第6話 帰還と虹の分かち合い
第6話 帰還と虹の分かち合い
ルドルフと仲間たちは、ついに谷へ帰ってきた。
みんな鎧は傷つき、衣は泥にまみれ、顔には疲労の色が濃くにじんでいた。
長い旅路と争いを越えてきた彼らは、よろよろと足を運ぶのが精いっぱいだった。
そんな彼らを出迎えたのは、窓辺で編み続けていた妹リリィと――
部屋の外まで伸び、村を包み込むほどになった一本の虹色のマフラーだった。
仲間たちは思わず立ち止まり、その不思議な光を帯びた糸に目を見張った。
触れると、温かい。
胸の奥にしみこむようなやさしさが広がっていく。
「これは……リリィが?」
「ええ。兄さんたちのために編み続けていたの」
ルドルフはしばらく黙って妹を見つめ、やがて照れくさそうに笑った。
仲間たちも次々とマフラーに手を伸ばし、自然と笑みがこぼれる。
疲れがほどけ、体の痛みすら和らいでいくようだった。
「好きな長さで切っていいわ。端は私が整えるから」
リリィは笑顔で言った。
みんなはそれぞれ、自分にちょうどよい長さを選んで切り分けてもらった。
誰もが虹色の一片を首に巻き、心が軽くなるのを感じた。
その夜、村は笑い声であふれた。
焚き火の周りで仲間たちが談笑し、子どもたちがマフラーを引きずりながら走り回る。
戦いの傷跡はまだ消えないけれど、心には確かに光が戻っていた。
リリィは炎の向こうにいる兄を見つめ、そっとつぶやいた。
「編んでよかった……」
ルドルフは妹に気づき、にっこりとうなずいた。
虹色のマフラーは、争いを越えた者たちの絆となり、村に新しい希望を織り込んでいった。




