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エリスとの手合せから一か月は忙しかった。アルナの世話をしたり、アルナの世話をしたり、アルナの世話をしたり・・・なんで俺がベルサイユ宮殿みたいな女子寮のアルナの部屋の掃除をさせられてるんだ? どうやったらあんなに部屋を散らかせるのか、信じられない。出したものや使ったものは洗うなりして元の場所に戻す。それだけだ。それだけすればいいののに。ロルル姉様もそうだが、本当にどうすれば部屋の足場を失くすことができるのだろうか。しかもたった一か月でだ!
アルナの世話以外には、届いた制服のサイズを合わせたりした。素材は綿だと思うが、耐衝撃、耐魔法加工が施されているらしい。地球で言うところのブレザーにそっくりだ。上は黒よりの紺で、下のズボンは灰色のオーソドックスなブレザーだが。武器等を装備できるようになっている。胸の内ポケットにはオルガに貰った短剣を収納できる。
そのオルガから貰った短剣はエリスが紹介してくれた鍛冶屋で研ぎ直してもらった。自分でやろうと思ったが得意技の模倣を発揮した。鍛冶屋には悪いが刃の磨ぎ方は覚えたし、砥石や研磨剤などは購入した。
鍛冶屋にいくつでに王都探索を楽しんだ。必要必需品は全て寮すべて揃っているので、自分たちの所持金は自由に使うことができる。元日本人の名残もあって、寿司やうどんそばなどが食べたくなり探し回った。ラーメンは無かったが、寿司や牛丼に酷似した料理はあったので堪能した。
髪も長くなって鬱陶しいしこの前のツキノワのように誤解されるのはもう御免だったので切ってきた。肩に掛るか掛らないかぐらいの長さ以上は切ったら損します!という理髪店の女性店員の押しに負けて男としては微妙な長さのままだったりする。
アルナと一緒にいろんなところへ遊びにも行った。デートなのかは分からんが、アルナが喜んでいたのでそれでいいだろう。お揃いの名前の彫れるタグの付いたネックレスも購入した。アルナは指輪がいいと言っていたが流石に重かったんだ。
日々の訓練も欠かさない。シルバーパスのお蔭か訓練場は自由に使うことができた。早朝、夕方の一日二回。走り込みや型の練習に魔法の練習だ。キングに騎乗して空戦の練習もした。ちなみにアルナは時々サボル。自主性を重んじるつもりなのでサボっても特に何も言わないけどな。
戦闘学科なだけはあって他にも訓練している生徒はけっこういた。知らぬ間に俺は上級生の間で話題になっていたらしい。エリスとの戦闘が原因だろう。何度か手合せを頼まれた。当然全勝である。中には教えを乞うてくる奴までいたが、お断りした。
たまにツキノワと一緒に訓練するときもあった。大柄で俺にはないパワーを持っているのが羨ましくて仕方ない。俺よりも大きくて重そうな大剣を振り回しているのがかっこいい。俺もあと数年成長したら身長がツキノワまでとはいかなくても大きくなるだろう。今後の成長に大いに期待している。
昼には理事長室へと赴く。最初は地球でいい思い出が無いので足が重かったが、慣れた。今では友達の家に上がりに行く気分だ。
俺は【暗黒郷】や【魔導書】から検索した古代魔法を、エリスは【連結魔法陣】を、指導し合う。流石はSランク。俺以上に覚えがいい。一回聞いたら覚えられるだけでなく、使いこなせている。対して俺は【連結魔法陣】に苦戦している。元となる魔法陣が異常に複雑なのは問題なかったが、大地の流脈を魔力に還元するのができない。大地の流脈がサッパリ感じられずにつまずいている。
そんなこんなで忙しくも充実した一か月が過ぎて、とうとう学園の入学式の日がやってきた。




