朝チュン?コーヒー?彼シャツ縞パン?もう一回?
読みにくいかもしれません。
湊の現在と前日を交互に書いてみようと挑戦してみました。
湊視点
瞼を通して光が入ってくる。
チュンチュンと雀の鳴き声も聞こえてきた。
「んん、ふぅわぁ~」
いつもの様にパチリ目を開ける・・・ことは出来なかった。眠気というよりも体中のダルさが抜けきっていない感じだし、頭も働いていない。
ゆっくり目を開くと見慣れた、そして常に私の好感度を更新していく彼の顔が間近にあった。
時東周平
初めて会った時からずっと好きだった顔。いや顔だけじゃないけど、うん全部が好きだね。
次第に思考がはっきりしてくると顔が熱くなる。
ああ、昨晩自分は周平と一つになれたのだ。
たまに一緒に眠ることがあって腕枕はよくしてもらっていたけど、今日はお互いに一糸まとわずの状態。いつもは見れない鎖骨から胸が超素敵。
幸せしかない。
ここまでいろいろあった。誘っても反応してくれない。仕方ないので体育祭を周平に楽しんでもらうために勝負を挑み、一緒に自分の都合も入れた。
ツーと首元から胸に爪で引っ掻いてみると少し悶える。これだけで三杯はいける。
室内の時計を見るとまだ日が昇ってそう経ってない時間だ。眠ってから三、四時間といったところかな、就寝が遅くなったのは周平と私も若かったということだ。
しばらく眠っている周平を眺めていようと思っていたらお腹がクゥーと自己主張してきた。
考えてみたら昨晩も帰宅してから軽くしか食べていない。体育祭で動いて夜も動いたらお腹も鳴るか。
「・・・よしっ」
軽く頭の中で予定を立てるとゆっくりベッドから降りる。
立ち上がった瞬間、全身の今まで使ったことの無い部分が筋肉痛を訴えてきた。
未知の痛みに声が出そうになるけど我慢する。周平は私の声に敏感に反応するから起こしてしまう。
数秒で身体の不備を把握、全部軽い痛みだ。
今の私は全裸だ。自分のスタイルには自信はあるけど露出狂ではない、見ていいのは周平だけ。
昨晩着ていたパジャマは周平のTシャツとジャージと下着と一緒になって床に落ちている。こう少し淫靡な気配があってドキドキした。
「このまま戻ってもう一度・・・」
とも考えたが予定とお腹の減り具合に断念、少し悔しい。
未練を残しつつ、周平のクローゼットを漁り目的の服を調達する。今日は夜まで二人きりなので裸のまま廊下に出た。いつもは服を着ている場所で裸は恥ずかしい、全裸派は私には無理のようだ。
時東家にある自分の部屋から下着を取ってきて、そのまま浴室に向かう。
軽くシャワーを浴びて汗といろいろなものを落とす。筋肉痛も少し和らいできた。
「んふふふ」
何も考えていないのに笑みが零れる。
こう何というか自分が周平のものになった感が私に充足感を与えてくれるのだ。
いろいろと策は弄した。今回の体育祭もその一つ、目的は他にもあったしどちらかというとそっちがメイン。どうせ私が勝っても周平は上手く丸め込んでくるだろうからそこまで期待していなかった。
シャワーを止めて脱衣所に移動する。身体を吹いていると鏡に映る自分が目に入った。
「あはは明日までに消えるかなこれ」
体のいたるところに周平のキスマークがついていた。特に首周辺が多い。不快ではなく自分が愛されたのを感じる。
期待していなかったのを本気に変えたのはリレーで周平が本気の走りをしたから。
あの時バトンを渡された彼は走り終えた私と一瞬目が合う。見てろよと言われた気がした。
本気の周平の走る姿。身体を完全に壊す前に一度だけ見た綺麗なフォーム、二位の男子をあっさりと追い抜いてトップのええと誰だっけ・・・ああ〇〇との差を縮めた。でも距離が足りず二着に。
準備していた服を着る。周平の服だからかなりブカブカ、下着は下だけだ。100パーセント周平が喜んでくれる格好である。
キッチンに向い、朝食の準備をする。たまにはというか今日は私が作ってあげたい。
冷蔵庫を開けて卵、ケチャップ、食パン、マーガリン、ジャムを取り出す。あとインスタントのコーヒー二つ用意、閑名家にあったお高いものだからたぶん美味しいはず。・・・苦手なので砂糖とコーヒーフレッシュも用意しておこう。
周平が自分の身体にダメージを負ってでも本気になるのはほぼ私の為、自惚れでもなんでもない事実だ。後は身内に少しといったところかな。
たぶん本気になったのは○○に私の事を言われたから、あいつ私に秋波を送っていたからね。しつこくなってきたら凹ませようと思っていたけど、まあ今はどうでもいい。
薬缶に水を入れて火をつけ、トースターも温めて始める。
お皿も二人分・・・こういう時には一皿のほうがいいかな?
