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【結3】結ばれる二人

筆者恥ずかしくて死にそう・・・(*´ー`*)

 周平視点


「たでいまー」


 玄関のドアを開けながら帰ってきた挨拶をするが何も帰ってこない。それどころかリビングの明かりがついていなかった。


 クラスで打ち上げをすることになったが途中で抜けさせてもらった。全身に軋みが出始めて地味に痛くなったので友人と眞子さんに任せて帰って来たのだ。

 坊主頭五人とクラスメイトには生温かな表情で送り出された。眞子さんにいたっては。


「明日は振り替えで休みですし湊ちゃんにはゆっくり休んでと伝えてください。連絡は湊ちゃんに余裕が出来た時でいいとも」

「眞子さん、あなたのその言い方は優しさからくるものですか?腐からですか?それとも馬鹿達にツッコミすぎておかしくなったせいですか?」


 目が泳いだ眞子さんである。

 頭部が青々とした坊主頭になった友人は。


「俺は聞きたくない。姉貴のを聞かされたときよりも嫌だ。聞いたら死ぬ」


 秋夜姉さんのを聞かされたのか・・・同情はするが、俺の状況は友人のせいだから後で嫌がらせはしようと決めた。


 湊も自分のクラスの打ち上げがあって一緒には帰宅しない。少しホッとしている。帰宅前から逃げ道がないのはツラい。なんで自分の彼女から逃げたいと思わないといけないんだろうか・・・。


 帰宅するのが遅くなったから外はもう暗い。なのに家に人がいる気配がない。

 今日は日曜だが体育祭で俺達はいないので、いつも休日は湊母と遊んでいる母も家事をすると言っていた。なのにおかえりの返しもなく明かりもついていない。

 もの凄く嫌な予感がする。


 玄関を上がりリビングに行く。日中から人がいなかったのか空気が独特の感触を持って体に絡みつく。


 明かりのスイッチを入れてもリビングには誰もいない。

 そしてテーブルの上にはメモ紙が二枚。そこには何か書かれていた。

 手に取り呼んでみる。


『周平へ。さとちゃんと明日の夜まで遊んできます。真面目なのはいいですけど生真面目過ぎです。さっさと手を出せやby母』


「あのクソババアッ!」


 もう一枚も読む。


『周平君へ。かとちゃんと遊んでくるね。清い交際を望んでいるのはパパ達が湊ちゃんの暴走を心配してというのはわかっているよね?私達は母ーズはどちらかというと湊ちゃん寄りです。ガンバ♪避妊はしてねby湊母』


「・・・」


 無言でメモ紙を破いていく。限界まで千切った後はゴミ箱に勢いをつけて投げ込んだ。おかげで地味に右肩にダメージが入った。


 俺と湊の両親はおかしいところがある。

 というより母達が仲が良すぎておかしい。俺のクソババア、香都里は真面目でキッチリとして見える主婦だ。一応周囲はそう思っている。湊の母、聡里さんはフワフワしてておっとり主婦兼湊パパの仕事のサポートをしている。

 この二人、実は共通して中身がかなり適当大ざっぱ、そこが馬が合うのか旦那をほっといて遊んでいる。

 休日はほぼ二人で活動し、父達は添え物状態。昔に両父からあの二人そういう関係なのかな?と相談されるほど、というか中学生の息子にそんな相談するな馬鹿父達め。父達?趣味と仕事に全力の人達だ。あまり個性は無い。


 そして二人は湊に甘い。同じ女性というものあるだろうが大体は湊の味方をする。

 清い交際は二人も賛成したはずなのに、一年も経たずに娘に味方しやがった。今日いないのは湊から聞いたんだな?そうだな?


 憤慨しながら台所に飲み物を取りに行く。

 冷蔵庫を開けようしてメモ紙が貼ってあるのに気づいた。


『野菜室にゴムは箱で入れておくby母』

『初めては優しくだよ♡by湊母』


「くwdて7?g!けpw6!」


 ゴミを投げ捨てた俺の左肩にダメージが入る。

 その場に体育座りで横になり顔を両手で覆う。


「死にたい・・・なんで母親達に初めてを勧められないといけないんだ・・・」


 数分そのままで泣いた。

 なに?なんなの周りの連中、そんなに俺が困るの見たいの?

