2章 第九十六話 小さな勇気
本日も宜しくお願いします。
妹ちゃんサイドではありますが、少しだけストーリーが進みました。
もう少しだけ妹ちゃんサイドで書きます。
何卒宜しくお願いします。
妹サイド
お兄様が出て行ってから寝ていません。
もう朝になりそうです。お兄様はまだ帰ってきてません。
時間が経つにつれてドンドン悪い事が頭に浮かびます。
そしてお兄様がキャトラと同じように消えてしまう。
そんな考えが頭の中を覆い尽くした時、私はお兄様を探しに行こうと思い立ちました。
どこで儀式をやっているか知りません。
でも、もう待つだけではダメなんです。何もしないで良いなんてダメなんです。
私にできる事なんて無いかも知れませんが、でもお兄様の妹でお嫁さんです。
またあの黒いものが襲ってくるかも知れません、
でもお兄様は、その危険をわかっていて、外に出ているはずです。
お願いしたのは私です。私が頑張らなくてはいけないんです。
お兄様の部屋を出て、自分の部屋に行き、着替えをします。
冒険者の格好になり、お兄様を探しに行きます。
宿に来ると、まだ薄暗く、人が動いてる気配はありません。宿から王都の街に出ようと思いましたが、不安が押し寄せます。
いつもお兄様が隣にいました。王都に来てからは、ティファちゃん達も一緒でした。
一人で歩くことなんて無かったです。
いつも誰かが私を守ってくれていました。
お兄様とお城での小さな部屋が私の世界でした。
それが大きく広がり、大きな空、大地、沢山の人。そしてたくさんの危険。
知らず知らずのうちに私は守られていました。
そう思うと体は動きません。不安、恐怖、動悸。
私は動けません。
どんなにお馬鹿さんなんでしょうか。
『世話の焼ける飼い主様達じゃの、ワシの事などほっとけば良いものを』
キャトラの声です。姿はなくても声は忘れてないです。
『安心せ、ラファの大切な者は、直ぐにここに連れてくる』
連れてくる?一緒に来るでは無いの?もしかしてお兄様に何かあったのですか?
私は、王都の街に足を踏み出します。
お兄様を助けなくては。
宿の敷地から体が出ます。体は震えて足が動かなくなりそうです。
日が上がり出し、街が光に溢れてきます。
そんな明かりの中に生気の無い人影が現れました。
体が硬直します。まるでお人形さんが歩いてるそんな感じの物体。
足取りは覚束無い感じでゆっくりと、ふらつきながら、こちらに向かってきます。
ダメ!動いて私の体!また襲われる、だから逃げて!
日の光で相手が何者かもわかりません。
お兄様、助けて。
またです。私はなんて弱い生き物なんでしょうか。
ふと、匂いがします。お兄様の匂いです。
どこに居るんですか?お兄様!
日が上がるにつれて人影の体が分かりようになりました。人影からお兄様の匂い?服もお兄様の服です。
あれがお兄様?そんな、そんなわけありません。
あんなお人形さんのような物がお兄様なんて!
でもお兄様です。何があったらこんなになるんですか?どうしたら、お人形さんみたいになってしまうんですか?
目の前まで来たお兄様を見てそう思います。
頬は痩せて、目の下の黒いシミのような物、
唇もカサカサです。
何より目に光がありません。
お兄様はそっと服の中から白い小さな子猫を取り出して、私に渡しました。
キャトラ?
子猫もぐったりして、ぬいぐるみと間違えてしまうほど動きません。ただ温もりだけが、生きていることを知らせてくれます。
『すまんな、ここまでじゃ、あとは頼むぞ』
キャトラの声が手の上にいる子猫からの声ではなく、頭の中に聞こえます。
するとお兄様が突然倒れてきます。
慌てて体を支えようと子猫を持った手とは逆の手をお兄様に向けます。
軽い!驚くほどの軽さです。子猫と変わらない?
そんな感じを受けました。
同時にお兄様が危険な状況だということにも気づきました。
私は、大声で助けを呼びました。初めての大声です。必死に、助けを呼びました。
お兄様を助けてと。
お読みいただきありがとうございます!
少しでも面白いと思ったら、
ブックマーク&下側の「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にして頂けると本当にありがたいです…!
皆様の応援が励みになります!
何卒、よろしくお願いします!!




