第2話SS モンスター・パニック~勇者サイド④
領主館へ挨拶へ向かったアルフレッド。案の定領主につかまり、半強制的に宿泊を余儀なくされた。堅苦しいのは苦手なアルフレッドではあるが、ここで問題を起こすわけにもいかず、諦めの境地で対応したのだった。
手厚い出迎え。豪華な食事。おべっかを使いつつの冒険譚。子供達とのふれあい。豪華すぎる寝室。どれもアルフレッド的には勘弁してほしいと思うほど、すさまじいい歓迎ぶりであった。
領主の歓待は夜遅くまで続いた。よく見ると他家の貴族も食事会に参加しており、すでに収集が付かない状態になってきていた。
正直アルフレッドは後悔していた。領主館へ来たのは間違いだったのではないかと。
アルフレッドは壊れた人形のように、貴族に対して愛想を振り撒き、見た目は神対応をしていた。
夜遅く、貴族たちから解放されたアルフレッドは、自室のベッドに横になり泥のように眠りについた。
------------------------------
翌朝、旅立つアルフレッドを、領主自ら見送りに門まで出て来ていた。
「それではお世話になりました。突然の訪問にも関わらず、手厚い歓迎感謝いたします。」
社交辞令ともいえる挨拶を、アルフレッドは頑張って伝えた。
「なぁに、礼には及ばんよ。君の活躍を聞くたび、この年老いた私の胸が熱くなる。枯れたはずの冒険者への夢が、膨らんでいくんだよ。よければ、もう一泊してくれないか?」
アルフレッドの礼の言葉に気をよくした領主は、さらにもう一泊の約束を取り付けようとしてきた。
「すみません、これからまだ寄らないといけないところがあるもので、先を急ぎます。またこちらに寄った際によろしくお願いします。」
アルフレッド的に一拍ですらギリギリ耐えた歓迎に、もう一泊とは勘弁してほしいと考え、予定があると断りを入れる。本心を知られれば、不敬罪に問われかねない胸の内だった。
「それでは引き止められないね。こちらにおいでの際にはぜひとも冒険譚を聞かせてくれたまえ。」
そんなアルフレッドの胸の内を知らず、またの機会を心待ちにしている領主に、アルフレッドは若干心苦しく感じていた。
「その時は必ず。では失礼いたします。」
「あぁ、気を付けて。」
領主に挨拶を済ませたアルフレッドは大通りを目指して歩き始めた。