 頑張ったよ俺。クラスメイトを鼓舞(扇動)して、上級生にお願い(プライドを刺激)して、友人達をプロデュース(悪魔の軍団発足)して体育祭を盛り上げ(大混乱)たのに最後には誰も味方してくれないの。


「シャワーでも浴びよう・・・」


 汗とグラウンドの土埃で気持ち悪いのが落ち込む原因の一つだ。大半が母―ズのせいだが今すぐできる気持ちを上げる方法がシャワーを浴びてサッパリするしか思い浮かばない。

 あと湊が帰ってくる前に風呂を上がっていないと突入される。

 フラフラと浴室にむかった。


「眠い」


 自室のベッドに倒れこんだ。

 一応体を綺麗に洗ったら想像以上に時間がかかり、地味にダメージが訴えてくるのが温まったら回復を始めようとしているのか眠気を誘い始める。

 適当に果物と野菜を牛乳と一緒にミキサーにかけて飲む。何かを作る余裕もなかった。


 一応、一応だ。野菜室にあった箱も持ってきた。

 俺の顔の横に転がっている。


「男だからわからないわけじゃないがもう少し我慢は出来ないもんかな」


 箱の角を指で支えて弾いてくるくる回す。

 興味が無いわけじゃないし性欲も普通にある。パソコンの秘密フォルダがその証拠だ。湊に欲情ももちろんする、というより大部分はそうだ。

 でも湊との関係を急いで進めたいとは思ってはいない。


 両親・・・じゃなくて両父が清い交際というのに納得したのもある。まあそれが二十歳まで守られるかと言うとあまり自信がない。

 だって俺の彼女は美人だから少し早まってもしょうがないと言いたい。その時は両親に土下座するつもりだった。


 バタンッ


 ドアが閉まる音が聞こえた。湊が帰って来たのだ。いつもなら時東家にそのまま来るのに自宅に帰宅している。


「マジなんだろうな」


 時東家にも湊は着替えも用意しているのに自宅に戻るということはそれなりの準備が必要だということだろう。それだけ俺の彼女は本気のよう、はてさてどんな格好で来るのやら。


 箱をマットの下に隠す。


 俺は中学の時に自分の身体を壊し、湊を泣かせ離れさせる決意までさせた。だからこそ湊のことを大切にしたいと思っている。清い交際は時間稼ぎにちょうどよかった。

 なのにどうして俺の彼女は積極的なんだろうか。

 まだ交際して一年経っていないのに、俺の箍が緩んでいっているのはわかっていた。まあ、あれだけ好意を向けられて返さないわけにはいかないのだ。


「そして今回はちょっと本気が入っていたんだよな」


 湊は制限付きでだが本気で動いていた。俺達六組の様に当日まで裏工作を隠す必要がない湊の一組の体育祭の準備期間を見たが真剣過ぎた。それを見て勝負は本気とわかったから俺も本気で動いた。結果は自分で身体を痛めて逃げ道を無くす惨敗だったが。



 俺は湊の事を良くわかっているようでわかっていない。

 どうしてそこまで急いで関係を深めたいのかがわからない。

 今回の体育祭だって六組の連中にはバラしたが湊が実行すると思っている奴は少ないだろう。殆どが冗談かただのイチャつきする口実だと思っているに違いない。俺が一組には作戦の為に情報を封鎖したし、冗談みたいに言っていたのもあるから本気で信じた奴は少ない。

 反対に一組に俺達の勝負が知れたらどうなっていたか、湊の信用は地に落ちるとまではいかないがかなり失うことは間違いない。いやそれも冗談に変えてごまかすぐらいはするか、でも少しは不信が募るはずだ。


