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初めてのおつかい2

お久しぶりです!長い間更新してなくてすいません。

今回は「初めてのおつかい」の続きとなっております。

父のお昼に間に合うように私と太陽くんは支度を整えて家を出発した。父のお弁当は大きくて私の猫ちゃんリュックに入らないということで太陽くんが持ってくれることになったので、私は水筒だけを持つことになった。本当は初めてのおつかいだし、私が両方とも持って行きたいところではあるんだけど道のりを考えると体力の心配もあるということで、太陽くんにお任せすることにした。太陽くんのリュックには父のお弁当と私たち用の水筒、それと会社までの道順が書かれた紙とお財布が入っている。





私たちはまず電車に乗るために駅を目指して歩き出した。駅までの距離はそんなに遠くないのですぐ着くことができた。駅に着いてから早速、切符を買うために路線図を見上げた後に値段を確認したところで私は太陽くんにお願いをした。そのお願いというのは切符を私に買わせてほしいということだ。だって、なんてたって私の初めてのおつかいですからね!ここは自分で買っておかないと楓とのおつかいトークの時に自慢できないからね!!







「おにいちゃん!わたしがかいたい!!」


「ん?雫が切符買いたいのか?」


「うん!!」


「まぁ、雫の初めてのおつかいだしな!いいぜ!オレが抱っこしてやるから兄ちゃんの言ったところのボタンを押すんだぞ?」


「わかった!!」







私の返事を聞くと太陽くんが私を持ち上げてどこを押せば良いのか教えてくれた。本当に太陽くんはしっかりしたお兄ちゃんになって私は嬉しく思うよ!小3なんてまだ自分で切符を買いたいお年頃なんじゃないの?それなのに妹にその楽しみを譲ってあげるという優しさ!!これは本当に太陽くんの将来が楽しみですな!!




その後、無事に切符を購入することができた私たちは改札を通りホームへと向かった。改札では私がちょっと切符投入口に勢い良く切符が入っていったことに少々ビビるというアクシデントもあったがそれ以外は順調に進んでいると思う。ちなみに私がビビっていたのを太陽くんと駅員さんにバッチリ目撃されて微笑ましく見守られたのは恥ずかしかった。





ホームに着くと太陽くんが私を気遣って水筒の麦茶を渡してくれた。今日は暑いし脱水症状に気をつけなきゃいけないということをしっかり覚えていたみたいだ。いや〜、太陽くんって本当にしっかりしたお兄ちゃんだわ。ありがたや、ありがたや。渡された麦茶はよく冷えていて美味しかった。私が麦茶を飲み終え水筒のコップを渡すと自分も少し飲んで水筒を仕舞った後、太陽くんはポケットからハンカチを取り出して私の額に浮いた汗を拭き取ってくれた。もうね、その甲斐甲斐しい姿といったらね…。本当に今日は私の成長した姿を見せるはずが太陽くんの兄として成長した姿を見せつけられた日になったなって思うよ。






2人でホームのベンチに座って待っていると電車が来たので早速乗り込んだ。電車はお昼近くということもあるためか、全然人がいなくて2人でそろって座ることができた。久しぶりの電車にちょっとテンションが上がった私の様子に気がついたのか太陽くんは慈愛に満ちた笑みを浮かべている。なんていうか、太陽くんって本当に小3か!?なんだこの菩薩のような表情は!!そんなに妹大好きなのか!?そうなのか!?……照れるわ!!!私も太陽くん大好きよ!!!!…と1人脳内で盛り上がっているとあっという間に父の会社の最寄り駅に到着をしたようだ。さて、行くぞ兄よ!!





