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うちの猫をもちもちしてたら異世界転移したので、異世界で百合してみた!  作者: AM
第4章 基礎魔法を使えるようになりたい!
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27話:グリフォン討伐任務

翌日

私はファイさんとの待ち合わせ場所の、城門前に向かった。

城門前には、すでにファイさんがいた。


「やあ、梨花ちゃん。それじゃあ行こうか」

「はい!」


私たちは東の森に向かった。

この森は裏道から向かった方が早いのだが、ファイさんはそのことを知らないらしい。


「あの、ファイさん。紅玉って第一二奏まであると言ってたじゃないですか」

「うん。そうだよ」

「ファイさんは全部使えるんですか?」

「もちろん!あ、この話言ってなかったっけ?」

「え…?」

「あたしの、ひいおじいちゃんが紅玉の考案者だって話」

「そうなんですか!?」

「そう、だから、あたしの家は代々、紅玉の講師兼、第一部隊長を任されてるの」

「それはすごいですね……」

「そういえば、話変わるけど、梨花ちゃんのその剣って見ない形してるわね」

「ああ、この剣ですか?武器庫にあったんですけど、元々の出所がわからないらしくて……」

「それ、ちょっと持ってみてもいい?」

「はい。いいですよ」


私はファイさんに剣を渡した。


「お、軽いね。しかも切れ味も良さそう」

「そうなんですよ。だから、気に入ってるんです。その剣」

私はファイさんから剣を返してもらった。


「そろそろ着くね」

「はい!」

「気を引き締めてね。いつグリフォンが出てくるか、わからないから」

「了解です!」


私たちは森の中を歩いた。


「梨花ちゃん。静かに……」


ズッ…

ズッズッズ……


「いますね……」

「うん。構えて」

「はい」


コルルルルルゥゥ……


これが…グリフォン……

でかい……

サラマンダーと同じくらいある……


「ようやく来たか…待ちくたびれたぞ……」


は!?!?

喋った!?!?


「えええええ……!喋れるん!?」

「ん…?何を言ってるんだい?梨花ちゃん……?」

「いやいやいや!喋ってましたよね!?絶対!!!」

「……?グリフォンが喋るわけないじゃないか……?」


「ふははははは……これは滑稽だな!」


どういうこと?

ファイさんには聞こえてなくて、私だけに聞こえてる……


「お前の脳内に直接話しているんだよ。空間転移者(スペーター)

「何言って……」

「我はわかるぞ。お前は別世界の人間だ……」

「なぜそれを……」

「そこまでは教えられない。ただ、空間転移者(スペーター)が、この世界に来るのは今に始まった事ではない」

「どういうこと……?」

「あの女王もそうだが、過去に送られてきたやつも今までいた。まあ、そいつは、とうの昔に死んだがな」

「あんた、何歳?」

「年か……。そんなものは覚えていない。老いてくると覚えられないものだ……」

「なんで、あんたは森で暴れてたの?」

「それはな、お前に気づいてもらうためだ」

「気づいてもらうため?」

「我はもう老い先短い。だから、お前に倒されて、お前の一部になりたい」

「なぜ私なの?」

「なぜ、と聞いたか?自分でわからないのか?」

「……?」

「お前は、いままでの人間の中で1番、剣術と魔法の才能に恵まれている。それは、あの猫も同じ……」

「にゃも助のこと……?」

「そうだ。我が何故、そんなことを知っているのかも秘密だ」

「秘密……」

「秘密なことばかりで悪いが、願いがある」

「何?」

「この世界が、今まで以上に大変なことになっている。おそらく、このままでは、この世界は崩壊する……」

「え……?」

「そして、この世界を救わなければ、お前が元いた世界も崩れる……」

「どういうこと……?」

「この世界と、元の世界。それは、鏡でもあり、表と裏でもある。」

「ちょっと待って…何を言ってるの?」

「表がなくなれば、裏もなくなる。それは、裏がなくなれば、表もなくなる……」

「じゃあ、この世界は……裏の世界ということ?」

「そういうことだ……」

「もしかして、私をこの世界に連れてきたのは、あなたなの?」

「それは違う…。我も何故、空間転移者(スペーター)が生まれるのかは、わからない……」


もう…よくわかんない……

この世界と、元の世界は繋がっている……?


「じゃあ!この世界で、もし私が死んだらどうなるの……?」

「この世界と、元の世界から存在ごと抹消される」

「は……?」

「前に死んだ空間転移者(スペーター)がそうだ。あいつが死んだ時、世界から、あいつの存在は消えた」

「そんな……」

「これで、もう想像がついただろう…。この世界が崩れたらどうなるのか」

「………。私しか、世界が救えないの……?」

「ああ、お前の力が必要不可欠だ」

「わかった…。救ってみるよ……」

「ふふふふふ……。その言葉を待っていたぞ。では、試練を始めようか!」

「試練……?」

「お前が、我を使うのに相応しいかを見極めさせてもらう!」

「どうすればいいの?」

「我をお前の手で殺せ!ただし、お前の手だけでだ。そこにいる、赤髪の女の手を借りずにな!」

「殺さないとダメなの?」

「ああ。我は、そろそろ命が散る頃だ。その前に、お前に殺され、お前の装備として!そして、記憶として!我は生き続けたい!共に世界を救おうぞ!」

「わかった……!」


世界を救う……

そのためには!


「ファイさん……!グリフォンは私がやります!」

「そんな!無茶だよ!!!」

「いいんです!!!ファイさん……私を信じてください!!!」

「わかった……。じゃあ、私は見てる。でも、明らかにやばくなったら加勢するからね!」

「はい!」


「さあ、グリフォン!やるよ!!!」

「来い!木下梨花!!!!」

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