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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
66/103

第8話 賢者は入学準備をする②

「ここまではいいかしら。」


 二人の反応を見ながらセシリーは説明を先に進めていく。


「それじゃあ、進めるわね。」


 二人がうなづいたのを確認したセシリーは、最後に錬金術について説明していく。


「最後が錬金術の話ね。錬金術は物質変換・合成・抽出分離・生成が主な役割よ。昔は魔法でこれを行っていたわ。でも、魔法科学の発展で、作業台に物質変換・合成・抽出分離・生成の刻印を施して、作業をするようになったわ。」


 ジョシュアは錬金術についても興味を示した。とりわけ特産がないこの領地を錬金術でどうにかできないかと考えていたのだ。しかし、まだまだ知識が足りないためか、明確なプランは思い浮かばなかった。それでも、今勉強できることに感謝していた。


「でもね…問題もあるの。薬師ギルドの一部が猛反発したのよ。」


 セシリーは少し顔を顰めながら説明を続けていく。

 ジョシュアもまた、錬金術と薬師ギルドの関係性が見えてこなかった。

 レイアスはすでに心ここに有らずだった。


「どうしてここで薬師ギルドが出てくるんですか?」

「錬金術でポーションが作成可能だからよ。魔法で作ってた頃は、消費魔力が多かったためにそれほどポーションが作成できなかったんだけど…」


 セシリーの説明で錬金術ギルドと薬師ギルドの関係性をあらかた把握したジョシュアだった。


「あぁ~なんとなくわかりました…」

「さすがジョシュア君、理解が早くて助かるわ。」

「僕はよくわかりません…」

 

 セシリーは理解度の高いジョシュアに少し驚くも。講義がやりやすいためとてもうれしかった。

 レイアスはいまだピント来ておらず、やはり心有らずの様子。


「簡単な話、魔術でできるようになったから大量生産が可能になったのよ。大量生産できるってことは安価で卸せるってことにつながるわ。そうなると、薬師ギルドの高価なポーションは売れなくなるのよ。」

「じゃ、薬師ギルドはまずいじゃないですか。」


 セシリーが錬金術の生産能力の高さに触れると、レイアスはやっと理解できたようで、ジョシュアの質問に対して深くうなづいていた。

 しかし、ジョシュアはレイアスがほとんど理解していないことを見抜いていた。


「そのとおりなんだけど、ここからが面白いところなの。今まだ研究段階なんだけど…薬師が作るポーションと錬金術で作るポーションだと、薬師のポーションのほうが高性能なの。一説によると、錬金術で強制的に分離抽出した際に、成分が劣化してるのでは?って話よ。」

「それじゃあ、手作業のほうがいいじゃないですか?」


 ジョシュアの疑問に、セシリーはすこしだけ苦笑いしながら説明を続けていく。それもどこか呆れたような表情で。

 セシリーは黒板に錬金術ギルドと薬師ギルドの関係性を図式化して書いた。

 それを見ると二つのギルドの関係性がよくわかる。明らかにライバル企業のような存在なのだ。


「そこもまた、面白いところなのよ。錬金術で作成すると性能が若干低い代わりに、製薬速度がかなり早いわ。薬師の製薬はすべて手作業だから、効果が高い代わりにそんなに作れないってところね。」


 次に錬金術のメリットデメリット、薬師のメリットデメリットを付け加えていく。

 こう見ると、また違った形に見えた二人だった。

 レイアスはこの関係に疑問を持った。明らかに錬金術のほうがメリットが大きいからだ。


「そうか、それなら数が欲しい冒険者ギルドからしたら錬金術製ポーションのほうがいいのか。」

「そうね、でもそれだけじゃないわ。錬金術師の中にはわざと手作業で製薬する人もいるのよ。」


 セシリーはそんなレイアスの質問に少しわらいながら答えた。理由は簡単、今一番欲しい質問だったからだ。


「そうすると、必要とする人がいるから錬金術と薬師ですみ分けてるんですね。」

「正解。さすがジョシュア君ね。今は冒険者ギルドに半々で納めているそうよ。」


 ジョシュアはすぐにセシリーの意図に気付いた。考えようによっては二つのギルドは共存できるのだから。


「へ~。」

「レイアス…。興味ないでしょ?」

「………。」


 レイアス的には全くと言っていいほど興味のない話だった。レイアスとしては魔方陣について深く知りたいだけだったからだ。

 転生者としての血が騒ぎだしていた。


「午前の講義はここまで。午後も座学だからがんばってね。」

「はい。」

「………はい………。」

「レイアス…。」


 午後の座学宣言にセシリーは返事をするも、レイアスはどこかげんなりした表情をしていた。それを見たジョシュアはとても呆れていた。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


ギルド間でもいろいろと柵というか、繋がりというかあるんだなって感じです。

大人の駆け引きに付き合わされる現場は、毎度大変だろうなと思ってしまいます。

次回からはレイアスの異常性を垣間見ます。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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