気合いを入れた私は麦わら帽子を冠り直した後、太陽くんと手を握り電車を降りた。確か駅から会社までは徒歩15分だったから、私の歩行速度から考えて30分くらいかな?普通の幼児には大変かもしれないけど、私には問題ない!え、なぜか?って?ふふふ、ならば教えてしんぜよう!!それは、日頃から体を鍛えているからだあああああ!!!!あ、うるさいっすか?サーセン。……ゴホン、では気を取り直して。私は日頃から体がぷよぷよしすぎないように運動してる。例えば、テレビの体操のお兄さんの踊りを真似したり、父が筋トレしている時に腕にぶら下がって腕を鍛えたり、公園で楓と一緒に走り回ったりと体を動かしてきたわけさ!つまり日頃から体を鍛えている私にとって普通の幼児では大変なことも余裕でこなせてしまうという寸法ってわけだ!!どうだ!!参ったか!!












「変なポーズしてる雫も可愛い!だけど早くしないと父さん待ってるから行くぞ〜」


「……は〜い」










脳内だけでポーズをしているはずが実際に体もポーズをとってしまっているとは…不覚。しかもシスコンの太陽くんでさえ変なポーズだと思われてしまうとは、ちょっと私のセンスが不安になったな…。まぁ、センスはこれから磨けばなんとかなるはずだし、今は父の元へ急ぐとするか!





太陽くんと仲良く手をつないで歩いているとなんだか楽しくなってきて歌いたくなってきてしまった。どうしよう歌っちゃおうかな?幼児だから道ばたで歌っていても許される年齢だよね?あー、でも太陽くんが恥ずかしがるかもしれないからここは我慢しとこうかな〜。…うん、我慢しよう!もし歌って太陽くんがもう私と2人で出かけたくないって言い出したら困るもんね!ここは脳内だけで歌おう。










…などと、思っていたけどどうやら普通に歌ってしまっていたようで、途中から太陽くんと仲良く一緒に「さんぽ」を歌いました。…えへへ。ノリが良いお兄ちゃんで良かった〜。特に恥ずかしそうにとかもしてないし、これからも私と一緒に出かけてくれそうで安心したわ。







区切りの良いところまで歌い終わると、ちょうど父の会社にたどり着いた。父が勤めている会社はビルの一部を借りるような形態をとっている会社だったようで、受付のところに人影はなく、どうやら置いてある電話を使って用事がある会社へ連絡をとるようになっていた。太陽くんは母に書いてあったメモを見て父の会社を確認していた。私はその様子を見て、また自分が連絡したいとお願いをした。








「おにいちゃん!わたしがおでんわしたい!」


「え?マジで?ちょっと雫には難しくないか?」


「そんなことない!わたし、もう3さいだもん!できゆ!!」








ちょっと気合いを入れ過ぎたせいか噛んでしまったが、太陽くんはちょっと考えてから私に連絡させてくれることを了承してくれた。










「うーん、雫の初めてのおつかいだしな〜。よし、雫に任せる!母さんが何て言えばいいか教えてくれたから、雫はそれを言うんだぞ?」


「うん!」


「電話したら、自分が誰なのかを言ってから、なんで来たかを言って、父さんを呼び出してもらう。わかったか?」


「おっけ〜」


「じゃあ、兄ちゃんが番号押すからその後から頼むな!」


「は〜い!」









太陽くんが受話器を私に渡してから番号を押すとすぐに声が聞こえてきた。








「はい。こちら◯◯デザイン会社です。」


「わたし、さとなかしずくです!おべんとうもってきました!パパいますか?」


「えっと、お弁当を届けに来てくれたのかな?」


「そうです!」


「パパって里中葵さんであってるかな?」


「あってます!」


「わかりました。ちょっと待っててね」









受話器から保留音の後に父の声が聞こえた。









「雫かい?」


「うん!パパのおべんとうもってきたよ!!」


「ありがとう、今から行くから待っててね!」


「うん!」







太陽くんにちゃんと電話できて偉かったと褒めてもらっていると父がやってきて、会うなり私と太陽くんを抱きしめてくれた。








「雫も太陽もわざわざお弁当持って来てくれてありがとうな!パパ嬉しいよ!!早速2人が持って来てくれたお弁当食べようかな!おいで、一緒に食べよう。」








父に連れられて会社に入るとデザイン会社らしくおしゃれな社内になっていて、私は見ていてワクワクしてきてしまい思わずキョロキョロと周りを見渡すと1人のお姉さんが声をかけてきた。








