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この宇宙の片隅に  作者: verisuta
ネドリー運輸
4/11

リストーン星系のマッドサイエンティスト

宇宙を行き来するのは物だけではない、多種多様な生命が今も何かを求めて旅をしている。


ー惑星リズ建国記念博物館の収蔵品ー

・ER-3000 C/B/L

エルーラ社製の大型輸送船。性能面では特筆すべき点も相変わらず無い物の、人類製の貨物船に限ればそこそこ優秀な万能型貨物船。異星人への恐怖心からか、民間船でも重装甲艦になりがちな人類において初めての経済性重視の設計をしており、人類が最も苦手とする長距離星間輸送が唯一出来るのが特徴、ただし耐久力を犠牲に船体を軽くした分、衝突安全性は人類至上最弱レベルに仕上がっており、安全面から売れ行きは好調とは言い難い。C型は貨物コンテナ輸送、B型は鉱石類輸送、L型は液体物輸送のバリエーションがある。


・ZB8型フリーゲート

オヴィルツィッヒ帝国ユーリアス社製の現行型の主力駆逐艦。駆逐艦としては銀河の平均より若干速力は遅めではあるものの、持前の高火力兵器を用いて主力艦への接近を阻止する迎撃要員や、主力艦の長距離兵器を用いた揺動要員としての万能さを持ち合わせる。

ネドリー運輸ではエンジンを巨人族製エンジンに換装し、速力を改善している。

 物流が細すぎるせいで物価が急上昇してしまい母星のランザールやコロニーで大規模なデモが起こる中、待望の2隻目の大型貨物船、ER-2000Cが投入・・・だが、ER-3000Cの時とは真逆、たかだか大型貨物船1隻が新規投入で何が変わるんだ!と世間からは批難殺到の嵐、だが港湾の人々には聖なる箱舟にしか見えないようで入港するたびに両手を合わせて祈られる始末・・・でも一隻増えただけで何も変わらないんだよな・・・知ってる。

 小型の商人も海賊船を所望してくるが、空いている船員の方が多く、提供してやれないのも事実、うちも自転車操業だ。

 いつも通りのロックベルト星系からの帰り、マスビダ星系手前のリストーン星系、ここは居住可能な惑星が無い、そのかわりに資源が豊富で貨物商船より資源運搬船がとても多い宙域でもある。一応フルジア王国が管理する星系だが星系警察は採掘場近くを巡視するだけ、実は海賊の墓場より海賊の多い地域である。G-8000Cはなるたけ星系警察巡視エリアを通る為大きく遠回りをしているが小型や護衛付きの船団は最短距離を突っ切る、そのルートがデプリ帯、海賊の食卓と呼ばれている・・・そんな所を1隻のER-3000Cが護衛も付けずに航行していた・・・。

 「は?サリマン運輸の船よね?馬鹿かしら?」

 「うちの・・・では無いな、迂回ルートを必ず通るよう指示してあるはずだ。なぜなら元々提出している輸送スケジュールは迂回路の日数で提出してるからな?誰がいくら急いだってどうしようもならない物量を必死に捌く為に無謀なスケジュールで運航するかってんだ?」

 「うーん、まぁ、それはそう」

 ・・・だが、その無謀なスケジュール、実はショートカット組に適応されている。つまり自分達はまさしくそれの対象範囲である。

 「艦長!救難信号を受信!海賊船に襲われていますがどうしましょう?」

 「みりゃ分かるが・・・しょうがない、ジェネレーターやるぞ」

 「了解、火器管制起動、オールグリーン、いつでも可能です」

 「OSA-324は全速離脱、その船の速力なら突破出来る、デプリには気を付けろよ?」

 「了解しました、ご武運を」

 「あいよ」

 OSA-324はブースト全開で速度を上げていく、旋回性能は悪いが、乗員は軍隊上がりの熟練だ、海賊から逃げ切る事など朝飯前だろう・・・もう銀河標準時刻上では夕方だが。

 「ドーファンは右、やれるか?」

 「可能です、移乗攻撃の準備も出来てます」

 「・・・そこまでやるか?」

 「相手は犯罪者、情けなど無用であります」

 新たにネドリー運輸に入って来たPC-600とG-5000と言う、ちょっと年式がちぐはぐな海賊船、ドーファンを頼んだ元帝国軍の巡洋艦艦長は帝国軍の帽子を深く被りつつ目を光らせる。

