34話:炎
ゴォォォォォォォォォ!!!!!
辺りが炎に包まれた!
「ふっ…これで、2人目の天使だな……」
「おのれ……!!!」
「ついに目覚めれたぞ……」
「いや…あれは…天使なのか……?」
「なんだ!!あいつは!!!!魔人の我でも見たことないぞ……!」
「あれは……」
サラマンダーの尻尾にドラゴンの羽……
梨花の剣が……
禍々しい大剣に変わった。
「ふふふ…ふはははははは……!!!あの小娘のおかげで、妾は、1万年ぶりに世界に降りたてた!!!」
あれは天使というより…悪魔だ……
「お前は何者だ!!魔人の我でも見たことがないぞ!!!」
「妾か?妾は炎の天使…エリファリア……」
「エリファリアだと!?ありえない……伝説の存在が生きているはずがない!!!」
「ああ、妾は確かに、あの時に死んだ……。だが、魔力として、妾はこの世に残り続けた」
「なぜ梨花が、お前に変身できた!!!」
「それはな…あやつは、とんでもない炎の魔力の持ち主だ……。本人と周りは気づいていないがな。それで、あやつの体と炎の魔力、世界の3%の魔力を使い、妾は現れた」
「バカな……!世界の3%の魔力だと!?」
「ああ、妾は、ちと強すぎてな。あの、魔力の天使よりも強いぞ。」
「ありえない…ありえないぞぉ……!!!!」
「ならば、試してみるか?」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
エラーが炎の天使に攻撃した!
ザッッッッッシュ…!
攻撃が当たった!
「弱いではないか……!口ほどにもないやつだな!!!」
「弱い?ふふふ…そう思っておけばいい……」
「な…なに!?傷が……治った!?」
「妾に傷をつかせることなど不可能…なぜなら……」
「!?!?!?」
「妾は不死身だ!!!」
バギッ……
炎の天使が闇の剣を折った!
「フレイグレス!!!!」
炎の天使が自らの剣に魔法を撃った!
「梨花の記憶だと、こうすることで攻撃力が上がるんだったな。たしか…この技の名前は唐紅の刃…。インパクトに欠けるな….。妾に相応しくない……」
「何をごちゃごちゃと……!!!」
「そうだな、この技の名前は……豪炎ノ大罪剣!!!」
「黙れぇ……!!!!ダーク・ファンテイア!!!!」
エラーが炎の天使に向かって、漆黒の砲丸を放った!
「ふんっ……!!」
炎の天使は砲丸を真っ二つにした!
「次は妾からいくぞ……」
サッ……
「斬!!!!」
「グハァァァ!!!おのれぇ……」
「この程度も避けられないのか?1万年前のフェブラスはもっと強かったぞ。フェブラスも落ちたものだな」
「黙れ、黙れ黙れ!!!!」
「面倒くさいやつだな。もうこれで終わらせる……」
「やられてたまるかぁぁぁぁ!!!」
「業火・爆発」
ドゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!
あたりが焼け野原になった。
「ハァハァ…ハァ…うぐ……」
「お前、まだ生きてるのか?」
「黙れ…我はやられるわけにはいかない……」
「そうか……なら死ね!!!」
グサッ……
炎の天使はエラーに剣を突き刺した。
「死体には興味ない……。フレイガ!!!」
ゴォォォ!!!
炎の天使は、エラーを炎で消し去った。
「ふん…。しぶといやつだったな……」
「はぁ…よくも森をこんなにしたね。大天使様」
「うん?ああ、妾の前に、あいつと戦ってたやつか」
「でも、びっくりだよ。まさか、1万年前にフェネクスを殞落させた奴が、ここに現れるなんて」
「梨花には死んでもらったら困るからな。妾もそろそろ元に戻る」
「まって、元に戻る前に教えて」
「なんだ?」
「フェネクスは、本当に殞落したの?」
「知らん。ただ、妾は、フェネクスを半分だけ吸収した。残りの半分が今、どこにあるのかは知らん」
「そう……ありがとう」
「変身が解けたら、梨花と、その仲間の治療を頼むぞ」
「わかった」
「では、さらばだ……」
シュゥゥゥゥゥ……
炎の天使は煙になって消えた。
炎の天使がいた場所には梨花が横たわっていた。




