個性
俺は、中村修助17歳の高校二年生。
見た目は、銀髪銀眼で、髪はワックスで自分好みの髪に決めている。
俺的には、かっこよく決めてるつもりなんだけど、周りからは理解されない。
でも別にいいと思ってる。
だって俺は、人と同じを嫌う性格だからな。
人同じ感性で、物事見て、感じて、何が楽しいんだ?
そんなのただの無個性。
無個性は退屈・・・
俺が求めるのは、個性のあるやつ。
個性こそが、人間の価値を決める。
それが俺の考えだ。
でも俺が求めるようなやつはいねえ・・
皆見た目以外は、個性のないやつが多い。
俺のいる2年6組がそれがあからさまだ。
理解できねえよ・・・
無個性をそこまで尊重する理由が・・・
「2年5組の小熊彩夏って奴、一日中小説読んでるらしいぜ。しかもそいつ人との関わりを完全に絶ってるんだよ」
ん?
不意に聞こえてきた話に俺は興味を持った。
小熊彩夏ね・・・
面白そうな奴だな・・。
本以外に興味はねえってか?
人との関わりを完全に絶ってる・・・
俺は、なんだか燃えてきた。
「小熊彩夏。いい個性を持ってる。こいつとは、仲良くなりたいもんだな・・・」
とりあえず、クラスの奴らに聞いてみた。
集まった情報をまとめると・・・
大まかに4つにまとめた。
1つ目が、人に話しかけられるのをひどく嫌う。
2つ目は、運動神経がひどく乏しい
3つ目は、外見は完全に小学生。
4つめは、小説以外に興味がない。
だという事がわかった。
もうこれを見てるだけで面白いな・・
なんだよ外見小学生って・・・
すげえばかにされてねえか・・
まあいいや。
とにかく昼休み、2年5組に行くかな。
せいぜい俺を楽しませてくれ。
どんな個性をもったやつなのか楽しみだ。
この世界は、つまらなすぎる。
ちょっと努力したら、何でもある程度以上簡単に出来ちまう。
そんな退屈な世界を俺は、楽しみたい。
俺は心を弾ませながら昼休みになるのを待ち望んだ・・・
早く会いたい。
自分のまとめた文章を読めば読むほど、興味が出てくる。
こんな感覚初めてだ・・・
だいぶ時間が進み、昼休みになる。
ついにこの時が来たか・・
俺は、席を勢いよく立ち上がる。
「おい修・・・」
「ん?」
後ろから声をかけられたので、振り返る。
声をかけてきたのは、山田 一樹。
天然パーマで、目がつり目で、弱々しい感じの奴だ。
弱そうな外見と家が貧乏という事もあり、虐められていた。
そんな切ない過去を持つこいつだが、結構見た目からは想像できないが、かなり毒舌で、演技力はそれを際立たせるようなクオリティである。
山田は、ドラマのように演技かかった感じの空気をかもしだし、
「危険な賭けはやめるんだ」
面白い台詞だな・・と俺は感心した。
俺も自分なりに、山田みたいな雰囲気をイメージしつつやってみた。
「親友よ。男には、行かなくちゃならない時があるんだ」
右手をなぎ払うしぐさをして、高2とは思えないような厨二くさい台詞を言い放った。
恥ずかしいがなんかテンションあがる。
山田は、「くっ・・」っと右の口を吊り上げて言うと、俺に背中を向け、頭を少しさげて、心配そうな感じの声色で
「友よ。行くからには負け戦は許さん。わかったな」
そういった後、こちらに振り返り、俺の肩を叩き耳元でつぶやいた
「ご武運を祈っている。神の加護があらんことを」
そして教室からいきおいよく飛び出した。
俺はそれを、ぽかんと見つめていた。
少ししてから笑いがこみ上げてきた。
「素晴らしい声援ありがとう。俺はこの戦、絶対勝つぜ」
友の励ましで、俺のテンションは、最高潮に近いくらい高まっていた・・