序盤からまともでない
狂気満載のこのゲームを誰か作ってくださいm(__)m
周平視点
「このゲーム、大画面じゃなかったら対戦プレイ出来ないぞ」
画面には全体マップが俯瞰でリアルに表示され四隅にそれぞれの画面が表示されていた。
閑名家や以前プレイしたときも穂高家のテレビが大きくなかったら文字が潰れて出来なかったかもしれない。
「実際は多人数プレイの時はスマホとか他のモニター画面も使ってするみたいだな」
「もしかしてこのゲームはネットでの通信プレイ対応ですか?」
なんという恐ろしいことを聞くんだ眞子さん。
まずフンドシが強制のゲームをネットプレイだなんて・・・はまりそうだ。俺と友人は徹夜でする。
友人を特攻させて裏から侵入して相手を折れた鍬で撲殺だ。村の開拓?相手を倒せば丸儲けだ。
「バージョンアップ前は違ったな。いろいろ詰め込み過ぎてソフト自体は対戦できるようにしたけど予算が足りなくてネットでの対戦は出来なくなったみたいだが」
「なんで予算が足りないゲームがバージョンアップしているのやら・・・」
「どっかの大企業がゲーム会社ごと買収して作らせたらしい。バージョンアップの発表のときにネットでそういう情報が流れてた」
「碌な事をしない大企業ですね・・・」
本当だよおかげで眞子さんが闇落ちしかけているじゃないか。胸部装甲の事は禁句にしよう。腐に巻き込まれかねないし、なにより湊が怖い。
『ここは日本のどっかにある地域だよ。戦国大名でも統治しようとしない、血と鮮血が飛び散るほのぼのした土地なんだ』
骸骨村娘が説明する。
「前にした時はすぐに始まりましたよね」
「うん、確実にヤバいほうにバージョンアップしてるよ。メインのマップ画面がかなりリアルになってるし、ほら流れる雲が凄く自然になってるよく見ると木々が揺れてるし、あ、山の神様が野武士を吹き飛ばした」
湊が指差したところで爆発が起こり巨大猪が人の形のものを吹き飛ばしている。あ~たしかに山の神だ。初めて会った時キャラの倍の高さの猪を見たときには絶望したものだ。
「こっちは村をヒャッハー野武士が襲ってますね」
「こっちは城から赤フン騎馬兵が出陣したな」
前はただの航空写真みたいのに何か起きるとその部分にマークされて文章が表示されるだけで直接接触しない限りはキャラは表示されなかったのにリアルで動いているよ・・・。
「これだけでも相当なお金がかかってますよ」
「友人よ。ダウンロードされた分のハードの容量凄いことになってね?」
「・・・後で確認するわ」
友人の顔が青くなっている。これは新しいゲームをダウンロードすることは無理かもしれんな。
『あなた達はこの土地で村を発展させていってね。途中、山賊や猿、犬、雉、桃から生まれた人、とげ付き肩パット、逆モヒ肩パット、鳥などが襲ってくるから注意してね。とくに日照り神様が出てきたら生贄を出さないと村崩壊するから気を付けてね』
「私その日照り神様・・・」
「桃から生まれた人ってどっちなんだ?」
「さりげなく鳥と言ったのが気になります。まさか映画の・・・」
気になり過ぎることが多くて先に進まないぞ。
「とにかく始めて見ないか?クオリティは良くなってもシステムは以前と同じだろうし」
「そうだね。私だけ人じゃないからどうなるかわからないけど」
「友人君も人?ですから怪しいですね」
不安しか残らないままスタートした。
「お、俺のはいつも通りだな」
いつも通り村がピンチどうするかだ。
「近隣の油断している村にマッチョ村人を派遣と」
「迷わず最初の選択がそれって気が狂ったゲームだよね」
「それしかないんだよ。他が城攻め、信長攻めってなんだよ。近所に信長住んでんの?」
隣村を強襲、男は皆殺し、女はマッチョの嫁に、資材は全確保と・・・しょっぱなから飛ばすよなこのきちがいゲーム。
今の所は村人への指示と隣村への強襲の時の無双系だけだ。だが油断してはいけない、さっさと村を城塞化しないと俺には日照り神様が襲ってくる可能性が高いからな。
建築MAXだからもの凄い勢いで城壁が出来ていく。
よしこのまま川の方に広げていってダムを山の方に作っておかないと・・・。
ビーッビーッビーッ
「なんだぁ!?」
俺の画面に緊急情報の赤い文字が大量に流れていく。
『周平の村にトモヒトが強襲するよっ♪』
「楽し気に言うんじゃねぇ骨村娘ぇっ!てか、まだ最初だから村を成長させる期間だろうがぁ!」
「はっはっはっ、油断してるお前が悪いんだよっ!こっちは知能指数マイナスだぞ、村なんぞまともに作れるかぁ!」
メイン画面のマップに具視ヘアーが村人を率いて俺の村に向かっているのが表示される。こいつ近くまでスニーキングしてやがったな!?
「お前の村人なんかおかしくね?着物着た猿のような?」
「ニホンザル、アカゲザル、マンドリル、ゴリラが今のところの村人だな」
「人じゃねえっ!」
一応他の人の画面は見ないようにと四人で決めているが、なんで友人は猿の王様になっているんだよ。
「お前、開始して目の前に猿しかいなかった俺の気持ちがわかるか?」
「無理だ。惑星に落ちていない俺には」
「まず初めに猿との格付けバトルから始まった俺を尊敬しろよぉ!勝利するたびに具視ヘアーが少しずつ伸びていくんだよぉ」
嘆く友人。
やはりまともなバージョンアップではなかったか・・・。
俺の近所の信長さんはまだマシだったのだ。三段撃ちじゃぁ!とか言って鉄砲を撃ってきたから竹束で封殺して三十丁ほど手に入れたが火薬はまだ作れていない。
「クッ、侵攻速度が速すぎるっ!」
「くっくっくっ猿の隠密性能を舐めるなよ。空腹状態にしているから食料を蹂躙するぞ。そして人間の村人をゲットだぜ!」
未完成の城壁の前まで具視ヘアーと猿軍団やってきた。城壁内に入られたら俺の画面に具視ヘアーの奴が表示されて戦闘開始になる。しかし、俺の村人はマッチョ以外はノーマル村人だ。赤フンではないのである。
「周平よ溜め込んだ資材と村人は貰っていくぜ」
「や、やめろおぉぉぉ!」
「あ、ごめん」
城壁内に侵入しようとした具視ヘアーと猿軍団が光と共に消滅する。ジュッと音が鳴り残るは骨とまっすぐ何か高熱のものが通った後だった
『日照り神様の極太光線が発動したよ』
「なにか充填するバーがあってささっき満タンになったんで、ボタンを押したらレーザーが出ちゃった」
テヘペロする湊。
「「アウトーッ!」」
俺と友人は湊の極太光線の封印を決定する。マップの三分の一の距離を破壊するMAP兵器なんて使用されたらゲームバランスが崩れるわ。
序盤から具視ヘアーが飛ばしましたが、彼女に助けられましたね折れ鍬赤フン。
さすがの湊もピーキー過ぎる日照り神様に苦戦中のようです。
一人隠れて行動している人がいますが・・・この話どう繋げていこう(;・ω・)
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