18話:ダウナー系先生
コンコンッ…
「先生入るわよ」
「ああ…」
アリアさんが扉を開けた。
「アリア…今日は何を持ってきたんだ?ああ、君たちが異世界からの客か……」
そこには、ダウナー系美人のウルフカットの女の人がいた。この人、格好がいやらしすぎる!下半身タイツのタイトスカートで、上は胸が強調されるセーター!おまけに白衣とかいう性癖クラッシャー!!!
あ、ダメダメ、冷静になって自己紹介しなきゃ……
「初めまして!私は木下梨花です!こっちは飼い猫のにゃも助です!」
「よろしくニャ!」
「私はミレア・ウィーグランド。ミレアと呼んでくれ」
「はい!ミレアさ、ん!?」
ミレアさんが急に私に近づいて、首筋の匂いを嗅いできた。
「ちょちょ!!何してるんですか!?」
「ああ、すまない。ウロボロスの匂いがしたのでな…アリアからもするぞ」
「ええ、私たち、さっきウロボロスを倒してきたの!」
「あの、何でウロボロスってわかったんですか?」
「それはな、私は魔物と魔族の研究が大好きだからだよ」
「なるほど……」
「それでね先生!梨花ちゃんが、洞窟でこんなの見つけたんだって!」
アリアさんが例の鍵を見せた。
「この鍵、フェブラスって書いてあって、先生なら何か知ってるんじゃないかなぁって!」
「なるほど…これは…ちょっと待ってくれ」
ミレアさんは本棚にあった本を取り出し、ペラペラとページをめくった。
「これに似てないか?」
そこのページには遺跡の写真と、その隣に鍵の写真があった。
「確かに…石っぽい見た目と大きさが似てますね」
「でも、この鍵の写真にはフェブラスって書いてないよ?」
「ああ、そこが引っかかるところだ。アリア、私の代わりに、この遺跡に行って、鍵が遺跡のものか調べてきてくれないか?」
ミレアさんは、アリアさんに遺跡までの地図と例の鍵を渡した。
「いいよ!他でもない先生の頼みだし!」
「助かる。私も、鍵のことやフェブラスと遺跡の関係を調べよう」
「ありがとう先生!じゃあ明日行ってくるね!」
アリアさんと私と、にゃも助は部屋を出た。
「じゃあ、明日みんなで遺跡に行こう!」
「そうですね!あと、ミレアさんとアリアさんの関係って、どんな関係なんですか?なんか、すごく仲が良さそうでしたので……」
「先生はね、私を子供の時から育ててくれたの!」
「子供の時から?」
「あ、梨花ちゃんと、にゃも助くんには言ってなかったね。私ね子供の頃、気づいたら西の森にいたんだ。親も誰かわからないし、どこで生まれたかも、名前もわからない。それで、森を彷徨ってた時、先生が見つけてくれたの!それで、名前をつけてくれて、保護されて今があるってわけ」
「そうだったんですね……」
アリアさんに、そんな過去があったなんて……
「さ、この話は一旦置いといて、明日の作戦を立てましょう!」
「はい!」
私たちはシェアハウスに戻った。
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「おい、あいつらはまだか!鍵をちゃんと、あの洞窟に置いたんだよな?」
「はい!確かに置きました!先程、確認をしたところ鍵がなくなっていたので、おそらく回収したかと……」
「そうか…なら明日には、あいつらは遺跡に来るよな?」
「はい、おそらく!」
「ファスネス!お前が俺様の影武者をやれ」
「承知いたしました!」
「あいつらを徹底的に弱らせてから、罠にかけろ。わかったな!」
「はい!」
「今回の作戦が失敗したら、お前は死刑だ…肝に銘じておけ!」
「はい!気合を入れて、全力でやります!」
「楽しみにしておるぞ……」
「ベルファル様、罠にかけた後はどうなさいますか?」
「そうだな……。適当に魔力の量が多いやつを捕まえろ!」
「はっ!」
ウェンター王国の子ネズミ共が……。
俺様にひれ伏すがいい……。
もうすぐだ……もうすぐで、サイモスの野郎を抜いて、俺が新しいフェブラスのリーダーになれる…
ふふふふ……
笑いが止まらねぇぜ……
この世界は俺様のものだ!!!




