20話:絶望的な状況
「うぉぉぉぉぉぉ!!!ウィンド・スラッシュ!!!」
「効かんわ!!!」
ガッキィン!!!
棍棒で防がれた!?
「ふんっ!」
やば……!
「ぐっ!!!!」
直撃は免れたけど…!風圧で後ろの壁にぶつかっちゃう!
「バブリング!!!」
ボフゥ!
ドンッ!
イヴちゃんが私の背中に泡の壁を作ってくれたので、衝突の衝撃を抑えれた。
「ありがとう!イヴちゃん!」
「梨花さん!気を抜かないでください!またきます!」
「ネズミ共、早く死ねぇ!!!ウェブリング・ボンバー!!!」
巨人が床に棍棒を打ちつけた!!
ガンッ!ガンッ!!ガンッ!!!
床が隆起して、まるで巨大な剣が地面から勢いよく生えてくるようだ!
これに突き刺さったら最後……恐ろしくて、考えたくない!!
「スカイ・スラッシュ!」
やった!アリアさんの攻撃が当たった!
「金髪がぁ!そんな攻撃で俺様を倒せると思うなよ!」
「キャァ!!!」
アリアさんが巨人の攻撃をまともに喰らい吹っ飛ばされた!
「アリアさん!!!」
「う…うぅ…死ぬかと思った……」
よかった!生きてた!
「みんな…私、あの技使うね……」
「アリアさん!無茶です!ここで倒れたら……!」
「でも…私、今のあいつの攻撃で…肋骨3本と鎖骨が折れたかも…だから、動けなくなる前に、少しでもダメージを与える!」
「アリアさん……」
「みんな!私、詠唱するから…出来るだけ隙を作って!」
「わかりました!イヴちゃん、にゃも助、やるよ!」
「はい!」
「はいニャ!」
私とイヴちゃん、にゃも助は一気に巨人に突っ込んだ!
「さっきのイヴちゃんの技、借りるニャ!ウォルターネ!!!!ニャ!」
にゃも助が、水の檻に巨人を閉じ込めた!
「そんな、子供騙しな魔法!喰らうかぁ!!!」
まずい!巨人が檻をこじ開けようとしてる!
「サンダーブレイク!!!!」
ビリッビリッビリビリビリ!!!
イヴちゃんが、巨大な雷を水の檻に打ち込んだ!
「グァァァァァ!!!」
巨人が感電してる!
「梨花さん!今です!あの技を!」
「うん!」
大丈夫…私ならいける…昨日も撃てたんだ。なら、今日だって!
私は剣に魔力を集中させた……
シュィィィィィン!
剣が光った!いける!
「エクリプス・ブレード!!!!!」
「ガハハハハハ!そんな攻撃効かんわ!!!」
巨人が感電しながらも、私の攻撃を手で受け止めた!
「でも、あんた、アリアさんのこと忘れてるでしょ?」
「なにぃ!?」
「アリアさん!!!」
私は剣から手を離して、巨人の元から離れた!
「これで、おしまい!!!ルミナス・カーネーション!!!!」
ビュン!
ドガァァァァァァァン!!!!!
「グァァァァァガァ!!!」
やった…!直撃した……!
「はぁ…はぁ…みんな…あとは頼んだよ……!」
アリアさんは気絶した。
巨人は虫の息だ!
「これでとどめですね…」
イヴちゃんが、巨人の頭に剣を突き刺そうとした。
っ…!!!まずい!!!
「イヴちゃん!!!!!!」
「え……?……!?」
巨人がイヴちゃんの剣を手で押さえた。
「ふ、ガハハハハハ……!引っかかったな!リミテッド・ダークネス!!!」
「キャァァァァァァァァ!!!!」
イヴちゃんが闇の箱に閉じ込められた!
「ガハハハハハ……!ついに、ついに捕えたぞ!最初から、お前が狙いだった!お前ほどの魔力の持ち主を、魔族にして、俺様の奴隷にすれば……!俺は、サイモスの野郎を出し抜いて、リーダーになれる!」
「卑怯な……!」
私は剣で攻撃をしようとした!あれ…?さっきの攻撃で、刃が…粉々になってる!?
「にゃも助!あの箱に光属性魔法を!」
「ニャ!!ライトニング・ボウ!!!ニャ!」
にゃも助は、箱に光の矢を打ち込んだ。
ファン!
え…?矢が消えた!?
「無駄だ、無駄だ!この箱には、どんな攻撃も通用しない!これはぁ!俺様が長年かけて編み出した、最強の箱なんだからな!」
クソ…!どうすれば……!
その時、箱の中からイヴちゃんの声が聞こえた。
「梨花さん、にゃも助さん……ここは私がどうにかします……!だから、アリア様を連れて、遠くに離れてください!」
「でも、今のイヴちゃんじゃ、どうすることもできないよ!」
「いいから早く!!!それと…私が死んでしまったら…副騎士団長の役目を頼みます……」
「え……?」
「さぁ!早く!!!」
「う、うん!にゃも助、行くよ!」
「ニャ…ニャニャ!」
私はアリアさんを担いで、走って扉に向かった。
「させるかぁ…!」
やばい!攻撃がくる!でも、もう避けれない!
ポゥゥゥゥゥン……
え、?
謎の光の壁が、攻撃から私たちを守った。
この壁の正体を気にしてる場合じゃない!早く遺跡から出ないと!
私とにゃも助は、扉を開けた。
その時……!




