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ただいま転移暴走中  作者: ヨウ
第1章 異世界と地球
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第10話 盗賊討伐の準備

「アイ、イーちゃん。

盗賊が防御フィールドに攻撃してきてるみたい。

ちょっと盗賊討伐の準備をするね」



「ユウ、一緒に準備する。

もちろん私も行くからね」


「ご主人様を守ります」



まさかイーちゃんだけでなくアイまで一緒に行くと言い出すとは。

アイは盗賊と会いたくないだろうに。

でもやっぱり二人を抱えて飛ぶのは、なかなかに難しい気がする。



「ちょっと距離が離れているから飛んでいこうと思って。

二人を抱えてはきついし、一応戦力は考えてある。

見てて」



(アイゼン、闇の祭壇の能力をゴーレム創造に変更)


(変更しました。現在の能力一覧を表示します)



1.ゲート Lv1

2.AI全知 Lv1

3.全能 Lv1

4.完全耐性

5.完全適応

6.ゴーレム創造 Lv1

7.飛行 Lv1


以上



「ゴーレム創造」


『ゴーレムの材料を指定してください』



材料。

いるよね。



木?

ウッドゴーレム。

頼りなさそう。

そういえば切った木も見当たらない。


石?

ストーンゴーレム。


せめて金属にした方がいいか。



そういえば魔法金属の資源が表示されてるんだった。



(アイゼン、開拓資源の魔法金属って使えないの?)


(開拓資源に魔法金属がある事により、魔素から魔法金属を生成できます)


(アイゼン、魔素から魔法金属を生成するにはどうすればいいの?)


(魔法金属生成、イメージする魔法金属、生成量または使用魔素量で作成できます)


なるほど。



さっき見たときは確か魔素は20万ちょっとあったはず。


食料 2265 1日の増加量 3200

魔素 212738 1日の増加量 14200



念のため確認したが間違いない。


「魔法金属生成、ミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネ、それぞれ魔素5万使用」


手元に光が集まり、金属の塊が出現した。



「魔素5万だとこれくらいなのか」


魔法金属の資源によって魔素は1日1000増える。

今は資源10個になっているから1日1万増えているけど。

資源5万ということは、魔法金属の資源1個で考えると50日分相当。

貴重ということなのかもしれない。


ミスリルはバスケットボール位の大きさ。

他の3種類はゴルフボール位の大きさしかなかった。



これでゲートを通れる大きさのゴーレムを作る。

小さなゴーレム・・・考えてみれば戦力になるのか?



やり方次第か。

小さなゴーレムをたくさん作って合体、いや、むしろ逆の方が使えるかも。

極小の物質の集合体で一つのゴーレム。

構成はナノマシン。



魔法はイメージ。


「ゴーレム創造、材料はここにあるミスリル、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネを全部、ナノマシン集合体の群体ゴーレムを作成」



4種の材料が光とともに集まり形を変えていく。


そしてすべてが消えた後に砂のようなものが集まり、ヒト型となった。



「ナノー!」


膝くらいまでの高さの小さな人型ゴーレムが飛び跳ねて挨拶をしてきた。

行動に見覚えがある。


ミニゴーレムが同じような動きをしていた。




「かわいらしいゴーレムができたわね」


「後輩ができました」


アイとイーちゃんはあっさりとした反応。

戦力と言って出てきたのが、このゴーレム。


微妙にあきれているのかもしれない。



「材料から初めて作り出したゴーレム。

きっといい相棒になってくれる、はず」



ちょっと不安になる大きさだけど。

やっぱりもっと材料を投入しないとダメかな。



「相棒ナノ!」


がんばれ相棒。



突然相棒が光りだした。

何も指示をしていないはずなんだけど。



そして僕たちと同じくらいの大きさで現れた。



「大きくなれるんだ」


もしかして中は空洞かな?



「ユウ、額に2の珠が付いてる」



あー、なるほど。

アイはよく見ているなぁ。



「つまりイーちゃんと同じく、パワーアップしたのかな?」


「パワーアップナノ」



理由はわからないけど。

力を与えてくれるならいいか。



「いいなー。竜神様、私もパワーアップしたいです」



アイが羨ましがっている。

そしてアイが光りだした。



オイ。



よかった。

アイは大きくはならなかった。


「私もパワーアップした?」



どうなんだろう。


「分からない。

けど、アイ。

いつの間にか3の珠が付いたチョーカーを着けてるよ」



アイが首周りを確認している。

きっと、そういうことなんだろうね。



それなら、僕もやってみよう。


「竜神様、僕もパワーアップしたいです」




反応がない。

光らない。

ダメっぽい。



「ユウは既に7個も貰っているからじゃない?」


なるほど。

そうなのかもしれない。



「アイはどんなパワーアップをしたのかわかる?

能力がもらえたりは?」



「能力の取得は聞いてこなかったわね」


僕が貰ったのとは違うということか。



よし、とりあえず2番が付いたゴーレムちゃんにも名前を付けよう。


2番の珠、たしかアルシン〇ュウ。

あれ?リャンシ〇チュウだっけ?