 「・・・任せる」

 そんな目をされたらやるしかないじゃないか?ひとまずそう言った瞬間、ドーファンの所属が海賊籍に変わる。

 「やるじゃない、うちのも前の情報、残ってるでしょう?」

 「中佐!残ってます!」

 「やって」

 「了解」

 オーエンスも海賊籍に切り替わる。リーサの目も帝国軍人の目に切り替わってしまう。

 「・・・もう帝国軍人じゃ無いんだけれども」

 リーサはそう言いながら立ち上がる、そして足元からビームライフルを取り出してエネルギーパックを装填する。

 「・・・徹底的に遊んであげる」

 帝国軍人特有の鋭い目つきが光る、リーサはそう呟いて艦橋から出て行った。海賊の命が危ないので抑止役が何人か必要だ。

 「・・・悪い、海兵を用意してくれ」

 「了解です、直ぐに向かわせます」

 オーエンスとドーファンは3隻の海賊船に接近する。すると相手の海賊船から通信が来た。

 「加勢してくれるのか?少し手こずっている・・・しかし見ない顔だな?」

 「あ?・・・ああ、最近海賊になったばかりなんだ、これからよろしく」

 ひとまずにっこり返事をする・・・どこまでごまかせるか、とにかくリーサ達をER-3000Cに送り込むまでは上手く海賊のふりを演じる必要がある。

 「何も知らなそうな船長だな・・・まあいい、私が海賊の仕事を教えてやろう、この船には普段市場に出回らない高価なブツが積まれている、仲間が貨物室のドアを開ける、回収を手伝ってくれれば分け前をやる」

 「そ・・・そうなのか?乗った!協力させて貰う!」

 「フン、本当にド素人か?良いだろう、俺様が海賊のやり方を教えてやろう、もう少し待て」

 ・・・うーん、知りたくもない。

 とは言え、どうやらうまく同業と勘違いされていそうだ。ER-3000Cにリーサ達を向かわせた後、貨物室方向へ後退するように見せかけつつ海賊船のジェネレーターを撃ち抜けるポイントまで下がる。

 「ドーファン、やれ」

 オーエンスとドーファンは一斉射、2隻の海賊船を不動にする。

 「おい貴様!何のつもりだ!」

 「さっきまで貨物船と一緒に居たんだぞ?海賊な訳無いだろ?」

 「おのれ!さては星系警察だな!野郎ども!片付けてズラかるぞ!」

 慌てた残りの二隻が反転しだす、だがジェネレーターが丸見えだ、揃ってもう一斉射で沈黙した。

 「・・・ま、星系警察でもないんだが・・・とりあえず外は楽勝だな?トランスポンダーは元に戻しておけよ?」

 「了解です船長」

 オーエンスとドーファンは元のうちの会社名義に戻る、それを確認して深く溜息を吐いた。しばらくすれば星系警察がやって来た。たまたま近くを巡視していた奴らだ・・・ついでに呼んでおいた。

 「星系警察だ!そこの海賊船2隻!おとなしく投降しろ!」

 「うちは商人だ!ネドリー運輸の商船だ!オデム=ササラで搭載した貨物のログを今送るが、詳細な確認は後回しにして欲しい。状況としてはサリマン運輸の商船が襲われていたので現在当船団の警備隊員が船内で海賊の制圧を実行中、まず目の前の海賊船からどうにかしてくれ!」

 「ネドリー運輸?・・・ああ、海賊の墓場で海賊狩りしている・・・交易ログと参照出来た、本物のようだな、待機していろ、後で事情聴取する!」

 巡視船の1隻が4隻の海賊船を制圧していく様子をずっと艦橋で眺めていればER-3000Cから制圧完了の報告を受けた。海賊は負傷させてるが全員捕らえたとの事、乗員は乗客一人を残して全滅だそうだ。うちの海兵隊は無傷、流石の練度である。

 俺らが逃げないかどうか監視していたもう1隻巡視船がER-3000Cにドッキングしてうちの乗員と捕らえた海賊を回収、そして乗員受け渡しついでに立ち入り検査と事情聴取を受ける。

 「・・・協力ご苦労、サリマン運輸にはこの船が破壊された趣旨を伝える。船体も穴が多い、エンジンが使い物にならない、大型船ともなれば牽引にも膨大な費用も掛かる、このまま廃船だろう、この辺に修理工場は無い、海賊船は好きに使いたまえ、どうせ手駒にするのだろう?我々はこれにて失礼する」