「もしかして、さっきお弁当届けに来たって言ってた雫ちゃんかな?」








なんて綺麗なお姉様!!ここは失礼がないように全力で自己紹介をせねばならんな!!そう思った私は父の後ろから一歩前へ踏み出しお辞儀をしてから自己紹介をした。








「はい!さとなかしずくです!3さいでしゅ!!」








しまった!!気合いを入れ過ぎて最後に噛んでしまった!!めちゃくちゃ恥ずかしい…。噛んだ上にテンパって前に突き出した指が2になってしまってるのがより恥ずかしい…。これじゃ、バカ丸出しではないか!!このままではせっかく綺麗なお姉さんに会ったのに残念な女の子という印象で終わってしまう…はっ!そうだ、ゆっくり指を2から3へしれっと変えてしまえば気がつかないかも!うん、そうしよう!!



私はもともと3を出すつもりでしたよ〜、という表情をつくりながらしれっと前に出していた指の本数を変えてドヤ顔をキメてお姉さんを見ているとお姉さんは真剣な顔をして父へと話しかけた。











「里中さん、雫ちゃん私の家に連れて帰ってもいいですか?私の家で大切に育てますから!!」


「何言ってる!?ダメに決まっているだろ!?」


「え〜、こんなに可愛い子が家にいたら仕事の疲れもとれるし、これまで以上に仕事もはかどると思ったのに〜!!」


「いいかい?雫は我が家の宝物なんだからそう簡単に渡せるはずがないだろう?なー、太陽?」


「ダメだ!姉ちゃんには悪いけど諦めてくれ!!」


「そっか、太陽くんにまで言われちゃったら諦めるしかないか〜、残念。じゃあせめてお昼一緒に食べてもいいですか?」








そのお姉さんの発言を聞いていた他の子供好きだと思われる社員さん2人も一緒にお昼を食べたいと言いだし、結局、女子社員2人男性社員1人と父と兄と私の6人でお昼を食べることとなった。どうやら父の勤めている会社は自分の仕事をきっちりこなせば自由な行動がいろいろと許されているらしい。じゃないとこんな突然現れた子供とお昼休憩なんてとれないだろうしね!





休憩室もおしゃれな空間となっていてソワソワしていると後ろから父に抱っこされ、そのまま父のお膝に座ってご飯を食べることになった。母はあらかじめ私と兄の分も余計にお弁当に詰めていたらしい。どおりで大っきいお弁当だと思った。お昼を食べ始めると一緒に食べていた3人が自己紹介をしてくれた。




最初に話しかけて来た綺麗なお姉さんは山田美智さん。もう1人の真面目そうな見た目の眼鏡をかけたお姉さんは松本愛里さん。最後に茶髪でちょっとチャラそうなお兄さんが林慎之介さん。この3人はどうやら相当の子供好きみたいで私と兄の2人がお弁当を食べているのを微笑ましそうに見つめていた。





じっと見つめられているとちょっと食べづらかったけど、しょっちゅう家族に食事中見られていたことを思い出すと全く気にならなくなり美味しくご飯を食べることができた。いや〜、美味しかった!やっぱり一仕事終えた後のご飯は美味しいね!私が満足げに一息つくとだんだん私を眠気が襲って来てうとうととし始めてきてしまった。その様子を見て太陽くんがおんぶして帰ろうとしてくれたみたいだけど、さすがに父も小3に幼児をおんぶさせて帰らせるのは心配になったらしい。上司に話をして父の今日の仕事のノルマが終わるまでお邪魔させていただくことになった。ちょっと申し訳ない。幸い父は仕事ができる方だったらしく早めに終えることができたので帰りは3人仲良く帰宅した。






初めてのおつかいは1人ではできなかったけど、一応お弁当を届けるというミッションはこなせたので成功したと言っても良いと思う。これで今度、楓と会ったときにおつかいトークで盛り上がれること間違い無しだ!!よかった、よかった。






またいつになるかは不明ですが更新できたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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