第01稿07話~問題は?1~
07話は遊び人は空気。いや、彼について話しているけどね。
__魔銃使い|冒険者ギルド
『あらぁ、彼は勇者ちゃんのお気に入りなのね』
そうみたいだね。彼は隠してるけど転生者だろうね。じゃないと学園長が特待生クラス入れないし。
『隠せてないわよ。無詠唱が出来る遊び人なんて固有スキル以外じゃ無いし。遊び人の担当は運命によって決まってるモノ』
誰なの?
『フールよ。年長者と言うよりも担当の中で一番の経験者よ。まぁ、彼は遊び人を無理ゲ―に陥れるのが好きなドSよ』
『……フォーチューンよ。彼はドSではないよ。毎回、担当の子を生かせられないと嘆いていたからね』
『あら、ハングドマンが口を挟んで来るなんて珍しいわね。もちろん冗談よ』
本当に珍しいね。
『まぁ、うちの忍者君は彼を守るべき者として見てるからね。今回は延命出来るはずだ』
寿命を全うして欲しいでござるな。
まぁ、そう言う事なら問題は無いけど。
『大有りよ。コレは可能性の展開よ……彼の運命は呪いによって人からの攻撃を避けれていた。でも、あの子が呪いを打ち消してる。つまり、本来の運命によって彼は人に殺されるのよ』
マジか。フォーチュンが言うならそうなんだろうね。
と言う事は離れさせないとダメでござるか?
『取り敢えず、今の状態だと非常に不味い。今回はフール100回目だし。長生きしてもらいたいモノだ』
拙者は彼を助けるでござるよ。勇者殿が彼を守ろうとするのは当然でござるけど、流石にそれが命を縮めると知って放置は出来ないでござる。
ん?どうして当然なの?
覚えてないのなら気にする必要はないでござるよ。
んー、気になるけど。
「カタナ様……助けて欲しそうな目で見てますが」
フィオがカタナに話しかけてきた。今は良いか。ふむ、じゃあよろしく。ちょっと考察するから。
「そろそろ、戻るでござるよー」
「了解、それじゃ俺は戻るから、またな」
さて、彼を生存させるにはどうしたら良いか。
『私の信託は発言出来ないのよねぇ』
そうなんだよねぇ。あ、信頼度を上げてフールに直接、信託したりとかは?
『出来るけど本人は運命には抗えないわよ?だから、本人に伝えて確定されるよりかは私たちで対処した方が良いわね』
『幸い、うちの子は可能性を超越出来るからね。望まぬ運命を切り刻んでくれる事だろう』
フールの本当の信託スキルの効果って何なんですか?
『彼は無限の可能性。何でも喋れるだけよ』
え?なにそれ。何でも喋れるだけなの?
『えぇ、彼は無数ある選択肢を幾らでも喋れるわ。決定権は人の子にあるけど』
その中で悪い選択をして死んでしまうって事かな?
『違うわ。フールの担当は途轍もなく死の運命に近いの。どの選択をしても崖に向かって一歩ずつ歩いていき最終的には人に殺される。でも今回の呪いは2人にとって一番良いのが当たったのよ。何故なら人が気付けなければ人に殺される事はないもの』
そうか、なら勇者とは接触させない方が良いのか……
『そうなるわね。あの様子なら勇者が彼を殺すって事は無さそうだけど』
ん?呪いを打ち消してるのは勇者が近くに居る時なんだよね?
『そうよ』
勇者が近くに居る時だけ周りにも見えるって事だけなら彼を殺すにはまず勇者を無力化しないといけない?
『あー、まぁそうなるわね』
転生勇者って強いんだよね?
『そうね』
勇者ってものっそい優秀なボディガードなんじゃ……
『そうね』
別段、気にしなくても大丈夫そう?なんか妨害してたら僕が勇者に斬られそう。
『遠距離に対応できるかどうかで変わるわね』
あー、そうか。スナイパーに射抜かれたりしたら大変だなぁ。
『ところで、どうして生存させる方向で行ってるのかしら?』
ん?彼は優秀なサポーターだと思ったからなのと、カタナの奴がやる気だからかな。
ダンジョン攻略するんだったら優秀なアタッカーとサポーター欲しいし。
僕の目標は全ダンジョンの踏破だしね。彼は利用価値がある。
『利用価値ねぇ。素直じゃ無い子』
2023/04/30 書式などを調整。
ロックオンは頭脳派、カタナは感覚派。
それでは皆様また次回。