出会い2
この小説は、迂闊十臓さん(@ukatujyu)のイラストから着想を得た小説です。
迂闊さんには、イラストイメージの使用を許可していただき感謝いたします。
『いや、でも隊長の声はでかいですよ。隊長の思考波を受けたら、自分の考えがぶっ飛ばされるときがありますから』
二番機のヒライがガニラの苦情に同意する。
『だからこそ、隊長に選ばれたんじゃないですか?』
三番機に乗っているイライザはフォローに入った。
「それでも、隊長はうるさいわ」
ガニラは、思考波通信を認識しながら、左右の操作グローブをはめ直して右左と握りこぶしをつくり、ヘルメットに備え付けられているセンサーを思考スイッチでオンにした。
『そう俺を嫌うな、ガニラ。さて、おしゃべりはこれで終了だ。当該空域に到着した。バイコーン中隊、総員戦闘準備だ』
隊長の命令が下ると、ガニラはヘルメットをかぶり直し、戦闘態勢へと移行する。
コクピットを覆っていたキャノピーが白く染まって装甲に包まれ、機体外の景色が眼前に広がりガニラの脳へ機体情報が流れ込んでくる。
機体状況はオールグリーン。
火星のモノトーンに近い青色の空、右上にイライザ機、隊長機と並び、ヒライ機が少し離れた場所を飛んでいたのが見えた。機体の色はどの機体も黒の単色で、火星の空に映えてわかりやすい。
そんな中、彼女の視界に真っ白な点が飛び込んだ。