「うん一皿にしよう。食べさせあいっこしたほうが美味しくなるなるだろうしね」
フライパンを取り出しマーガリンを多めに投入、卵はボウルの中でかき混ぜて塩と砂糖を多めで。
一応、ママ達は一泊遊びに行くことを確約してくれていた。私の味方なので説得が楽。襲うつもりだったけど本気で嫌がったら諦めるつもりだった。
だけどリレーの時のあの笑み、そして私の為に本気で走ってくれた周平を見たとき。
彼から私を求めて欲しいと思った。
十分に温まったトースターに食パンを入れ、マーガリンが十分に溶けたのを確認してフライパンに卵を投入。ゆっくりかき混ぜて程よいスクランブルエッグに。
う~む、最近は殆ど周平に任せっきりだから下手になっている。練習しようと脳内に付箋を貼っておく。
それまでは別に私から襲っても同じだと理性の私は思っていたけど、本能の私は周平から求めて欲しいと強烈に私に訴えかけてきた。
閉会式と打ち上げはめんどくさい時にするオートモードの私に任せた。だからあんまり覚えていない。少しは悪いと思っているけど。
二人分を乗せるための皿にスクランブルエッグを乗せてケチャップをかける。焼けた食パンもトースターから取り出すといい匂いがしてお腹がなってしまうが我慢我慢。
周平は先に帰宅し、私も遅れて帰った。いつもなら時東家にそのまま直行だけど、いつもとは違う覚悟を決めた私は自分の家に帰る。
冷蔵庫にあるものを適当に食べてお風呂に入った。おそらく今までで一番念入りに体を洗ったかもしれない。
着るものは最初はお高めの黒のレースの上下に透けて意味をなさないネグリジェだったが、いつものパジャマに変更。等身大の私を見て欲しかったから、ただ下着は履かなかった。少しはアピールはしたかったから。
食パンを皿に置き、沸騰した薬缶からお湯をティーポットに移す。お盆を用意してその上に全てを乗せていく。
周平の部屋に入るときは今まで一番緊張したかもしれない。ドキドキしすぎて心臓が飛びそうだった。
いつもなら周平の顔からある程度は感情を読み取っているんだけど、この時は顔を見るのも恥ずかしかった。
途中で彼の綺麗な目を見つめてしまった時は死ぬかと思った。
お盆を持とうとしたら昨日周平の部屋に行く前に邪魔になると思ってリビングに置いていったスマホが何かを受信する。
見てみると周平ママからだ。
『やった?』
ストレートな一言だ。
『◎』と返すとすぐに返信が返ってくる。
『(^_^)/□☆□\(^_^)』
ママと一緒に喜んでくれているみたい。
『延長?』
次はママからだ。
ん~今日の夜には二人は帰ってくる予定だけど。
『明日まで延長OK?』
『了承』
『搾り取って構わない』
よし延長タイムは獲れた。
でもママ達は自分達が遊ぶのを延長したかったと思う。あの二人は自分の旦那より仲が良すぎて娘の私は少し不安です。でも延長できたからよし。
周平の隣に横になり、彼に近寄った。言葉は使わない。体育祭で勝利の報酬も投げ捨てた。私は人に使う技能の全てを使わずに彼の前に自分を差し出す。
そして周平は私を見ていてくれた。
彼から抱き寄せてキスの雨を降らし、優しく激しく私を可愛がってくれた。
お盆に全てを乗せて二階に向かう。スマホはまたリビングで待機だ。
階段を上がっていく。今の私を背後から見たら周平は襲う確実に。
はしたないが両手が塞がっているので足でドアを開けて周平の部屋に入った。
テーブルの上にお盆ごと下ろす。
周平はまだ夢の中のようだ。私のことを見ていてくれるなら嬉しい。
コーヒーが入っていた袋を開けて中のマグカップ設置型の袋を取り出しカップの上に置く。ティーポットからお湯を注ぐとほろ苦いいい匂いがカップから立ち込めてきた。
「う?ああぁぁ」
周平が匂いに反応して起きたみたい。だけど呻き声が出ている、まあ元々ダメージがあるうえで更に頑張ったもんね。でも延長を求めたのは周平です。私は流石にすぐに連続は求めませんでした。少し休んでから求めたと思うけど。箱の中身を半分使ったのは周平の判断だから知りません。
「あ、いい匂い?」
「ほら男性が憧れる朝コーヒーだよ」
まだ完全覚醒していない周平に起き上がるように勧める。
壁に背をつけ座る彼、上半身は裸で下は毛布で隠している。無意識だろうけど格好良くて見惚れてしまいそう。あとさすがに若い、あれだけ体力を限界まで使ったのに元気そうだ。
「砂糖とミルクは?」
「あ~どっちもマシマシで」
砂糖多めミルク多めね。私と同じだから切りよくミルク砂糖は使いきった。
お盆ごとベッドの上に持って行くと周平は少し不満げ、こぼすのが嫌なんだろうけど今日ぐらいはね。
