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ショートケーキ

たくさんのブックマークありがとうございます!

これからも頑張りたいと思います!


また長くなりそうだったので、

今回もキリがいいところまでにさせていただきました。

おやつのショートケーキを早速食べようとしたら母に手を洗っていないことがバレて注意されてしまった雫です。いや、べ、別に手を洗うのが面倒だったとか、洗わなくてもバレないだろとか思ってたわけじゃないからね!ちょっとうっかりしちゃっただけなんだからね!……はい、嘘です。別にずっと室内に居たから問題ないとか思ってました。まさかこんなにあっさりバレるとは…母め、やりおる。



注意されたので大人しく私も手を洗ってからおやつを食べた。うん、うまうま。美味しくてニコニコしながらケーキを食べてると洗面台へ手を洗いに行っていた兄たちが戻ってきた。あ、ちなみに私はキッチンの流し台で母に抱っこされながら手を洗ったので洗面台まで行ってない。だって、すぐにケーキ食べたかったし、私のまだ短い足では洗面台まで行くと時間のロスになって食べるのが遅くなっちゃうと思ったからね!








「お!今日のおやつはショートケーキか!オレたちも早く食おうぜ。あ、大和はオレの隣の椅子に座れよ。」


「ああ、ありがとう。」


「はい、おやつ。じゃあママはちょっと洗濯物取り込んでくるから太陽くん雫のこと見ておいてくれるかしら?あと大和くんは自分の家のようにくつろいでいいからね!」


「はいはい。わかった。」


「ありがとうございます。」








母は私たちをリビングに残し、2階へ洗濯物を取り込みに行ってしまった。母なりに大和くんにリラックスしてもらえるように気を遣ったのかもしれない。兄はそんな母の気遣いを気にすることなくおやつに手をのばした。







「ほら、大和のぶん。」







兄は大和くんの目の前にケーキを差し出してから私に話しかけてきた。







「雫、ケーキ美味いか?」


「うん!にぃちゃ、おいちぃよ!」






そりゃもちろん美味しいに決まってる。じゃなきゃこんなに生クリームで口の周りをベタベタにさせて食べてはいないだろう。






「そうか、そうか!そういえば雫は苺好きだったよな?」


「うん!すち~!」


「じゃあ、兄ちゃんの苺、雫にやるよ!」


「!!」







マジかよ!!ショートケーキで言わばメイン的なポジションである苺を私にくれるだと!?兄よ、いつから君はそんなに大人になったんだい!?いや、そりゃ嬉しいよ!でも、もらっちゃうのはちょっと悪い気がしちゃうんだけど…。え、気にせず食べていいって?…そこまで言うなら貰っちゃうよ?あとでやっぱ食べたかったとか言われても返せないからね!ではありがたく頂戴いたしまする。








「にぃちゃ!いちご、ありがちょ!!」


「どういたしまして。」







私たちがそんなやりとりをしている間、大和くんはケーキを食べずにケーキをガン見していた。いや、そんなに食べたいなら遠慮していないで食べてもいいのよ?それとも実は甘いものが苦手だったりするんだろうか?私が疑問に思っていると、どうやら兄も大和くんが食べていないことに気がついたようだ。







「あ、大和もしかしてケーキ苦手だったか?」


「いや、苦手というよりも寧ろ好きだ。」


「じゃあ、遠慮してないで食っていいぜ?」


「ああ。ありがとう。」






そう言いながらもずっとケーキをガン見している大和くん。いや、マジでどうしたよ?ケーキうまいっすよ?好きなら遠慮してないで食べていいのよ?ほら、兄なんてさっきの行動が嘘のようにガツガツ食べてるからね。



大和くんはしばらくケーキを眺め続け、1回頷いてから苺にプスッとフォークを刺した。私はやっと食べる気になってくれたのかと思い、兄のくれた苺に手をのばして口に入れた。苺の甘酸っぱさを口いっぱいで感じていると私のケーキの皿に苺がまた載せられていた。不思議に思い顔を上げると大和くんがこちらを向いていた。







「苺、俺のもあげる。好きなんだろ?」







そう言って微笑む大和くん。え!?ちょ、何これ…ま、眩しい!気のせいか大和くんに後光が射しているように見える。まだ小学生なのにこの色気はなんだ!?兄が苺をくれたときは後光も色気も感じなかったっていうのに…最近の小学生はすごいなぁ。いや、最近の小学生というよりも大和くんがすごいのか。とりあえず苺はありがたく頂戴します。







「ありがちょ!」








私がお礼を言うと大和くんはやっとケーキを食べだした。どうやら、先ほどまでは私に苺をあげるかで悩んでいたようだ。甘いもの好きって言ってたのに私に苺をくれるなんて…。大和くん、君、いい子だね!兄と友人関係を築くことを許してしんぜよう。これからも兄のことをよろしく頼むぞ!




私はこの苺の一件ですっかり大和くんに見覚えがるような気がしていたことを忘れてしまい、ただの兄の友人のイケメンという認識で終わってしまったのだった。






最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

次回で、できればお泊りの話を終わらせたいと思っています。

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