 もしかすると眞子さんに聞けばわかるかもしれないが、なんとなくあきられるような気がする。


 ドアがノックされた。かなり長い間考え込んでいたらしい。


「周平いる?」

「ああいる」


 ゆっくりとドアが開き湊の姿が現れた。

 そのままトテトテと部屋に入って来てベッドに横になっている俺の横に座る。

 フワリと髪から良い匂いがした。

 湊はいつものパジャマ姿だ。別に透けているネグリジェやエロい下着でいない。なのにドキドキするのはなぜだろうか。


「今日はお疲れ様」

「そっちこそ苦労したろ」

「まあ、誰かさんのせいで昼からは本気出す羽目になったけど」

「スッキリはしただろ。自分が動かないと体育祭じゃないからな」

「周平だって動く羽目になったじゃない」

「うっ、あれは馬鹿のせいだ。後で嫌がらせはする」

「そのおかげで私は勝ったからお手柔らかに」


 クスクス笑う湊。

 やばい笑う顔が艶っぽく見える。


 ギシッとベッドを軋ませて俺の隣に横になった。

 そこまで厚くないパジャマ着、細身とはいえ全体から女性特有の綺麗な曲線を浮かび上がらせる


「体、大丈夫?」

「まあ短時間だし酷めの筋肉痛と節々が炎症ぐらいだろう。二、三日で完治かな」


 湊は不安げな表情で俺の目を見る。俺が嘘を言っていないか測っているのだろう。

 たった数秒その綺麗な黒い目に引き込まれそうになる。


「ん、嘘は吐いてないようだね。周平は頻繁に自分の事では嘘吐きなるから」

「無茶した理由は聞かないのか?」

「聞かない。周平が言いたくないなら必要ない」


 湊はおおよその事は予想しているはずだ。俺が無茶するのは湊が関わった時だけ、もしその理由を知ったら湊はクラスのリーダーなんてあっさり放り出して報復するだろう、いやする。

 だがそれを俺が望んでいないのもわかっているから聞かないことで有耶無耶にしているのだろう。


「ん、」


 湊が身体をよじって俺の体に近づける。

 綺麗な黒髪の前髪が重力に負けてはらりと横に落ちる。毎日見ても日々俺の好意が上がる顔は頬が赤くなっていた。いつも自信に満ち溢れている身体は縮こまり少し震えている。


 んー、どうして勝負仕掛けてきたのか、中途半端に俺にも勝ち筋を残したとか、いろいろと聞きたかったし、湊もいろいろと俺には聞きたいことがあっただろう。でも今の湊にはそれらは優先順位としては下の方になっているようだ。


 そして勝者の報酬を使うのではなく、俺に選択権を預けてきた。


 穂高湊は成績優秀スポーツ万能、人を惹きつけるカリスマを持つ、誰もが認める天才である。

 だが俺にとって湊は公園にある巨大遊具の建物の中にいたときからずっと変わらない一目惚れした少女なのだ。一目惚れしたことに気づいたのは中学生ときだけど。


 少しだけわかった。湊は関係を深めたいとかではなくて、シンプルに俺に自分を求めて欲しかったのだろう。

 うん、俺って受け身過ぎ。そりゃ湊が押せ押せモードになるはずだよ。母―ズが心配・・・いかん今親の事を考えるのは死ぬ。


 腕を湊の背中に回して引き寄せて抱きしめる。

 きゃっ、と小さな声を上げるがおずおずと俺の背中に手を回してきた。

 あ、こいつパジャマの下になにも着けてない。覚悟決めて来たんだろうな。


 潤んだ瞳で見つめてくる湊の唇にキスを落とす。

 優しく、そして徐々に激しく。


 これ以上は秘密だ。



母ーズ「「へーい♪青春したかい?」」

周平「今度全て当たりのロシアンたこ焼きを食わせてやる・・・」

湊「照」(///ω///)♪


おそらくいままでで一番悩んだ回です。

濁すこともできたのですが湊が可愛くて可愛くて、成就させちゃいました。

いろいろ体育祭のことを書こうとも考えましたが、今回の話の周平と湊には必要の無い話と考えて思いきって削除しました。

どんな思いが湊にあったか、ずっと前の回に書いてあることだけではない乙女心を想像していただければ嬉しいです(о´∀`о)


最後、たった数行ですが周平は大切にしますし、湊は大切にされます。


いいね、評価、ご感想、ブックマークを頂けると筆者が悦びでのたうち回ります。

面白い感想をくださいっ!

周平達がご感想で後書きみたいに喋ります。


再投稿追加後書き

そしてここから修正ゾーンに入ります(;´д`)


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