「アイ、中国語で2ってアルだっけ?リャンだっけ?」


「どっちも使うけど数字の2だからアルかな」


使い分けがあるのか。


「群体ゴーレムちゃんをアルちゃんと命名。よろしく」


「よろしくナノ」



「私はユウの嫁よ。よろしくね」


「奥方様もよろしくナノ」



うん。

もうわかってた。



さて、まずはちゃんとゲートを通れるか確認しよう。



とりあえずは家の外と家の中でいいか。



「ゲート」



ゲートの先にはリビングが見える。



「アルちゃん、このゲートを通って向こうに行ける?」


「はいナノ」


アルちゃんの体がサラサラサラっと消えたかと思うと、ゲートの向こうで再び人型になった。

パワーアップで体は大きくなったけど、問題ないようだ。


「うん、これで何かあったらいつでも駆けつけてもらえるね」


「ご主人様、中に入りました」



え?

イーちゃん?


ゲートの向こうに確かにイーちゃんがいる。


「いつの間に」


そういえばさっきもいつの間にか家にいた。



「イーちゃんもゲート通れるの?」


「通れます」


「どうやって?」


大きさ的に通れないと思うんだけど。


「こう、グーっと細くなって通ります」



ああ、ゴーレムは人間じゃなかった。

しかもミニゴーレムは僕が作ったわけでもなく、なぜか開拓作業をしていただけだ。

そういえば新たに作るのに必要なのは魔素だけだった。


材料すらない。



「イーちゃんもすごいんだね」


「近衛の嗜みです」



うん。

その言葉を聞くと、やっぱりメイドさんだと思うんだけど。


「ユウ、これで私がユウと一緒に行って、イーちゃんとアルちゃんはゲートで呼び寄せていいんじゃないの?」


うーん、アイを危険に巻き込みたくないんだけど。



「アイは家で待っていた方がいいんじゃない?

また嫌な目に合うかも知れないし」


「盗賊は私を追いかけて来たんでしょ?

ユウと一緒の方が安全じゃないかな」



あれ?

そうなのかな?

来た方角とは違う気がするけど。


(アイゼン、今戦闘を仕掛けてきている盗賊ってアイを追いかけて来た盗賊?)


(違います)


「アイ、今戦闘を仕掛けてきている盗賊は、アイを追いかけてきた盗賊じゃないらしいよ」


「あら、そうなの?

でもまだ結構距離があるのよね?

追いかけて来たんじゃないのなら、どうやってここを知ったのかしら」



そういえばそうだね。

まだ作ったばかりだし。


(アイゼン、盗賊はこの都市をどうやって知ったの?)


(盗賊はこの都市のことを知りません)



あれ?


(アイゼン、盗賊は何で攻撃を仕掛けてきているの?)



まさかそこに何かがあるから、なんていうことはないよね。


(盗賊のアジトが勢力圏の中にあるため、盗賊はアジトに戻ろうとしています)



つまり僕の開拓と神域強化で追い出しちゃったってこと?

だから勢力圏内に敵意を持つものが存在出来なくなった、という言葉だったのか。



「アイ、盗賊はここを知らないみたい。

開拓でこの都市の勢力圏が広がって、盗賊のアジトを飲み込んじゃったみたい。

そしてさっきの神域の強化の影響で、はじき出しちゃったらしい」



なんとなくこっちが悪い気がする。

困った。

どうしよう。



「私たちが追い出しちゃったのね。

それは相手は怒るわよねぇ。

この都市のことを知らないなら再び入れるようにはできないの?」


「僕とかアイに敵意を持つようだとダメみたい。

まだ会ってもいないのに敵意判断されているということは、問答無用の盗賊なんじゃないかな」


「私を襲ってきた盗賊も問答無用だったわよ」



そういえば僕を探しに来た盗賊も問答無用で捕まえるつもりだったね。



「うーん。

中に入れないのは確定だから、アジトの荷物を渡して、それでも戦闘を仕掛けてくるようなら討伐、かなー?」



なんとなくあっちから攻撃してきたと思ったから討伐と思っていたけど、こっちにも非があるのがつらい。



「ユウ、ユウは盗賊を殺せるの?」



う。

出来れば考えたくないことを。


「なってみないと分からない」


「うん。

そうだと思う。

ユウって地球にいた時、日本から出た事ないんじゃない?」


「うん、一度も日本を出たことない。

住んだことはもちろん、海外旅行もない」


家自体にそんなにお金はないし。


「私の友達もそうだけどね。

日本でしか暮らした事がない人って、暴漢の命も重く考えるの。

相手は自分を殺そうとしてくるけれど、相手の命は大事って。

実際にそういう場面に出会うことがないから、想像でね。

私は一応誘拐されないように日本でも護衛がついているし、海外に行った時には一人で出歩いたらどうなるかっていう話で散々脅されているから。

何かあったときには自分の命優先で戸惑わないように、ともね。

相手が常に武器を持っていて、いつでも自分を殺せる世界って、怖いのよ」



知識としては理解できるんだけど、実感ができない。

多分これが平和ボケっていうことなんだと思う。


「でもユウ、ここは日本じゃないのよ。

相手は当然のように私たちに危害を加えてくる。

私は捕まったらたぶん襲われ続ける。

ユウは殺されちゃうかもしれない。

そういう相手なのよ」



そうなんだよね。

ここは異世界で相手は盗賊。

しっかりしないと。


「だからね、ユウ。

私は絶対についていくわよ。

ユウ一人では心配だから」



うん。

いくら能力がいろいろあっても、僕自身が動けなければ意味がない。

アイさえ無事ならいいんだし、最悪は都市を放棄してでもアイと逃げよう。

防御フィールドがあるからまだ大丈夫だろうけど。



「分かった。

でも盗賊討伐は後回しにしよう。

まずは盗賊のアジトに行く」

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