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いざ決戦のとき・・・

2年5組の教室の前に俺はいる。


とりあえず、人に呼び出してもらうなんて野暮なことはしねえで行こうか。


俺は前のドアを開けて、大きな声で言った。


「小熊彩夏。いるなら手を挙げな」


教室はざわつく。


2年5組の教室は、変な空気で溢れかえっていた。


そんな中恐る恐る、手を挙げた少女がいた。


その少女は・・・


「小学生がいる・・・」


俺は驚きのあまりそう口にしていた。


まさかほんとだとはな・・・・


手足も短くて、細いし、顔は体の比率から考えたら大きく見えるし、何より目がでかい・・・


てかいつまでもドアから話すのは、いろいろと面倒だな・・・


「小熊彩夏。俺についてきな」


小熊彩夏だと思われる少女は、本をスカートのポケットに入れ、俺の言う通りにした。


俺が彼女と話す場に選んだのは、裏庭だ。


大きなテーブルが2つあるので、一つは開いてるだろうという短絡的な考えは、的中した。


奥のテーブルがあるので、そこに俺たちは向かい合って座る。


真顔でこちらを見つめてくる。


小熊の目には、生気がこもっていない。


完全に死んでいる。


もう不気味だ。


でもそんな奴だから、俺はわざわざ連れてきたんだ。


やってやる。


「お前小熊彩夏だよな?」


「そうですが」


顔だけではなく、声も冷たい感じなので、ゾクっとする。


俺は、まとめた4つの事をとにかく聞く。


「人に話しかけられるのは嫌いか?」


小熊は、こくりと頷いた


やっぱりうわさは当たっている。


「小学生とよく間違えられる?」


そう聞くと、一瞬すごい形相で睨んだ後、さっきの表情に戻ると頷いた。


これも当てはまってる。


「じゃあ小説以外に興味のあるものはあるか?」


ちょっとひねった聞き方をした。


小熊は、どうでもよさそうに答える。


「ないです。」


これも当てはまるなんて・・・


情報って恐ろしいくらい正確なのね・・


怖いな。


じゃあ最後の一つを聞くか。


「運動神経がかなり悪いって言うのは?」


その問いにすぐ頷いた。


4つ全て的中って事か。


これは、面白くなるな。


俺のそんな高揚した気分を害することを小熊は口にした。


「そろそろ帰って良いですか?」


「だめだ」


小熊は、ため息をついた。


そして小説を読み始めた。


その時、ふと昔の読んだ小説の名前が思い浮かんだ。


「夕暮れの空・・」


バタンッ・・・


俺は、その音でびっくりして、小熊のほうを見ると・・・


本を落としていた。


急いで、その本を持つと読み始めた。


その顔は、焦りが感じられた。


なんでこいつは焦っている?


さっき俺が口にした小説の名前を口にしたら、こうなったわけだからそこを攻めればいいんだよな。


自然な感じを装って聞いてみた。


「お前夕暮れの空って知ってる?」


「えっ・・ええ・・。」


完全に声が震えていた。


しかもそれに比例してるみたいに、本を持つ手も震えてる。


これは脈ありか・・


分かりやすいやつめ・・・


でもこれはいける気がする。


俺は、この時もう小熊との駆け引きに勝った手ごたえを感じていた。



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