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ただいま転移暴走中  作者: ヨウ
第1章 異世界と地球
27/38

第23話 異世界のユーチュ〇バー

異世界といえども平和でゴロゴロとした日常。

ゴロゴロしながらもみもみしていると、ネグリジェが声をかけてきた。



「ねぇニク、異世界のユーチュ〇バーって知ってる?」






「なにそれ?」


聞き覚えはない。

もちろんユ〇チューバーは知っている。

有名な動画投稿サイトに投稿する人達。


特に広告などによる収入がある人たちのことをさす場合もある。



「私も掲示板で知ったんだけど。

動画を見てみたけど、たぶんあれ九条さん達だと思うのよね」




ネグリジェの話を聞き、僕もネットで調べてみる。

異世界のユーチ〇ーバーで検索。


日本語wikiが出てきた。

wikiができるほどに話題になっているのね。




++++++++++


異世界のユーチ〇ーバー日本語wiki




・FAQ


Q:異世界のユーチ〇ーバーってなに?

A:異世界に居ると自称する4人組の投稿者の事。

自称バタフライアドベンチャーズ。

関連外部サイトの掲示板の内容と総合すると、同じ異世界の事と思われる。

掲示板の人物達との関係は不明



Q:何をやっている人達?

A:異世界で冒険者をやっていると自称する人達



Q:何を投稿しているの?

A:異世界での冒険者に関する様々なこと



Q:なんで投稿先の文字が英語なの?

A:投稿している人物が英語圏の人物だと思われる



Q:なんで動画の中の音声は日本語なの?

A:関連外部サイトの掲示板の内容と総合すると、日本語なのではなく誰でもなぜか理解できる声と推測される



Q:動画の中の文字が読めないんだけど

A:おそらく誰も読めない。異世界の文字だと推測される





・人物紹介


名前:バタフライレッド(自称)

性別:男性(推測)

職業:建築家(自称)

役割:タンク


PT内で前衛で敵の攻撃を防ぐ。

装備は大盾とハンマー。

材料次第で様々な物を建築できる模様。

柵を作り、敵の突進を止めるなど、戦闘に建築を役立てている。



名前:バタフライブルー(自称)

性別:男性(推測)

職業:商人(自称)

役割:アイテム使い


PT内でアイテムを有効活用している。

装備は投擲具。

アイテムを鑑定できるらしい。

PTの金策の要の模様。



名前:バタフライオレンジ(自称)

性別:女性(推測)

職業:弓術家(自称)

役割:遠距離攻撃


PT内で後衛から遠距離攻撃を行う。

装備は弓。

スキルで矢を補充できるらしい。

PTのメインアタッカー。



名前:バタフライピンク(自称)

性別:女性(推測)

職業:ダンサー(自称)

役割:支援魔法


PT内で後衛から支援魔法での援護を行う。

装備は短剣。

ダンスにより様々な魔法効果を発動できる模様。

PT内で唯一回復魔法を使える。




・投稿内容


リンク先の動画の紹介文字は英語です。

タイトルは日本語でそれらしく変えてあります。



第1話:自己紹介(俺たちバタフライアドベンチャーズ)

第2話:冒険者になろう(冒険者ギルドへの登録)

第3話:クエストの受け方(冒険者ギルドでのクエスト受注)