 「お勤めご苦労様です」

 星系警察のアンドッキングを見送る・・・しかしリーサの手には違法所持のビームライフルが残ったままだ。なぜ没収されなかった?星系警察はどうやら海賊を狩る為の特例で所持を認めてたらしいからだ。問題は生き延びた乗客だ、爬虫類族の女性が他種族も寄り付かないド田舎に来るのも珍しい。

 「・・・で、お客さんは何処まで?サリマン運輸の替わりにお届けしますよ?」

 「この先のステーションに行きたいんだけれどねぇ・・・困った!あの船にはそのステーションで使う機材が満載!出来れば運んでもらいたいのだけれども」

 「なるほど、チャーター・・・だからこんな危険地帯を」

 「500億クレジットも出したのに!護衛は海賊ごときに瞬殺!この辺で大手だから頼んだのに!シャーッ!」

 「・・・積み荷は無理だな、うちもカーゴは満載なんだ」

 「私だけステーションに送られても何も出来ない!何としてでもお願いする!」

 「参ったな・・・」

 リーサを見る。なんで私を見るの?そんな顔を返される。

 「艦長、ご提案が」

 火器管制担当のヤシマ・カナ中尉が立ち上がってこちらを見てくる。

 「なんだ?」

 「あと1時間後にヴァルカン船団がここを通過予定です」

 「2隻増えただけでは牽引できないぞ?」

 「可能です、周囲の貨物船、ジェネレーターが生きている船もかなり多いかと思われます。なぜならば貨物を投棄させる為、船体の電源を生かしておく必要があるからです」

 通信と電子戦担当のパルサー・ウィドラー大尉も立ち上がってそう言う・・・つまり、いつものアレをやれと言う事だ。またリーサを見ると大きく溜息をついた。お客様はつぶらな瞳でおねがいおねがい言いながら俺の周りをくるくる回っている。

 「・・・いつものね、分かったわ、海兵隊に準備させる、ヴァルカン船団止めといて!」

 「分かったよ、ドーファン!その辺からジェネレーターが生きてそうな船、どれでも良いから引っ張ってこい、さっき御用になった海賊船のエンジンでこのデカブツ引っ張るぞ!」

 「了解」

 そうと決まれば作戦開始だ、G-8000Cやらジャガー級の先代である中型貨物船のパルサーⅣなどを持ってきてまず海賊船とニコイチにする。海賊船は中型貨物船を引っ張りつつER-3000Cを牽引する、それが4セット、さらにオーエンスとドーファンを繋げる、その頃には継ぎ接ぎ貨物船のBBY-102を連れたヴァルカン船団が到着した。

 「ファルマンさん、何用ですか?」

 「イレギュラーだ、ER-3000Cを近くのステーションに届ける任務が発生した、コイツは航行不能、俺達で全力で引っ張る他無い」

 「了解しました、準備します」

 マイラは直ぐに牽引の準備を始める。取付けはリーサ達が行い、全ての船でER-3000Cを運び出す。

 ・・・こんな所にステーションが・・・?

 言われた通りの座標に行けばあった。ステージアコロニー半分くらいの大きさ、港も大きい、しかしドッキングの許可を申請しても返答が無い。

 「・・・まさか無人か?」

 「私が建造した最新鋭の研究プラットフォーム!様々な研究や生産が可能!薬が足らないと言いつつ、いつまで経っても大きな船を寄こしてこないフルジア王国の為にシーモア共和国が貨物ハブを作る事を前提に助成金を出してくれたおかげで想定の半分の予算で収まった!」

 「へーっ・・・なんか悪いな」

 「だが・・・」

 「だが?」

 「このチャーターを雇う金額がかなり高額で人を雇えなくてのー?」

 てへぺろ、爬虫類族のつぶらな瞳でそれをやられればまぁ・・・何でも許したくなるが・・・。

 「・・・研究とやらは出来るのか?」

 そう、人手が無ければ本末転倒だろう・・・。

 「研究自体は可能!ドローンを使えばどうにでもなる!・・・だが・・・」

 「だが?」

 「ステーションの維持が出来ん!その手の知り合い、知らない?2,000人くらい欲しいのー?」

 おねがいおねがい・・・つぶらな瞳でお客さんはファルマンの周りをまた回りだす。リーサを見れば無言でパルサーを指さした・・・人は・・・確かに余ってる。

 「分かりましたよ、連れてきます、元帝国軍人で良ければ」

 「やったぁ!お礼にうちのドックや倉庫、いくらでも使っていいよ!君の名前は?」

 「ファルマン・ネドリー」

 「おぉ!社長さん!私はエルムンドドエル、ドエルって呼んで!医学研究者をしている、ファルマン君の会社なら私のお使いも余裕でこなせそうじゃのー?」

 「まだ要求するのか・・・」

 「これから一緒に暮らす同居人の中でしょう?お使いの手間賃もちゃんと払う!それにファルマン君の私兵は帝国軍人上がりみたいだし・・・それにー・・・」

 「それに?」

 「2,000人の帝国軍人をポンと用意出来る辺り、この前の戦闘でかなりの帝国軍人を引き上げたんだよね?彼らの住み家に困ってるでしょう?国営のステーションに受け入れ出来ず、そして全員一文無し、船に乗せて物流を改善しようにも、全員がまずその船を買えない」

