第01稿05話~物資調達4~
__遊び人|市場
「そう言えば2人は冒険者登録はしてあるのか?」
フィオの先導について歩きながら気になったことを聞いてみた。
「そう言えば入学すれば15歳に満たしてなくても登録出来るんだったな」
「ダンジョンには潜っているが冒険者ギルドを通さなくともダンジョン内のアイテムは売れるでござるからなぁ」
「身分を証明する物にもなるし階級も上がれば卒業後も困らないだろうしな」
「それもそうだね。テント買ったら冒険ギルドに行こう」
「寝具からテントに変わってるでござるよ」
「あー、調理道具とかも沢山持てるよね」
「持てるが一応、一通り入ってるぞ料理は得意だからな」
固有スキルとして料理は取っていないが醤油やら味噌やらを作った時に料理が出来なければ活用は出来ない。だから料理スキルは中々高いと思っている。
「本当?それなら良いか」
「ここです!」
どうやら目的地に辿り着いたようだ。
「おぉ、フィオちゃんじゃないか。ガルム学園長のお使いかい?」
「マッシュさんこんにちは」
驚愕の事実、学園長の名前はガルム。
「ん、君たちは?」
「紹介します。クラスメイトのロックオン、カタナ、ユウ・トキトーです」
「私は王都冒険店の店主、マッシュ・スカッシュだ」
「キャンプ道具を買いに来ました」
「予算は?」
「銀貨10枚です」
「適当に見繕えば良いかい?」
「どうしますか?」
「その方が楽かな。お願いします」
「それじゃちょっと待ってろ」
学園長に近い匂いを感じるガチムチなおっさんは普通に歩いて店の奥に消えた。こっちの方だと表にあまり商品を置かないのだろうか。
「そう言えば先ほど冒険者ギルドって言ってましたけど、ここの隣ですよ」
「そうなのか」
「であれば、ここでの買い物が終わったら登録しに行くでござる」
「はいはい、買い物が終わったらね」
「ほい、お待たせ。取り敢えずこんなもんかな。このテントの骨組みは木材だが溝を彫ることで強度と軽さを追及してある。大きさは5人分だ。あとは松明だな。これは魔力で火を起こせる魔法道具だ。魔力さえこめれば火を炊き続けるから床に置いて鍋で調理したりとかも出来るぞ。水が湧き出る水筒の魔法道具も付けて、何と銀貨2枚だ」
マッシュが戻ってきて持ってきた物の説明をする。これは凄い魔法道具だ!
『一応、鑑定使っといた方が良いんじゃないか?』
あぁ、そう言えばそんなスキルも獲ってたな。鑑定鑑定、ん?大源還元?なにそれ。
『えっとちょっと待てよ。どれどれ……オドをマナに変換する魔法道具だな』
へー。まぁいいや。
『ちょっとは興味を示せよ』
オドって言うのは世界に満ちている魔力の事で基本的には魔法道具や魔法陣はその魔力を使って効果を発動することが出来る。人が持ってる魔力はマナと言って呪文で形を作る事でその現象を再現するのだ。それが魔法の正体である。
オドをマナに変換するという事はこのテントで休憩するとマナの回復が早くなるとかそんなところだろう。
『その通りだが、折角調べたのだから説明させてほしかった』
「ちょっと安いのでは無いでござるか?どう見てもテントも魔道具に見えるでござるが」
ござる忍者も鑑定持ちか?
「あー良いんだ良いんだ。学園の生徒だろ?なら割引も入れてこの値段だ。まぁ、大事に使ってくれ」
「ありがとうございます。では、その3点セット買います」
「そうかそうか。毎度あり」
「入れて良いか?」
「うん、お願い」
2023/04/30 書式などを調整。
学園長から話が通ってるので破格の安さである。
それでは皆様また次回。