第4話:とっても簡単、町中お使いクエスト

第5話:周囲を確認、町の外での薬草採集

第6話:危険は覚悟、迷宮での素材収集

第7話:ここからは慎重に、迷宮での討伐クエスト



++++++++++



思わず動画を全部見てしまった。

僕も冒険者ギルドに登録はしたけれど、クエストを受けたことはない。

文字が分からない人向けに、代わりに読んでくれるサービスがあるんだ。


「これ、バタフライオレンジが九条さんだね。

みんなあの時のマスクをこう利用したのか」



僕がマスクをしたままでライブ配信をしている話をしたところ、九条さん達は自分達もマスクが欲しいと言ってきた。

小池さんに頼んで、マスクはいろんな形の物を色も複数用意してある。

なるべくライブ配信には写さないつもりだけど、もしかしたら出たいという人が出てくるかと思って。

自分達で動画をとって投稿するとは思わなかった。

蝶のマスクで揃えてみんな色違いにしていた。

バタフライアドベンチャーズ、蝶の冒険者達。

マスクが壊れて変えたらどうするのだろう。



「冒険者ギルドってこうやって使うのね。

ニクは冒険者登録はしたのよね」




ネグリジェに冒険者カードを見せ、動画にはないけれど飛び級もできることを伝えた。

彼らは普通に登録したみたいだけど、既にランクが上がっているのかもしれない。


この都市の冒険者ギルドの建物が有効利用されたら、皆で冒険者登録をしてもいいかもしれない。身分証明になるし。






そしてさらに4日が経過した時にそれは起こった。


「ニク君、落ち着く迄の間ライブ配信と掲示板への書き込みを自粛してもらってもいいかな」



弁護士の沢木さんからの連絡だった。

もちろん僕だけじゃなくて、ネグリジェもシースルーも書き込みは自粛。


僕達は、異世界の様子を伝えるライブ配信をした後の無事報告以外は基本的に書き込みをしていない。

だから偶にしか掲示板を見ていない。




きっかけは些細な出来事だった。

おそらく関係者も悪意はなかったと思われる。

ただ、異世界のユーチュ〇バー関連の話題に乗っただけのつもりだったのではないかと。




異世界のユーチュ〇バーに関しては、日本よりも投稿された某大国での方が人気はすごかった。もちろん嘘か本当かわからない、魔法もCGではないか、何かの映画の宣伝ではないのか。色々と憶測を呼びながらも面白半分で話題を集めていた。


彼らは日本の掲示板の話を知らなかった。

そもそも動画でも、日本の事など一切触れていない。

そのため、より信憑性は薄い冗談の作り物という認識の方が強かった。



そこへバタフライレッドの兄だと自称する人物が名乗りを上げた。

弟は本当に異世界に行っていると。

話題性から、テレビへの生出演までしてしまった。

そして、弟は日本人女性のところに来た男性がスマホを持ってきた、という話をしていたとしゃべってしまった。

名前までは知らなかったのが不幸中の幸い。

しかし日本というキーワードが出たことで、大規模掲示板の内容や、ライブ配信の動画も関連づけられて認識されることになった。



まだ転移の暴走は終わっていない。

異世界の情報自体の認識が上がってくれること自体は喜ばしい。



そして話はさらに過熱した。

自称バタフライレッドの兄は多数の番組に出演。

そしてある番組で、他の異世界に行った人の家族と共演したのだ。


そこで、異世界に行ったと知った理由が政府から伝えられたという話が出た。

バタフライレッドに、自分の家族を探してもらえないかという話が一言出たが、連絡は非通知出来たので、こちらからは連絡ができないという回答をしていた。



元々はさらなる話題のために二人を呼び寄せただけだったはず。

この情報は予想外の方向に発展していった。



自分の家族も異世界に行っている。

そう名乗る人が多数現れた。




現れた人数は100人以上。




今異世界に行っている人数は384人。

そして異世界と連絡が取れなくても問題はない。


ここに目を付けた人が多かった。

あるものは小さな子供を助けるための寄付を集い、そしてあるものは異世界に行く為に必要なものとして幸運グッズを販売しだす。

怪しげな宗教組織もあれば、ここぞとばかりに目立とうとする政治家のパフォーマンス。


そんな混沌とした情報が入り乱れる中、某大国の政府は異世界に行っている者の概要を発表した。

某大国在住者で異世界に行っている者は全部で25人。

そして全てが18歳から20歳の間で高校生か大学生であると。



政府が発表したのはそれだけだったが、どこからか詳細な情報が流出した。

この情報が報道されたことにより、家族が異世界に行ったと自称する者達は姿を消した。

本当に異世界に行った者の家族以外は。


そこからはいかにして異世界に行くか、自分達も異世界に行きたいという異世界をチャンスと受け止める方向での過熱となった。

自分の事は自分で守る、自己責任、フロンティアスピリット。

彼らから見た異世界でのリスクは、自分達の国でも起こること。

異世界に対して、新たなる地の開拓を夢見て楽しんでいるのだった。





しかしそれはその国の話。

多数の転移者の家族の情報から波及して、日本では別の流れに発展していた。




「今すぐ私の息子を救出して」


メディアに登場した日本の転移者の家族は、そう訴えかけたのだった。

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