出会い1
この小説は、迂闊十臓さん(@ukatujyu)のイラストから着想を得た小説です。
迂闊さんには、イラストイメージの使用を許可していただき感謝いたします。
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テラフォーミングが終了して数世紀経過した火星の空は、蒼白に近い青色に包まれ、大地は地球よりもたらされた動植物や昆虫、プランクトン、その他様々な細菌の活躍により緑あふれる大地となっていた。
その空を、戦闘機十六機が、それぞれフィンガーフォーで雲を引きながら飛行している。
すべて同型で、機体名称はMF4アンヘルという。
思考制御タイプのマルチミサイル六発、パルスレーザー砲を前方四門、後方一門装備し、通信は最新の思考波通信を採用、慣性緩和装置や完全思考操縦など最新の装備で武装した、大気圏外の戦闘行動もできるよう作られたマルチロールファイターだ。
レーザーや熱光線への対策として活性型型対レーザー鏡面装甲や、対電波、磁気探査用に機体装甲にサンドイッチされた電磁気収剤を有し、そのどれもが十分満足のいく性能を示している。
『バイコーン中隊隊長機より中隊各機へ。これより我々は敵支配地域へと侵入する。本作戦は、我々バイコーン隊が囮となって周辺の《天使》をつり出し、ユニコーン中隊が《天使長》を撃破するのが目的だ』
ロバート中隊長による思考波通信の声が中隊各機の脳に届いた。図太く、頑強な岩を感じさせる威圧的な思念波だ。
中隊隊長機が指揮する第一小隊、その四番機に乗るガニラは、自分の頭の中に鳴り響く隊長の思考に顔をしかめた。
「相変わらず隊長の思考波はうるさいですね。もう少し静かに伝達できませんか」
火星軍航空隊に配属されてから何度も経験しているが、彼女にとって不快感は相当なものになる。眉をしかめて湧き上がる苛立ちをおさえた。
『ガニラ、少しは口を慎め』
隊長の楽しげな思考波が帰ってくる。
彼女のフルネームはガニラ・シェルマン。火星空軍に所属し、階級は少尉。
ハニーブロンドのショートヘアが艶やかな勝ち気の美人で、プロボーションも抜群だ。パイロットをやるにしては大きめの乳房は、豊かで形も極上、ウエストはコルセットで引き締めたかのように細く、そして筋肉質で、ヒップは小生意気につんと上向きだ。
彼女が基地を歩けば、男は振り返り女は目を奪われる。
アバターモデルに引けを取らない容姿はたぐいまれで、リアルモデルとして十分に魅力的なものだから、戦闘機のパイロットにしておくのももったいないと、よく兵士募集のモデルにかり出される。
火星空軍所属なのに、なぜか地球陸軍の広報にまで呼び出され、慣れない陸軍の軍装を着させられるほどだ。
年齢は三十も間近ではあるが、遺伝子操作による外見操作や身体機能の向上により、それぞれ十代後半の若々しさをたもっている。