 「くっ!・・・まぁ、帝国軍人の就職先にはマジで困っていた所だ、実は5,000人近く居る」

 「それで君達はこうも船の牽引に長けている、そしてほとんどの船が海賊船、船を買う金が無いからサルベージで無理やり船を作ってるんでしょう?」

 「・・・よく分かったな?」

 「港では噂になってるよ?毎週のように継ぎ接ぎ貨物船を増やしているフルジア王国の物流会社があるって、あいにくチャーターを予約する時は大型貨物船を持ってなかったみたいだったから頼まなかった」

 「・・・そういう事ね」

 「じゃあ、君の為に修理ドックを増設するよ、溶鉱炉とか建築ドローンとかはそのまま残ってるし、材料はその辺から引っ張って来てね?牽引に使ってる船もドローンで直してあげよう!貨物船は流石に専門の業者じゃないと無理だけれどね?でも居るんでしょ?」

 「居るよ!・・・じゃ、この辺の船はそのまま置いていくぞ?」

 「ひとまず君の兵隊さん置いていってよ!荷物の積み下ろしに人手が欲しい!」

 「おい・・・」

 「おねがいおねがい!」

 「・・・海兵隊、出せるか?」

 「・・・大丈夫でしょ?と言うか、早くしないとまた遅配ペナルティ付くわよ?さっさと解放してもらわなきゃ」

 「そうだった!もう牽引はここまでで良いよな?どの道これ以上近づけられない!」

 「明日待っているぞ!」

 ぎゅむぅ・・・エルムンドドエルに抱き付かれる。

 「分かったから!」

 ひとまず引き剥がして牽引解除、牽引解除をしている海兵隊員は置いて中型機用の港にドッキング、エルムンドドエルを降ろして急いでステージアコロニーへ向かった、ギリギリセーフだった。その後は緊急会議だ。

 「ルーガ、悪い、話がある」

 「なんだ?」

 「俺達と一緒に隣の星系に引っ越して欲しい」

 「・・・お前、そこまでビックになってないだろ?」

 ルーガに正気か?という目で睨まれる。当然だろう、未だに中古の中型すら買えてないのに隣の星系に行くと言う事はもうこの星系に見切りを付けると言っているような物なのだから・・・だがそう言う訳ではない、リーサが詳細を切り出してくれた。

 「それが、エルムンドドエルって爬虫類族の女を助けたんだけれど、まーこれが厄介な女なのよ」

 「へー?」

 それでルーガの顔色が変わる、リーサは話をさらに進めてくれる。

 「リストーン星系に研究ステーションを作ったんだけれどフルジア王国との物流ステーションも兼ねてるみたい。そこへサリマン運輸のチャーターが研究機材を運んでたんだけれど海賊に襲われて仕事は失敗、替わりに運んで上げたのよ」

 「そしたらステーションの一部使用権と整備ドックの増設をしてくれる運びになった・・・そのステーション維持に帝国軍人を全て割り当てたいんだけれどまだこの星系の貨物船は全然足りていない」

 「オイオイ・・・中古も買えないくせにもう物流ステーション持ちか?まー隣だったら出ていくとも言えないが・・・資源しかない星系になんの価値が・・・」

 「シルバーロッドには美味しい部品倉庫、海賊の墓場より程度のいい貨物船の残骸がゴロゴロ浮いている宙域がある、海賊の食卓だ」

 「それにZB8型フリーゲートでこの宙域を巡視させれば大型貨物船も最短ルートを通れます」

 「あーあー・・・分かった、今の俺らには引っ越しは必要って訳だな?・・・この工場はアズニーに任せよう。港の無職達を引き取って来てくれ、ロックベルト星系に行くついでに降ろしてこい。それと、ZB8型フリーゲートも動かす手配をしておく、向こうで使うんだろ?」

