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入学式は盛大に行われた。王都は半分お祭り騒ぎのようになっている。なぜなら絶大な人気を誇る国王の演説があるからだとか。個人的に興味がある。リリネル先生に聞いた程度だが、政策とかがかなり面白い。王都を守る壁を作らず入税関税は一切なしにしたのも、子宝を大切にして多額の資金を掛けて育て上げるのも、この世界で初めて劣竜による飛行部隊を作り上げたのも、全て国王らしい。この王都をここまでの大都会にしてみせたのも国王の手腕だということだ。
入学式が行われるのは学園エリア内にあるイベントホールだ。王都全土へ生中継で放送されるらしい。TVは無いのに生放送ができる。王都の上空に巨大なホログラムが映し出されるんだとか。学生はイベントホールで直に国王を拝めるのだが、俺としたら上空に写る巨大ホログラムも見てみたかったりする。
「イベントホールには初めて来たが、やはりデカイな」
「ママが作らせたんだって 国王様が大賛成したらしいよ」
「アルナ殿の母上は大概おかしいであろう」
俺とアルナとツキノワは制服に身を包み会場内の用意された椅子へと着席していた。アルナとツキノワは俺の紹介でお互いに知り合っている。一緒に訓練をしたりと特に仲が悪かったりはしない。ちなみにツキノワとエリスも顔合わせした。ツキノワは手合せでボコボコにされていた。鞭で簀巻きにされた俺が言えた義理ではないがな。
三人とも戦闘学科の新一年生で特別クラスへと割り当てられた。他の新入生よりも高価なイスに座っている。その所為かどうかは知らないが、在校生に新入生に観覧から視線がすごく集まっている。
「居心地悪くないかこの席?」
「レッドと私がお似合い夫婦過ぎて注目されてる?」
「・・・それは違うであろう」
アルナは相変わらず俺の腕にくっ付いている。ツキノワはイスが小さくて座りずらそうだ。
段々と人が集まり、特別クラスのイスもほとんど埋まった頃。一段と周りがやかましくなった。何かと思い周りの視線が集まる方へ顔を向ける。
神官の着る服に身を包んだ美少女がいた。透き通っているかのような真っ白い髪に、艶のある綺麗な柔肌。そして瞳の色が紅だった。アルビノだ!と俺は思った。もしかすると忌避されているのかと一瞬考えたが、真逆だった。見るからに周りの連中の反応は、興奮している。アイドルにでもあったかのようだ。
「あの子は有名人か?」
「え・・・レッドの常識知らずには驚かされるよっ」
「さすがに某でも知っているであろう」
やっぱり有名人か。アルビノの美少女は俺たちの近くへとやってきた。どうやら同じ特別クラスのクラスメイトのようだ。俺たちが見ているのに気が付いてアルビノ少女は、ニッコリと微笑んだ。アルナと反対側の俺の隣の椅子へ腰を下ろした。話すつもりは無いようで静かに前を向いている。
「で、いったいどんな有名人なんだ?」
俺はアルナに聞いたつもりだったのだが、反対側から答えが返ってきた。
「アリア・レフリです。はじめまして。不本意ながら聖女なんて言われているんです」
「へー なんで聖女なんて呼ばれてんだ? あぁ俺はレッド・ジャバヴォックだ。よろしくな」
俺が名を名乗るとアリアは整った綺麗な顔立ちで驚愕していた。アルナも美少女だと思うが清楚さが月とすっぽんの差はある。驚いているのにしっかり開いた口を手で隠していたりするところが淑女だなと感心した。ちなみにアルナは自分じゃ恥ずかしいのか知らんが話しかけられなくて俺の背に隠れている。ツキノワも同じだかなり緊張している様子だ。
「!? 狂紅竜の竜名をお持ちの方なのですか?」
アリアは少し体を俺に寄せて周りへ聞こえない様に聞いてきた。手が俺の腕をしっかりつかんでいる。
「おう イヴ・ジャバヴォックっていうドラゴンに貰った名前だけどな」
あと周りの有象無象からの視線に殺気がこもり始めた。アイドルと気安くしゃべるのは不味かったか?
「イヴの名前を知っているのですね なら本当に私の・・・」
俺にも聞こえない様な小声で自分の世界に入ったようにブツブツ言ってる。よく聞こえない。どうでもいいけどなんで聖女って呼ばれてるのか教えてほしかった。
「で、なんで聖女ってよばれてんだ?」
「ああそうでしたっ 私はルーラー教の教皇の娘なんです。小さいころから私の回復魔法が奇跡だって言ってくれるルーラー教徒の方々がいらっしゃって。いつのまにか聖女だと崇められるようになってしまいました。 私は只の回復魔法をしているだけなので、聖女だんなて言われたくないんですけどね」
困った顔で苦笑いするアリアは何とも可愛らしい。そして周りの奴らの殺気がさらに強くなった。
「なら否定すればいいんと思うんだが・・・ところでちょっといいか?」
「はい、なんでしょうか?」
「ルーラー教って宗教だよな?」
ここでアルナとツキノワから盛大なため息が聞こえてきた。アリアに関しては信じられないものを見る目を向けてくる。しょうがないだろ! 宗教って大っ嫌いで覚えたくもないんだよ。




