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ゴブリン師匠との特訓を始まった。
ゴブリン師匠曰く、加護は普通一つしか与えられない代物である。ゴブリン師匠の場合は鬼神ノ加護で、大昔に鬼の神に気にいられたらしい。
しかし俺はそのトンデモ加護を二つも与えられていた。一つは紅の狂竜の加護。イブ・ジャバヴォックの加護。もう一つは骸帝の加護で、骨の王の加護に間違いない。
特訓は加護の力を引き出すところから始まった。
「加護ノ力ノ引キ出スノハ、容易ダ 加護ニコウ願エバイイ 力ヲ寄越セト ダガ加護ノ力ハ心ヲ飲ミコンデシマウ 非常ニ制御ガ難シイ」
「なら早速やってみるよ師匠! 加護よ俺に力を寄越せ!」
「其レデハ二ツノ加護ガ同時ニ!!!」
ゴブリン師匠の叱咤は遅かった。
力を寄越せと命じた刹那に、俺の身体からにじみ出るように紫紺のオーラが沸き上がる。それは神々しいものでは無くとても禍禍しい力だった。俺は抗うこともできずに、紅の狂気と紫の殺意に飲み込まれてしまった。
「がぁあああああああああああああ」
「馬鹿者ガ!」
暴走? 俺は暴走するのか? 殺意やら狂気ごときに乗っ取られる? ギリギリで保っていた意識が抵抗する。こんなに面白い人生なんだ、邪魔するな。この身体も心も全て俺のものだ。加護なんだろう、いう事を聞け。
湧き上がってくる二つの加護の力は俺の手中にあるべきだ。乗っ取ろうなんていい気になるな。抑え込んでやる。俺が主だ。お前らは下僕で俺の力の一つに過ぎない。
上からたたきつぶすように、狂気と殺意を完全にコントロールした。暴れまわっていた紫紺のオーラは徐々に落ち着きを見せて全身に纏う。
「ふう~ 何とかなったな」
「・・・抑エタカ。馬鹿ゲタ精神力ダナ」
ゴブリン師匠は鋭い目を見開いて驚愕の一言だった。本来ゴブリン師匠曰く、加護を抑えることは不可能なのだと言う。加護を与えることのできる存在のモノが、神や世界に大きな影響を齎すことのできる化物だからだ。加護はそんな奴らと精神で繋がることで初めて力を制御できるのだとか。抑え込んで力を発動した俺は、それすなわち俺が加護を与えた神や化物を抑え込んだという事になるらしい。
「時間がないんだ師匠。早速稽古をつけてくれ」
「イイダロウ。色々ト順序ハ狂ッタガ、オ前ハ馬鹿ダト分カッタ。口デ説明スルヨリモ、体デ覚エル方ガ得意カ?」
「どっちかって言うとそうかも。意外と脳筋だって最近気が付いたんだ」
「フム。ナラバ、カカッテクルガヨイ」
「いい師匠を持ったぜ!」
「其レトモウ一ツ良イコトヲ教エテヤロウ。コノ迷宮ニ出口ハ存在シナイ」
「は? ダメじゃんそれ! どうすんだよ!」
「安心シロ、出口ハ作レバヨイ」
ゴブリン師匠は赤い加護のオーラを纏った右足で迷宮の床を踏み砕いた。それが意味することは、加護の力をマスターして迷宮をぶっ壊せという事だ。最高だ、本当にこの新しい人生は。
「我ラガ戦エバ、嫌デモ出口ガ出来上ガル」
「此処を守るのが何とかって言ってなかったっけ? いいのか?」
「構ワン」
「なら遠慮なくいかせてもらうぜ!」
「来イ!」
おひさし(*´エ`*)/▽ブリーフ!!