 「場所はここだ」

 星系マップを指さして場所を指示する。リストーン星系のオロラ星系行きのジャンプゲートに近めの海賊の食卓から外れた微妙な宙域、勿論星系警察の定期巡視エリア外、ここ程ZB8型フリーゲートの真価を発揮できる場所は無い。

 「分かった」

 ルーガは場所を確認した後、その端末を手に取り、未登録のZB8型フリーゲートを全て動かす為の書類作りを始める。

 その間にオーエンスとドーファン、OSA-324とヴァルカン船団でステージアコロニーにドッキング、ステージアコロニーの管理センターに協力してもらい、行き場の無い帝国軍人を足の踏み場の無いくらい詰め込む。研究ステーションではエルムンドドエルが目を輝かせて待っていた。それでも1000人くらいしか運べていない、ZB8型フリーゲートが残りを連れてくるはずだ。帝国軍人の適当な大佐に港の管理を頼むと軍事基地のように回り始める・・・ZB8型フリーゲートが乗せてくる人材、大半が未だ無職だが、薬を積んで海賊の食卓で適当な中型輸送船の残骸を引っ張って戻って来た時には帝国軍人の難民が解消されたというニュースがコロニー中で話題になってたそうだ。  

 ファルマンはオーエンスを下船しルーガの所へ行く。

 「よう、ファルマン、ついにお前も物流センター持ちだな?」

 「物流センターと言うよりかは帝国軍基地だぞ・・・こりゃ」

 見渡す限り帝国軍の制服を着た人間しか居ない・・・果たしてこれは物流センターと呼べるのか?いささか疑問である。

 「ZB8型フリーゲートは巡視に8隻ずつ交代で回す事にした。ついでに博士様に金属ゴミも集めてこいと言われてるんだが・・・この宙域、不法投棄船も多いぞ?鉱石運搬船も結構捨てられてる・・・しかも動く、あの大先生はスクラップ回収船にしたらどうだとか言っているが、このステーション、溶鉱炉まであるんだな?」

 「そう言えばそんな事言ってたな?」

 「細かな鉄くずに限ってだが、溶かしてステーションの拡張とかにも使える。ひとまず修理ドックを建造中らしい、建設ドローンが設計図を持っているらしいから金属材料をひたすら溶鉱炉にぶち込む必要があるようだ・・・便利なもんだな?鉱石運搬船、未登録だがこっそり走らせてるぜ?そもそも星系警察が来ない」

 「この宙域は拠点が一つしか無いらしいからな?」

 「ついでに真横に放置されてるER-3000C、登録を調べてみたら抹消済みだ。廃船処理がいくら何でも早すぎるがめでたく廃船、まあ初期型だからな?またサリマン運輸の船をパクれてせいせいするぜ、また王国の為に働かせてやれるな」

 「あれが復活すればこれで3隻目、だがまだ足りないぞ?ステージアコロニーでアレなんだ、他のコロニーはもう港を閉鎖している始末、他のコロニーには悪いとは思っているがステージアコロニーの貨物だけでもまずなんとかしなきゃいけない」

 「それに・・・俺達は5,000人もの従業員を抱えてしまった、大赤字にも程がある。溶鉱炉なんて物があるんだから勿論水や食料生産プラントなども備えている・・・らしいが氷は外から調達しないといけないな、採掘船も欲しい所だ」

 「そんなにやりきれないが・・・やるしかないよな?」

 「そうだ、ここに食料を持ってくる船も用意しなきゃ全員餓死する、ひとまず貨物船を増やしまくる他無い」

 窓の外の宇宙空間を見る、言われなくともZB8型フリーゲートはER-3000Cを引っ張ってきている姿が見えた。

ー銀河の常識ー

・オヴェルツィッヒ帝国

居住可能惑星:カリル、月、火星など、他60惑星

人類の主要国家、銀河共同体参画前はかつて存在した人類のゆりかご、地球で栄えた国の中の1国家が開拓した元植民地国家で、人類初の異星人となるエマンクリシット皇国による侵略戦争後、今後発生しうる異星人からの侵略に備え、最も国力が残っていたオヴィルツィッヒ帝国に各国の植民地国家がまとまり、現在の人類にいたる。人口も人類の国家の中では最も多く、植民地星系を20抱える銀河の二大国家。侵略戦争の経験からも異種族との関わりは拒みがちな国家で特に押し付けを嫌う。

セルルド星系を巡ってエマンクリシット皇国と戦争中。

主なコロニー

リコリスⅡ国際貿易ステーションなど数千億以上

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