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エピローグ 青い鳥のように
エピローグ 青い鳥のように
今日もリリィは窓辺に座り、虹色の糸を指にかけていた。
カタン、カタン。針の音が静かに響く。
マフラーはもう、谷を抜け出して遠くへと続いているかのように長くなっていた。
そばでルドルフは妹の横顔を見つめていた。
「いつか本当に、世界が平和になればいい」
そう心の中でつぶやくと、リリィがふと顔を上げて言った。
「お兄ちゃん、青い鳥のお話知ってる?」
ルドルフは首をかしげる。
「幸せの青い鳥を探して、兄妹が遠くまで旅をするの。でもね、結局は自分たちのすぐそばに青い鳥がいたって気づくの」
リリィは微笑んだ。
「私たちもそうなのよ。平和な世界は、遠いどこかじゃなくて、今ここにある。こうして一緒にいられることに、感謝しなくちゃ」
ルドルフはその言葉を胸に刻み、妹の隣で小さく笑った。
炎のあたたかさのように、村には笑い声が満ちている。
虹色のマフラーは風にそよぎながら、これからも編まれ続けるだろう。
――平和は、確かにここにある。




