表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノマチ  作者: 依那 瑞希
第1章 アノマチ
21/29

外伝 アラタノキオク

 奏君のステージがまもなく始まろうとしていた。


 私は妻のナオと共に開演の時を待つ。


 そのときは突然訪れた。世界は闇に包まれ、声と楽器の音だけになる。


 ――この感覚、なんだか懐かしいな……


 思えばこの街に来る前、まだ東京で暮らしていたとき、ナオと良く行ったものだ。


 そういえば、確かこの街に来た日も、ライブの帰りだった気がする。


 私は失われていた記憶が少しずつ蘇っていく感覚を覚えた。確か、あの日も今私の目の前で歌っているような青年がギターボーカルをしていた。非常に感動したのを強く覚えている。


 そして、私はナオと共に、またそのバンドの演奏を見に行くことを約束した。そこまでは思い出す。


 はて、あの後どうやって帰ったかな

 そして私は何でここに来たのかな


 失われた記憶のパズルが1ピースずつ紐解かれていく。


 そして、スタードームの照明の一つが私の方を向いたとき、私は急激な吐き気に襲われた。


 ――全て思い出した。


 それは恐ろしい事実だった。


 その日以来、この街でアラタの姿を見たものは誰一人としていなかったという。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新しく連載開始いたしました。マイペースにかいていこうと考えておりますので、お付き合い頂ければ幸いです。

動物のお医者さん、転生して今日からモンスターのお医者さんになりました!
よろしくお願いいたします。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