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アノマチ  作者: 依那 瑞希
第1章 アノマチ
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18話 ジジツ

 アラタがカミカクシに遭った。


 わたしたちはその事実に衝撃を受けていた。


 ことの顛末は星空フェスティバルの翌日にさかのぼる。あの日、わたしとまどかはいつものように、アラタの定食屋でご飯を食べようとしていた。そして、定食屋に向かうも、アラタは不在だった。店はナオ一人しかおらず、わたしのアラタさんはいますか?という一言が、わたしたちを絶望へと引き込んだ。


 「アラタって誰ですか?」


 そう、ナオの記憶からアラタの存在が消えた。そして、わたしたちはアラタの願い事に関して、恐ろしい事実について気づいてしまったのである。


 元々、ナオはアラタと共にこちらの世界に来ていたとわたしはすっかり思い込んでいた。それはアラタがこの街に来る前からナオと仲良くしていたことから自然に導かれる仮定である。


 しかし、この街のナオが、もとの世界のナオと違っていたら……


 オーヤマ選手がカミカクシにあった時に感じた違和感も説明がつく。じゃあなぜ、ここにナオがいるか?それはアラタが願い事をしたのであろう。ナオと暮らしたいと。


 そして、なぜアラタがそのことを覚えていないか。それを考えたときに、わたしたちは一つの可能性にたどり着いてしまった。そしてそれ以外の可能性は思いつかなかったというのも事実であった。


 それはナオがアラタのもとから離れてしまったから。そして、アラタが記憶を失ってしまうほど衝撃を受けるような結末は一つしかないだろう。


 ナオはもうこの世にはいなかった。


 そしてきっと、星空フェスティバルの時に気づいてしまったのだ。アラタ自身その事実に。そうして彼はこの世界から消えた。


 カミカクシに関しては未だわからないことが多いが、願い事に関してはおそらくこれが正しいであろう。


 そしてアラタが消えてしまったという事実はわたし自身ようやく理解できるようになるまで、時間が掛かった。だからこんな冷静な分析ができたのであろう。


 アラタが消えてしまった以上、次のカミカクシの対象は普通に考えれば、わたしか彼である。時間がもうない。


 そろそろこの街に関してわたしは知るべきであると思った。今までは正直目をそらしてきた部分もたくさんある。


 でも、わたしはこの街でひとつ、大切なものを見つけてしまった。だから……


 まだカミカクシに遭うわけにはいかなかった。


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新しく連載開始いたしました。マイペースにかいていこうと考えておりますので、お付き合い頂ければ幸いです。

動物のお医者さん、転生して今日からモンスターのお医者さんになりました!
よろしくお願いいたします。
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