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旅立ち...いや、逃げ出し

意識が戻る...というより元々起きていたようななんだか不思議な感覚に襲われた。辺りを見渡すと、テーブルに椅子、全体的に西洋感を漂わせる調度品の数々が所せましと置いてあった。一つ一つは一級品なのに沢山集まるとゴミにしか見えないから不思議だ。


「てか、ここどこだ?」


「神の部屋ですよ」


突然声がして、扉が開く。そこから現れたのは美しい金髪で長身の美女だった。


「あ、あのどちらさまでしょうか?」


俺は美女パワーに負け噛みながらもそう尋ねた。


「そうですね。名前…はないんですが、立場的には神の使いですね」


「……」


やばい奴なのか?自分のことを神の使いとか言っちゃうサイコな女なのか?でも、見た目は可愛いし...いや、見た目で判断するのはまずい。サイコかサイコじゃないかは見た目では絶対に分からないからな。

よしっ、ここからは慎重にいこう。


「あのーところで...」


「神の使いですよ」


にこやかに言ってるけど、目が全然笑ってない。なんだ?何が気に障ったんだ?


「そいつは、人の心が読めるからな」


といってまた、同じ扉から人が入ってきた。そいつは、一言で言うと子供。こちらも、綺麗な金髪と整った顔立ちだが、見た目が圧倒的に子供だった。だいたい小学3年生ぐらい。そんな子供がずかずかと部屋に入ってきたのだ。いや、しかしロリキャラといっても実年齢が同じとは限らないぞ。旅の途中で聞いたが、エルフというのは自分の体にとって最高の状態というのがあるため、時たまに凄く幼くして老化が止まる者もいるということだ。この見た目は子供は頭脳も子供何だろうか?


「えーと、どちらさまでしょうか?」


「神だ」


あっちゃぁ頭脳も子供だったかぁぁぁ


「こいつ私達のことやばい奴らだと思ってますよ神様」


「まぁ、当然だろ。起きたら目の前に美女が2人。しかも、片方は神の使い、もう片方は神とか言ってるんだぞ?」


2人がなにか話していた。何の話かはいまいち聞き取れないが神の使いと言っていた方が若干険しい顔をしている。


「どうやって信じてもらいましょうかね」


「うーーーん...あっ、あれがあった」


「?」


神といっていたロリっ子が突然俺の前に立つと人差し指を俺に向けて


「どーん」


と言った。すると、何かが指から飛び出し俺の胸を貫いた。


「「はっ?」」


俺と神の使いと言っていた女の子の声が重なった。何故なら俺の胸には大きな穴が空いていたからだ。


「っっっっ!!いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇええ痛くないっっっ!?」


「そりゃそうよ神なんだもの私。これで、信じてくれた?」


神とかいうのは自分のことを信じてもらうために俺の胸に穴を開けたらしい。いや、意味が分からないが...


「分かった。信じるからこの胸どうにかしてくれ」


「分かったわよ。ほいっ」


胸の傷は跡形もなく消えていた。


「で、あなたが信じてくれたところで本題に入りたいと思います。」


「本題?」


「そうですね。そろそろ入らないと彼死んじゃうかもしれませんし」


全然何の話か分からないが俺の命がピンチらしい。


「えーと、神の部屋って人間どのくらい居れるんだっけ?」


「あと、10分ぐらいですね」


「じゃあ、急ぐか。では、類さん」


「はっ、はい」


「今、あなたはすっげぇピンチに陥っています。具体的にいうと爆発に巻きこまれたあなたは200mほど吹っ飛び全身の骨折及び血管がことごとく破裂しており、前衛芸術作品のような格好になっております」


そこまで、酷いことになっていたのか。てか、自分の爆弾で死にかけるってださ過ぎて悲しくなってきた。


「そこで、復活チャーーンスッッ!」


突然、神のテンションが上がった。


「復活チャンス?」


「そうです!復活チャンスです」


「自分の力が地球の神より劣っていたから能力を付けられなかったことのお詫びでしょう」


神の使いとやらが神に向かって言った。


「しっ!言うなって!」


どうやらこちらが正しいようだ


「ま、まぁいい。復活チャンスです。あなたに能力をもう一つ与えます。これを使って今回の窮地を乗り切ってくださいね?」


「なんで、俺のためにこんなことしてくれるんですか?」


「ここで、死んだら俺の責任問題になるから」


「そっ、そうですか。」


やはり、世知辛い。


「あっ、あと今後は2度と現れないのでそのつもりで」


えっ、普通こういうのって何度か現れるもんじゃないの?


「普通1度も現れませんよ」


神の使いさんは俺の心を読んだようで答えてくれた。てか、この人は神の秘書のようなものだな。


「では、さようなら雲和 類さん。あなたの旅に幸運が訪れんことを」


秘書さんが俺にそう言ったすると俺の足元が光りだす。もう、ここには居られないようだ。そして、転移する瞬間神が


「ごめ~んねっ♡」


と言った。何が?と聞こうとしたがすぐに光が強くなって俺は意識を失った。

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