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セフィロトの書〜賢者は賢者と知らない  作者: 華音 楓
幼少期編
49/103

第7話 賢者は森で修行する 四日目①

サバイバル四日目


「おはよう兄さん」

「レイアス、今日はちゃんと起きられたみたいだね。」


 本日の最後の火の番だったジョシュアは、レイアスにいつも通りの朝の挨拶を行った。


「さすがに慣れてきたよ。」

「じゃあ、修行明けも起こしに行かなくてもいいね?」

「が、頑張るよ…」


 レイアスは慣れてきたのか、自分で起きられるようになった来ていた。それを聞いたジョシュアはやはりからかいの言葉をかけるのだった。

 レイアスは仕切り直しとばかりに、ジョシュアに真剣な表情で話しかけた。


「そういえば兄さん。ここ二日の事で考えたことがあるんだ。」

「どんな事?」


 レイアスの言葉にジョシュアは何の話か大体の予想はついた。しかし、レイアスが真剣に考えたのだからと、話を急かしはしなかった。

 レイアスは、思い切ってジョシュアに相談するのだった。


「うん、僕は魔法に頼りすぎて、魔力のコントロールが全然できていなかったなって。確かに、ぎりぎり足りてたけど、何かあったときに余裕がない感じなんだ。特に、兄さんが突破されて自分自身で対応しようとするとき、僕の装備だとなかなかきついかなって。」


 レイアスはここ数日の戦闘を思い返し、自身の問題点を挙げていった。ジョシュアもまた、思うところがありその言葉には納得のいくものだと感じた。


「そうだね。それについては僕も反省しないといけないかな。剣とスキルだよりになってて、牽制とかぜんぜんできてなかった。師匠にばれたら絶対に怒られるやつだね。」

「そういうわけで、僕は今日の探索では下位魔法中心に組み立てた、あとはバフ系の魔法を使っていくつもりでいるんだ。」

 

 レイアスは次の戦闘についてどう組み立てていくのかジョシュアに説明した。レイアスは内心ドキドキであった。それは、焦りからくるものなのか…冷静な判断ができているのだろうか…不安が頭をもたげてきた…。


「うん、僕は投げナイフとかかな。牽制用で持ってきたけど、消耗品だからね…」


ジョシュアもまた、自身の戦闘スタイルの見直しをはかるつもりであった。


「確かに投げナイフ無くす可能性あるから、地味に躊躇しちゃうよね。」

「そうなんだよね。無属性魔法の【ニードル】を出してくれる魔方陣が刻印されたグローブとかも考えたけど…高いんだよね…」


 無属性魔法【ニードル】とは、細い針上の魔力塊を飛ばす魔法で重宝されていた。

 だが、魔法は【詠唱】が必要なため、近接戦闘においては致命的な魔法となっていた。

 そこで、登場したのが魔方陣の刻印である。魔力を流すだけで魔法が発動する。つまりは魔法の魔術化に成功したのである。

 しかし、そこには問題もある。汎用性が高いものの、細かな調節ができず、一つの魔法しか発動できないのであった。


「あ、あれか…。確かこの前、魔道具屋に売ってて、迷った挙句値段見て心折れたやつだ…」

「今回は投げナイフを牽制に使いつつ、戦ってみるよ。」


 前述のとおり、革新的技術のためお値段はお察しのとおりである。ジョシュアのお小遣いでは到底足りる値段ではなかったのだった。


「じゃあ、いこっかレイアス。」

「そうだね兄さん。」


 気を取り直して二人は、洞窟の外へ探索に出かけたのであった。


ーーーーーーーーーー


 ガサガサ…ゴソ…

 二人が洞窟を出た後、近くの茂みから男の気配がした。


「すまない。少し時間が欲しい…」


 男は洞窟へ向かって声をかけた。


「『かまわんよ。こちらが無理を言っているのだから。』」


 そこには熊の姿があった。


「たすかる。」

「『頼んだ…友よ。』」

「まかされた、友よ。」


 何やら二人の間には「友」と呼べるつながりができていたようであった。


 一陣の風が吹いた後、そこには誰もいなかったのであった。

 熊は、その場を後にして森へと消えていったのであった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


ついに森での修行も折り返し地点へ差し掛かりました。

レイアス達の心の疲労がうまく描けたらと思っておりますが…技量不足!!


誤字脱字等ございましたら教えていただけると幸いです


では、次回をお楽しみください。

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