間の願望のカタチを異能として具現化させる。

 ミラーという人物は家宝としてその鏡とその使い方を代々受け継ぎ、それを軍事として利用しようとしていた。


 しかし、なかなか実験がうまく行かず、人を鏡で照らすと、人の形を失い化け物となって理性を失ってしまっていた。

 とある黒い宝石はそれに近い力を持っており、人の力をコピーすることからそれも手に入れて実験しようとしたが宝石は手に入らず、鏡による実験しかできていなかった。



 最初は囚人から実験台を選び、実験を行なっていたが、それでは足りなくなり、傭兵を使い出すようになると、実験は一歩前進した。



「ついにできたぞ。異能力者!! 術師だ!!!!」



 鏡に照らすことで、異能力者を持つ物が誕生し、火を吹く者、敵のオーラを見れる者、身体を分解できる者と多くの術師が生まれた。

 彼らを軍事力の強化のために使うため、さらに強力な異能力の研究が行われた。そんな中、ある兄弟の異能力者が誕生した。




「兄は過去を改変する力。弟は未来を見通す力。こんな能力が誕生するなんてな」



 時間に干渉することができる二人の兄弟の術師。彼らの誕生は軍事力の向上へと……なるはずだった。




 モカは異能実験の情報を手に軍から離反し行方をくらました。それを追うように命令されたマンデリンは、上官を殴り軍旗違反で牢屋に入れられることになった。






 ⭐︎⭐︎⭐︎




「あっ! イタッチさん!!」


 アンがイタッチを見つけて走り出す。


「おう、アンとダッチか。無事で良かった」


 飛びついてきたアンを抱き上げたあと、イタッチはダッチをハイタッチする。


「相棒も無事で良かった」


「当然だろ? 俺は大怪盗様だぜ」


 イタッチの背中にはネコ刑事も寝ており、いびきをかいているため、だいぶ回復してきたのだろう。


「フクロウ達は?」


 イタッチが尋ねると、ダッチとアンは同じリズムで首を横に振る。


「まだか。さっさとコイツを返したいんだがな〜」


「なら、ちょうど良かった。今戻ったぜ」


「うお!? いつの間に!?」


 いつの間にかフクロウ警部とコン刑事もイタッチの後ろに立っており、これで全員合流することができた。

 イタッチはネコ刑事をフクロウ警部に渡して、ふぅっとため息を吐く。


「まぁこれで全員無事に合流できたか」


 イタッチ達は全員集合できたのを確認すると、再び先へと進み出す。


 落とし穴に落とされたイタッチ達だが、マンデリン親衛隊を倒した後の扉の先の通路で合流することができた。

 そして全員で再び先を目指す。


「また大勢で奇襲とかしてくるんすかね?」


 コン刑事は廊下を歩きながら周囲を警戒する。道自体は一本道だが、隠し通路などがありそこから敵が現れる可能性もある。

 しかし、イタッチはそれを否定する。


「いや、そろそろマンデリン本人が現れるはずだ」


「どうしてそう思うんだ? 相棒」


「マンデリンの行動がずっと不自然ってことさ。このアジトに入ってから、アイツは俺達を倒したり追い出そうとするんじゃなくて、俺達をここまで案内するように誘導していた」


「確かに言われてみれば……」


 アジトに入った後、マンデリンはフロア間の移動のことやその鍵を持つ手下について放送した。

 その後はアスレチックや親衛隊などがあったが、それらを突破した後、この通路へと誘導された。


 マンデリンからしてみれば、侵入者を倒したり、追い出すタイミングはいくらでもあったのだ。

 例えば、部下をバラバラに配置して戦わせるのではなく、一箇所に集めて戦わせたり、落とし穴などの仕掛けを使い、外へと落としてしまったり、しかし、マンデリンはそのようなことはしなかった。


 ダッチは歩きながら腕を組んで考える。


「んじゃ、俺達をここへ連れてきて何がしたいってんだ?」


「目的は俺と美術館で戦った時と同じ、俺達が邪魔だから始末したいんだ」


「なら、どうしてここまで呼ぶんだ?」


「これが奴にとっての最善ってことだろう……」


 マンデリンの能力は過去を改変するというものだ。そのため世界線を移動して状況を変えることができる。

 そのため大まかにだが未来を予測することもできるのだろう。そこからこのようにするのが最善の手だと考えたのだろう。


 戦闘の状況によってはイタッチ達がもっと有利になっていた可能性もある。戦う相手の相性やタイミング、場所などによっても状況は変わる。

 今は誰一人欠けてはいないが、それでも連戦とダメージから疲労は溜まっている。マンデリンの狙いはそこなのだろう。


「扉が見えてきたっすよ!!」


 コン刑事は通路の先を指差す。その先には悪魔の模様の刻まれた扉が聳え立っていた。









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