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ただ敵を倒すだけの簡単なお仕事

長すぎるプロローグはこれにて終了です。


「さて、問題の世界へ飛ばす前にそなたの名を変えなくてはな」


「えっ……何のために変えるのですか?」


「そのままの名では、すぐさま異世界人であるとバレてしまうだろう?それを防ぐために、一応名を変えておこうと思ってな」


「はぁ、分かりました。一体どんな名前にするのですか?」


「ふーむ、そなたの力である貪食の意味を持つグラル。そなたはこれより、グラルと名乗れ」


 貪食の意味を持つグラル、か。名前を捨てることにあまり抵抗はない。だが、守夜桐継って名前はそこそこ気に入っていたから、少し残念な感じはする。


「グラル……まあ、自分で決めるのは面倒なのでそれで構いません」


「うむうむ。それでは早速行ってもら『お話し中大変申し訳ありません、至急お耳に挟んでいただきたいことが』……一体何事だ、夜叉」


「ハッ、ただ今、問題視されていました異世界が、現時刻にて滅びました」


「なんだとっ!!少し待て!今確認する!」


 慌ただしい雰囲気と異世界が滅びた。その言葉からただ事では無いことがうかがい知れる。


「はぁー。やってくれたな。今、あの世界の周辺もろとも時間凍結した。それによって複数、並行世界に問題が起きた。夜叉、手の空いている者を集め至急、並行世界を救え。良いな」


「御意。すぐさま行ってまいります」


 夜叉は空間に溶けて消えた。威圧的な雰囲気が扉から発せられ、嫌が応にも意識させられる。


「グラル。聞こえていただろうが、そなたが向かう世界だが現時刻を持って滅びた。その為、我が時間を凍結させそれ以上の被害を抑えているのが現状だ。そこで、我が遡れる最長の時間を調べた結果、十五年前まで遡れることが判明した。よってそなたには、十五年前の時間に飛んでもらい世界の滅亡の原因もついでに潰してきてもらう」


「ええ、別に構いませんけど、どうやってその世界に行けばいいのですか?行き方わからないのですが」


「それはこちらが行うから心配しなくてよい。それと、一つ問題が発生した。余りにも異世界人を呼び過ぎたため、そなたの肉体をそのまま送り込むだけのリソースが存在していないことが判明した」


「えっ?じゃあどうやって送るんですか?」


「肉体を送り込めないため、魂を抽出し、肉体に憑依させることにした。そこで、その素体となる生物を探しているのだが……ん?これならば良いだろう」


「いったいどんな素体が見つかったんですか?」


「少々若すぎるが、五歳の少年の死体を発見した。その体の持ち主にも今、話を付け終わった。面倒を掛けるがそれでも行ってもらえるだろうか」


「五歳ですか……そんな体で戦えるか心配ですね」


「案ずるな。身体能力に関してはどうすることも出来ないが、餓魂の剥片を武器に変化させ戦えばどうとでもなるだろう。それと、お前の魂に宿っている【貪喰】に関してだが、これも当初はそのまま送るつもりであったが、こちらもリソースが足りなかった為、限界まで封印させてもらうが構わないか?」


 【貪喰】が使えなくなるのか、なかなかに厳しいスタートになる気がするな。何とかなるように、立ち回らなければならないようだな。それも面白そうだ。


「ええ、大丈夫です。それで、問題は終わりですか?」


「流石だな。そなたには苦労を掛けるがよろしく頼む。ああ、そういえば、そなたが今から行く世界だが、レベルの概念があるようなのだ。レベルを上げると、その存在の格が上がるようだ。故に、レベルを上げれば、その世界で【貪喰】を扱えるようになるかもしれない。積極的にレベルは上げるようにすると良いだろう」


 と言う事は、RPGゲームと同じシステムで出来ているのだろう。そそるねぇ。楽しみになってきた。


「ええ、承知いたしました。早速送ってください」


「良かろう、そなたの献身に感謝する。面倒を掛けるがよろしく頼む。【転移・*****】」


 ああ、きっと血沸き肉躍る、戦いが出来ると信じて光の渦に呑み込まれていく。愉しみで愉しみで、今から顔がニヤケテしまう。いったいどんな、敵が待っているのだろうか。


 さあ、喰らい尽くしてやろう。







 ――――――ああ、行ったか。彼はまさしくアレと同源の存在なのだろう。相対したその瞬間、我の本能がそう叫んでいたのだから間違いはないだろう。それに、我が配下の一人を本気ではなかったものの、武器を抜かせたのだから既に異常の領域に足を踏み入れている。どうにかして戦場を見つけ続けなければ、いずれあやつも呑み込まれ破滅をもたらすだろう。何とかしなくては……。


「ただいま戻りました。お加減はいかがでしょうか、閻魔様」


「ああ、平気だ。そちらは問題なかったか?」


「はい。サボり魔の黒邪鬼に殆ど任せましたが、特にこれといった問題も無く並行世界の救済処理が終わりました」


「それならば良い。時間の凍結に力を割いている故、業務の大半を我の()に任せる。また何か問題が起きたのなら知らせてくれ。頼むぞ夜叉」


「御意に。して、あの男はどうなりましたか」


「桐継、今はヴェロスと名を変えた男か?奴なら既に送り込んだぞ」


「それは、少々残念ですね。あの男と戦ってみたかったのですが、仕方ありませんね。死んだのちに、戦うことにしましょう」


「それはすまなかったな。奴が、世界を救ってくれるようにここから祈ろうではないか」


「ええ、そうですね。アレと同じ滅びをもたらさない事を祈りましょう」


「アレは、我らすべての()()()()()()()


 誰にも知られること無く、その話は虚空へと溶けて消えていった。

次のお話から、救うべき異世界のお話になります。良ければ楽しみに待っていて下さい('ω')ノ

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