なるべく汚れないように少し遠めに置いて私は周平の横に座る。
「はい」
「ん」
渡したマグカップを受け取り飲み始める周平を見てから私も呑む。殆どホットコーヒー牛乳だが美味しい。
「朝のコーヒーは男が入れるものだと記憶しているんだが」
「私が先に起きたからね。ついでに朝チュンも私がいただいた」
「せめて下ぐらい履かせて」
「だめー私に鑑賞されなさい」
大した意味のない会話、いつもしているけど今日は違う。明日も違うだろう、そしてずーと違っているはず。
スクランブルエッグを一つのスプーンで食べさせ合い。パンも千切ってお互いの口に入れる。コーヒーは危ないので自分で飲むけど。
全部食べ終えて一息ついた。
私は周平の腕に抱きついている。
「ところで一つ聞きたいことが。なんで俺のシャツを着てんの?」
ふむよくここまで聞くのを我慢したな周平よ。
「それは男の夢である彼シャツをしてあげたかったのです。嫌だった?」
「いや、それは・・・まあ好きだけど」
チラチラ見る周平、もっとじっくり見ればいいのに照れ屋だなぁ。
「体は大丈夫?」
これは聞いておかないといけない。さすがに頑張ったせいで酷く悪化しては最悪だ。
「ん、そこまではまあいつもとは違う筋肉を使ったから負担はあまりなかったんだろう」
周平は関節を動かして確認する。うんその指の動かし方は止めて、昨晩揉みしだかれたの思い出して恥ずかしいから。
「シャワー浴びてくる?少しは楽になるかも」
「あーうんちょっと行ってくるわ」
そう言ってベッドから降りる周平。二人共全部見せあったけど、うん立った姿のお尻はいいね。五杯はいける。
「あ、戻ってくるときは上半身裸でお願いします」
これは言っとかないと、長期の療養で筋肉がかなり削げ落ちた周平だけど、ある程度は筋肉を付けないと身体は貧弱になるので今は綺麗な細マッチョになっている。こういう時だからこそ見ておきたい。
「お前の変態度は野獣の他にもまだ引き出しがあるのかよ・・・」
呆れながらもはいはいと了承して下の階に降りていく周平。
「ふむ、暇になっちゃった」
仕方ない今日のこの後を考えて準備をしておこう。箱の中身は・・・明日まで延長された時間を考えれば少々心もとない。
私は自分の部屋に行きクローゼットを開けて奥の方を手探りで探す。
「よしあった」
見つけたものは同じ箱。ママからプレゼントされたものだ。たぶん周平のは周平ママからで渡し方は彼がキレる方法だっただろう。そのくらい周平ママはする。
周平の部屋に戻りマットの下に隠す。まあ予備だ使わない可能性もあるだろう。
「ヒマだな~」
ベッドでゴロゴロする。
いつもならスマホを弄るか本を読むかいろいろしているけど、そんな気分になれない。ただ横に周平がいて欲しい。そんな気分なのだ。
ボーとしていると階段を上がってくる音がする。ワクワクドキドキが止まらない。
「おかえりっ」
嬉しくて声が弾む。
「ただいま?」
なぜか疑問系の周平。頭をバスタオルで拭きながら上半身は細マッチョを晒し、下はルームウェアの姿は何?私を興奮させたいのだろうか。
「湊お前その下着」
周平の目が私の下半身に釘付けになっている。恥ずかしいけど嬉しい。
「ん、これ?男性陣が喜ぶ下着の青の縞パンです。どう興奮する?」
シャツをチラチラ捲り上げて挑発アピール。
「ん、なんで窓のシャッターを下げるのかな周平?それじゃ真っ暗になるよ」
周平は無言で窓を開けてシャッターを下ろして部屋を暗くする。まだ早朝なのに真っ暗だ。
「それはね万が一湊の今の姿を誰かに見られないようにするためだよ」
なるほどたしかに。周平以外には見せたくないもんね。
「エアコンつけるの?まだそんなに暑くないよ」
「それはねシャッターを下ろしたからこれから暑くなるんだよ」
たしかに日が照ってきたらシャッターが熱くなるしね。
「なんで豆電球しか付けないの?明るくしないの」
「それはね湊がたぶん恥ずかしがるからあかるくしないんだよ」
あ、ちょっと色ボケしすぎてた。うん周平も男の子だもんね。そりゃあ挑発されたら我慢できないか。
まだ早朝、もう少し後だと考えていたんだけど、すでに周平は私の上に乗っかかる寸前で逃げることは出来ない。逃げるつもりもないけどね。
これは延長しといてよかった。箱も用意したし私いい彼女じゃないかな?
看板『本日は諸条件によりコントはありません』
ちょっぴり書くのを迷いました。
でも湊の気持ちも書きたいなとむくむくと悪の筆者が囁いてきてしょうがなくしょうがなーく書きました・・・嘘でーすっ!書きたかっただけでーすっ!ヾ(@゜▽゜@)ノ




