第五十七駆
「少年、これお弁当ね。こっちに飲み物あるから。
あと、膝とかふくらはぎとかに熱があるようならアイシングするけどどうする?」
堅田運動公園で休憩に入った僕に住職が矢継ぎ早にきいた。休憩が15分間なのでその間にしなければいけない事は多い。
「お弁当ありがとうございます。飲み物は水で大丈夫です。アイシングは……まだ大丈夫です。」
「了解、あっでも暑くなってきたから首元は冷やしておこうか。」
そう言って風邪とかで熱が出たときに使う冷たいシートを貼ってくれた。
お弁当を食べていると二人組が近づいてきた。
「おっ、少年君。
すごいなサポートチームがあるんだね。」
「あっ、この間はどうも。」
自主練で近江八幡まで行った時に会った大学生の二人組だった。
「ああ、ご飯中だね。気にせず食べてよ。」
「はい。お二人もペース早めで来られてるんですか?」
「いやー明日用事が入っちゃってさ。
最後まで頑張ると用事に影響しちゃうからここまででリタイアして帰る感じなんだよね。」
「去年よりは進んで帰ろうって事でペース上げて来たって所だね。」
「そうなんですね。残念じゃないですか?」
「まぁ、もうちょっといけた感はあるけど仕方ないよ。
去年みたいに熱中症でリタイアとかじゃないだけましだな。」
「休憩所でリタイアするとここまで来ましたっていう証明書を貰えるんだよ。僕達はベスト記録の更新が目的だったからまぁ十分かな。
あとは出店でご飯食べながらゆっくり帰るとするよ。
じゃあ、残り頑張ってね。」
「はい頑張ります。」
二人は笑顔で放れていった。
「配信でリタイアした人がいたらわかるようになってるんだよ。参加者数っていう表記なんだけど開始からもう半分くらいは減ってるね。記念参加の人達からすれば出店が並んでるのを見ながらお祭り気分を味わう事ができたらいいわけだしね。
気温が上がって熱中症の疑いでドクターストップを受けた人もいるみたいだから少しでも体調不良があったら直ぐに言ってね。」
住職が言った。
「はい。気をつけます。」
「今、だいたい80㎞くらい。
タイムは3時間15分。かなりペースが速いね。
勢いがついていた分もあってスピードに乗れていたから体力の消費も抑えられてるみたいだね。
まだ感じれてないだけで身体に負担はかかってると思う。ここからは市街地も通ったりするから道に起伏も出てくる。身体の状態には十分に気をつけてね。」
「わかりました。ごちそうさまです。」
僕はお弁当を食べ終えて準備を整えて、また走り始めた。周りに人はいない状態で一人で走り始める形になった。




