1 令嬢
7歳のマリエールは完璧な貴族令嬢だった。知性も魔法も能力も礼儀作法も人を惹きつける力も美少女振りも並ぶものがいない。
1 令嬢
マリエールは7歳にして完璧な令嬢だった。彼女の設立したマリエール商会は、彼女の故郷である伯爵領内だけでなく国内、国外に販路を広げ莫大な財産を所有するだけでなく、貧民に食と食料と住居を与え伯爵領内には貧民がいないとまで言われている。そしてマリエールはあらゆる面で能力が高い。10ヶ国以上と言われる言語能力を始め記憶力、理解領、応用力、頭の回転の速さと言った知力の高さ。魔法の魔力、使える魔法の多様性、魔法の強さ、速さ。身体能力、貴族としての礼儀作法、人を惹きつける魅力、美少女というだけでない。話題の多様さ、人間性の確かさ、彼女の回りには何時も人がいる。
今は伯爵や領の幹部と一緒にいる。マリエールは領の経済を飛躍的に発展させ領政を改善して国内での伯爵領の地位を確固たるものにした。また数々の凶悪な魔獣を倒し名を馳せた。伯爵領にも国内にも国外にもなくてはならない存在だ。伯爵は、
「マリエール、国王からの依頼だ。北の国で魔王が出現したそうだ。お前に倒してもらいたいそうだ。」
マリエールは珍しく目が半眼になった。機嫌が悪い証拠だ。マリエールは、
「お父上、私は聖女でも勇者でもありません。魔王が倒せるどおりがありません。」
マリエールが機嫌が悪い時の呼び方だ。伯爵を始め幹部達が慌てている。国王に厳命されているのだろう。伯爵家は今や国内で並ぶもののない領地だ。様々な意味で国王を凌ぐ権勢を誇る。マリエール故だ。多くの者がマリエールを怒らせれば命がない事を知っている。マリエールと対立して多くの命が消えた事を誰もが知っている。証拠はないが。ただそんな時マリエールは半眼をしていた事をここにいる者達は知っている。この半眼は国王の抹殺を意味するのか伯爵の死を意味するのか。伯爵は慌てて、
「お前にやる気がないなら断る。何でも北の国は5回勇者、聖女を派遣して尽く失敗しているそうだ。北の国では強大になった魔王や魔獣達の被害で国が荒廃している。藁をも掴む思いで我が国を頼ったようだ。お前が気が進まないなら断るしかあるまい。」
魔王討伐の例は数々ある。討伐した例、討伐に失敗した例、しかし数度討伐に失敗するともう討伐が出来なくなる。国が滅んだ例は多くある。これもそんな魔王か。マリエールは半眼から笑顔に変わり、
「お父様、承りました。マリエールはその任務喜んで引き受けましょう。」
マリエールが魔王討伐を拒んだのは通常の魔王討伐が弱いからだ。高々勇者と聖女と後数人で討伐出来てしまう魔王をわざわざマリエールが討伐する意味がないのだ。魔王は大軍を率いて討伐するには不便な山中にいる。魔獣や悪魔を率いるので少数精鋭でないと討ち取りに悔い。魔王は早い段階で討伐しないと成長して手がつけられなくなり国が滅びる。今の北の国のように。
何故普通の魔王が弱いのかマリエールが知っているかというと討伐したことがあるからだ。あまりの弱さにマリエール自身も偽物じゃないかと思ったし他の者も思った。声高に偽物説をのたまわった者は一族郎党病死する憂き目にあったがマリエールがやったという証拠はなかったしマリエール犯行説を述べる者も病死した。
伯爵はマリエールに魔王討伐の依頼をした。マリエールは半眼になった。マリエールがこの目付きをする時良く死人が出る事を知っている伯爵は依頼を取り消そうとした。




